引っ越し業者を選ぶときに、テレビの日のCMでよく目にする、いわゆる大手を選ぶのか、一般の運送業者と兼業の地元の中堅どころの業者を選ぶのかで迷う人も多いことでしょう。
しかし、現実的には実績のある会社であれば、規模に関係なく信頼度にはそれほど差はないといっていいでしょう。
自分が必要としているサービスを適正価格で提供してくれる業者をを選ぶのがベストといえるでしょう。
まずは、大手や中堅といった規模にこだわらずに、複数の会社から見積もりをもらって比較をするところから始めてみましょう。
ハードとソフトの質の高さなら大手の引越し業者
一般的に大手の引っ越し業者といえば、アート引越センターやアリさんマーク、ダック、引っ越しのサカイなどコマーシャルソングのフレーズが浮かんでくるほど有名な会社がほとんどです。
これまで一度も引越しをしたことがない人でさえ、これらの引越し業者の名前は知っているに違いありません。
これらの会社は「運送業者」でありながら、通常の集荷・宅配といった業務はほとんど行わず、引っ越し業務のみを専門にしています。
専門業ですから、やはり兼業のところにくらべると、それなりのノウハウや技術を持っているものです。
また、引越しをするための機器や設備も充実しています。
階段が狭くて大きな家具が二階に運べないときに活躍する高所作業車や、ピアノやペット専門の輸送車など特別な状況で活躍する特殊車両などを用意することも可能です。
また、荷造りをするときにも、専門業者ならではの特別な資材を使ったります。
パソコン専用の梱包材や、お皿が割れないよう間仕切りのしてある食器ケースなど、さまざまなものが用意されていたりします。
あるいは、家具、家電、階段や床を傷や破損から守る専用養生材など、荷物の形と強度に合わせた専用の梱包材なども準備することが可能です。
そして機材だけではなく、それらを扱うスタッフも専門ののエキスパートとして社員教育がほどこされているため質の高い人材が揃っています。
作業にあたっての全行程、荷造りから搬送、運び入れ、配置まで安心して全てお任せできるのがこれら大手の専門業者の特徴です。
ただし、大手の場合は、設備投資や梱包材の開発、社員教育に多額の費用をかけていますから、その分、中堅の会社に比べるとコスト的にはやや高めになっています。
価格で選ぶなら有名どころではない運送会社
業者の中で一番数が多いのは、通常の運送と引っ越しを兼業している中堅の業者です。
運送か引っ越しのどちらかに重点をおいて営業している会社が多いようですが、いずれにしても荷主からの依頼によってフレキシブルな対応で荷物を搬送することが出来ます。
中堅の場合は、大手のように広告費などにあまり経費をかけていない分、安い金額設定になっていることが多いようです。
同規模の会社数が多いことから業者間の競争も激しく、そういった業者から複数の見積もりをとることで、より割安な料金で引っ越しをすることが可能となります。
専門業者ではありませんから、特殊車両を持っているようなところはあまりありません。
トラックは荷台つきの通常の車両の他、小型クレーンつきのものがあるくらいです。
梱包材も普通の段ボールですし、養生にも毛布やベニヤ板を使う程度のものとなります。
大物家具や家電の養生などはやってくれますが、食器や洋服などの小物などの荷造りは依頼者が済ませておかなくてはいけません。
価格が安いだけではなく、自由度が高いのもこの中堅の業者の特徴です。
比較的業者が暇な時期に日時をを合わせることができれば、驚くような安値で引き受けてくれることもあります。
家族や友人など手伝いの人手が足りているときは、運転手と車両だけお願いしたり、数回に分けて転居先に荷物を運んでもらうことも可能です。
傷つけて欲しくない高級家具や貴重品などがあったり、新築なので絶対に壁や床を汚して欲しくないといった場合には、やはり大手の業者に依頼したほうが無難かもしれません。
また、荷物が多いのに荷造りをしている時間がなかったり、高所作業車が必要な現場のときにも、やはり選択肢は大手の引越し業者に絞られます。
「予算が限られている」「あるいは荷造りは全部自分でできる」「荷物の出し入れと搬送をお願いしたい」「日時はある程度調整できるからなるべく安い価格で引き受けて欲しい」などの理由であれば、こんどは中堅業者の出番ということになります。
さらに詳しく中堅業者について知りたい方は、下記のページも参考にしてください。
地元の引っ越し業者に依頼する場合のメリット
まとめ
大手専門業者と中堅業者、それぞれの特徴を生かすも殺すも、作業を依頼する側が何をやって欲しいのかきちんと把握していることが大事です。
自分の希望に合わせた必要最低限の作業をお願いすることがサービスと価格のバランスのとれた賢い選択となることでしょう。