「概算でいいので引っ越しの見積もりをください」などと業者に言う人がいますが、実際には、アバウトな状態だとおおよその値段すら答えないというのが業者の本音です。
家族構成や移動距離が同じであっても、個々の状況によって引越しの料金は大きく変わってくるからです。
見積もりをもらう前に、必ず「どこ・いつ・どれくらい」を決めてから、引越し業者に相談するようにしましょう。
「どこ」か決まらなければ引越し料金の計算はできない
あたり前のことですが、まずはどこに転居するのかが決まっていなければ引っ越し見積もりは出来ません。
同一しないでの引越しと、数百キロも離れた先に引越し場合では料金が大きく変わってくるのは当然です。
もちろん、気持ち的には宅配便のように、「この地域からこの地域だといくら?」というような質問をしたくもなりますが、それでは見積もりをする業者は困ってしまいます。
住所というのは距離以外にもさまざまな情報を持っています。
たとえば、転居先のアパートがエレベーターなしの4階だったとします。この場合、冷蔵庫やタンスなど大型の家電・家具を一人で運ぶのは難しいでしょう。
当然作業員を一人増員しなくてはなりません。スタッフの数が増えればそれだけで見積もりの金額も変わってきます。
また、トラックが入っていけないような狭い道の奥に新居があった場合にも、今度は軽トラックを別に用意することになりますので、本来の見積もりとは別で、追加で料金が発生することになります。
「どこ」という概念には、どんな住宅環境のところかという点も含まれるということになります。
「いつ」によっても金額は変わる
引っ越しの日にちが決まっていない場合も、正確な見積もりを出すことは出来ません。
もちろん繁忙期や閑散期など時期によって値段が変わるということもありますが、それ以上にトラックや人員を確保する問題があります。
引越し業者が見積もりを出したときには、トラックを仮押さえします。
これは、その時に間違いなく引っ越しが行えるよう準備をしておくことを意味しているのです。
ですので、「大体何日から何日の間で?」といった曖昧な表現をされると、正確な見積もりを作成することは難しいということになります。
また、日付を決める必要があるからと言っても、「〇日じゃなきゃ絶対にダメ」というのはピンポイント指定はなるべくしないほうが無難です。
引っ越し業者としてもスタッフのスケジューリングをなどを調整して仕事の割り振りをしています。
一方的に日程を指定されても、対応が難しいケースも出てくることでしょう。
それは、とりもなおさず引越し見積もりが高くなる可能性につながります。
第一希望日から第四希望日程度までをあらかじめ決めてから、見積もり依頼に行くのが無難です。
もしくは、どうしても日程が仕事の都合などで決められないときは、せめて平日が土日かだけでも伝えてください。
業者の忙しい土日を含むか含まないかで見積もりの金額が大きく変わってしまうからです。
※引っ越しの料金が1年で一番安い時期について紹介しているこちらのページも参考にしてください。http://www.siruzou.jp/hikkosigyousya/ryoukin/171/
「どれくらい」あるのかをハッキリと
引っ越しというのは、人それぞれのライフスタイルによって大きく違ってきます。
段ボールが5つ程度にしかならない人もいれば、トラックを3台使った大掛かりな引っ越しになる人もあるでしょう。
当然、これだけ荷物の量が違えば見積もり額も変わってきます。
つまり、荷物の量がある程度確定していないと、引越し見積もりを出すのは難しいということです。
たとえば、見積もりの段階では誰かに譲る予定だった冷蔵庫が、結局最後まで残ってしまったような場合、旧居に残しておくわけにも行きませんので、新居へ運びたいと依頼者は申し出るでしょう。
しかし、その冷蔵庫を積むスペースがトラックに残っていなかったら物理的に入れようがありませんので、どこへも持って行けず、積み残しとなってしまします。
ではこの積み残しが出ないようにあらかじめ大きなトラックを用意していたとしましょう。
今度は結局冷蔵庫のもらい手がついて、トラックにスペースがすっぽり空いたとします。
しかし運送の値段はどのサイズのトラックを使用するかで決まりますので、いくら空きがあったとしても値段は見積もりの時と同じままになってしまいます。
ついつい、コンビニのお菓子の値段を聞くような気持ちで引越し見積もり依頼をしてしまう人がいますが、これは引っ越し業者からすると「お答え出来ません」としか言いようがないというのが正直なところだと思います。
転居先の住所と日時、そして運んでもらう荷物の詳細を明確にしてから、引越し見積もり依頼の連絡をするようにしましょう。
参考情報:引っ越しの料金と荷物の量の関係について