引越し業者と宅配業者は業態が似ているので、一般の人にとっては区別がつきにくいかも知れませんね。
どちらも、トラックで段ボールを運ぶイメージがあるからでしょう。
元々は宅配業者だった会社が、引っ越しにも参入して両方のビジネスを展開いしているケースもあるので、なおさらです。
具体的にどこが違うのか、宅配業者と引越し業者の違いについて、わかりやすく整理してみましょう。
少ない荷物を送るだけなら宅配業者
引越し業者も宅配業者も荷物を運ぶという点では同じで、どちらも転居の際に利用することができます。
違いは、引越し業者は転居にかかわる作業全体をやってくれる専門業者であるのに対し、宅配業者は個々の荷物を運んでくれるだけ、ということになります。
引越しの専門業者は、あらかじめ梱包用の段ボールを用意してくれて、部屋にある荷物一式をトラックに積み込み、そもまま目的地に運んでくれます。
会社よっては、タンスの中の荷物を段ボールに詰めたり、引越し先で段ボールから出してタンスに戻したりといったトータルでのお手伝いもしてくれるサービスも提供しています。
トラックはまっすぐ目的地に向かうため、到着の時間もはっきりと決まっているため受け取りが容易です。
家具などの大きさや重さに限度はありませんし、全体の荷物の量や移動する距離などで値段が決まりますので、荷物をまとめる前に料金がある程度把握できます。
宅配業者の場合梱包作業は基本自分でするのが基本
宅配業者の場合には、段ボールは提供してくれませんので、自分で用意するのが基本となります。
少量の荷物を玄関まで取りに来て、転居先の玄関まで届けてくれますが、一人のお客のために1台のトラックを使うわけではないので、他の人の荷物と一緒に運ぶことになります。
そのため、到着時間などをピンポイントで指定することはできません。
ある程度の時間指定はできますが、2時間単位の大まかなしていですし、どんなに早くても荷物が到着するのは翌日以降になります。
ここが、近距離ならその日に荷物が到着する引越し専門業者との大きな違いです。
宅配業者は荷物ひとつひとつに料金がかかるため、数が多くなると高額になる場合がありますし、タンスなど大きな荷物の場合には、取り扱いができなかったり、仮にできたとしてもそれ一つだけで1万円もする場合もあるようです。
箱詰めをしてみないと全体の個数が決まらないため、事前に料金もわかりません。
身近で便利なイメージのある宅配便ですが、こと引越しに関してはあまり使い勝手は良くないようです。
価格的には、小さな家具が数点、段ボール箱が数個というような場合には、宅配業者を利用した方が安いことがあるでしょう。
しかしある程度の量があるのであれば、引越し業者を使った方が安くて便利です。
また、さまざまなオプションを使うことで、引越しそのものが非常に楽でスムーズにできることでしょう。
大型の家具があるのなら、専門業者にお任せが安心
単身で荷物の量が少なく大きなものや重たい家具もない場合で、自分である程度梱包などの時間が取れる人であれば、宅配業者を使うのも良いでしょう。
二人以上で暮らしている世帯や、単身者でもある程度の荷物がある場合には、専門の業者の方が安心して任せられます。
冷蔵庫や大きなタンスなどは、プロの作業員でないとうまく運べません。ヘタに素人が移動しようとすれば、落として壊したり傷つけたりしてしまう危険性が高いです。
特に冷蔵庫は横倒しをして運ぶことができないために、ある程度手馴れた人じゃないと苦労することになります。
慣れない作業をして腰を痛めたり、肩を壊したりするケースもあり得ます。重い荷物を足に落としてケガをすることもよくあります。
お金を節約しようと無理をした結果、体を壊してしまっては元も子もありません。
そもそお冷蔵庫や洗濯機などの大型家電は、宅配業者では引き受けてくれないケースが多いので、大型の家電や家具がある場合には、最初から宅配業者は選択肢に入れずに、引越し専門の業者に依頼するのが一番です。
運ぶよりも処分した方がいいものも
学生が卒業して荷物を実家に送ろうとするような場合、使う予定のない家電品などはわざわざお金をかけて送らないで、処分した方が安いこともあります。
また、学生が引っ越しして独り暮らしを始める場合には、現地で新しいものを購入して宅配してもらった方が結果として安くなるケースもあります。
一つの方法に固執せずに、そうした方法もあるということを頭にいれておくといいでしょう。
引越し業者は、部屋単位で丸ごとそれに伴う作業を請け負う会社ですが、宅配業者は個々の荷物の移動を請け負うのがサービスです。
これまで繰り返し述べてきましたように、大型のものがなく少量の場合には宅配業者を使う方が安く済むケースがありますが、大きなものや重たいものがある場合、ある程度の量がある場合には、迷わず引越し業者に依頼するようにしましょう。