引っ越し業者のサービスには、作業を開始する時間に応じて、午前便と午後便があります。
これは、その名の通り午前中に荷物の積み込みが開始されるサービスと、午後に作業がスタートするサービスのことです。
単純に作業の時間が異なるだけでなく、料金などに大きな違いが出てきますので、知っておくとお得に引越しをできる可能性が高くなります。
なぜ午前便と午後便の2つのサービスがあるのか
引っ越し作業は、部屋の中から荷物をトラックに積み込むまでと、到着した荷物をトラックから積み下ろすまでの間にだけ、人手が必要です。
積み込み終わった荷物を移送中の時間帯には、運転手以外の人手は必要ありません。
たとえば、あるていど移動距離のある家庭の引越し作業をする場合、午前中に荷物を積み込み終えたとすると、トラックが発車して、翌朝に転居先に到着するまでの間は、作業員はすることがありません。
これでは会社を経営する立場からすると非効率です。
午前中の仕事を終えた作業員を午後には別の家庭の作業にに投入できれば、一人の人間を一日に二か所で活用できることになります。
さらに、夕方にももう1軒、別の家庭の作業があれば一日に三か所で作業員を活用できることになります。
また、一か所に大勢の作業員を投入して積み込みの時間を短縮できれば、次の家庭に早く行くことができます。
作業時間を短くすることで、作業員を一日に何回転も動かすことができるようになるのです。
こうして、引越し業者は作業効率を高め、コストダウンを図ることにって料金を安くするように工夫しています。
そのため、午前中にスタートするサービスと、午後スタートするサービスが存在しているわけです。
一般的に午前便は午後便よりも2~3割料金が高くなる
午前便はその日の最初の作業になります。
トラックも作業員も現地に直行するので、例えば「9時」などとあらかじめ決められた時間から作業がスタートすることになります。
依頼主にしてみれば、朝早くから作業が始まればその分早くおわり、時間を効率的に使えるので、一番ありがたい時間帯です。
依頼をする側からすれば、誰でも午前便を使いたいと考えるのが普通です。
しかし、誰もが使いたいということは、需要と供給のバランスが崩れますので料金的には一日の中で一番高くなっています。
業者によっても違ってくると思いますが、一般的に午後便に比べて午前便は2~3割高いと言われています。
午後便は時間がはっきりしないのがネック
午後便は、午前便が終わった後や別の午後便が終わった後に現地入りしますので、スタート時間がはっきりしません。
別の現場での午前中の作業が早く終われば、午後便も早くスタートしますが、移動できない家具があるなど何かトラブルがあったりして作業が遅れると、午後のスタートも大幅に遅れてしまう可能性があります。
引越しの作業がいったい何時に始まるかがわからないというのが、午後便の最大のデメリットといえるでしょう。
ただし、その分午前便にくらべて料金が安く設定されていますので、「とにかく今日中に作業が終わればいい」という程度のフレキシブルな考え方の人には、とてもマッチしたサービスといえます。
引越し料金が2~3割程度安くなるというのは、かなりのお得感があるといえるでしょう。
さらにお得な「フリー便」もあります
午前便でも午後便でもなく、「その日に引っ越しをする」ということしか決まっていない「フリー便」というのもあります。
依頼主は何時に来るかわからない引越し業者を、一日中待っていることになります。
ちょっと精神的には落ち着かないサービスといえそうですが、その分、料金はかなりお得です。
業者によっては通常料金の半額くらいまで安くなるケースもあるようです。
引越し業者にしてみれば、自分たちの手の空いた一番都合のいい時間帯に作業ができるわけですから、安くなるのも当然です。
午前中から待ち続けて、ようやく作業員が来たのは夜の8時だった、というようなこともあり得ますが、のんびりと待てる人には、料金的なメリットが大きいといえます。
繰り返しになりますが、引越し業者の設定する時間帯には、午前便、午後便、フリー便があります。
午前便が一番便利ですが価格は高めです。
午後便は何時スタートになるかわかりませんが、ややお得な料金設定です。
そして、フリー便は終日待ちぼうけをしなければならなくなる可能性がありますが、とてもお得な料金体系となっています。
それぞれの事情に合わせて、自分の都合や予算にあったプランを選ぶと良いでしょう。
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