引っ越しの際に、作業に携わってくれた人たちにご祝儀(チップ)を渡すべきか渡すべきでないのか迷う人も少なくないでしょう。
「心づけ」というのは、日本に古来から伝わる風習ですので、年配の方であれば必ずされるのではないでしょうか。
逆に若い人などは、ドライに「不要」と考える人が多いかも知れません。
ご祝儀はあくまでも個人の「気持ち」の問題ですので、渡しても渡さなくてもどちらでもかまわないと思います。
サービスの対価としての「引っ越し代金」は支払っているのですから、本来は渡さなくても良いものです。
引越し業者の中には、会社の方針として「ご祝儀はお断りする」というところも多いようです。
ただ、ご祝儀を渡すことで作業員の方が気持ちよく仕事をしてくれるケースはありますし、渡した側の気持ちがすっきりすることもあるでしょう。
作業の様子を見て、「よくやってくれているな」と感じたら、自分の素直な感謝の気持ちとして渡すことにするのも良いかも知れません。
祝儀を渡した場合と渡さない場合とで仕事の質に違いはない
一般論として言えば、ご祝儀を渡しても渡さなくても、引越し業者はしっかりと仕事をするものです。
ある程度きちんとした業者であれば、作業の責任者が全体をコントロールして、事故のないようにスムーズに仕事が進むようにしていますので、ご祝儀によって仕事の質が変わることはありません。
ただ、人間は誰しも気に入った相手のためには、よりいっそう一所懸命になって働くものです。
ご祝儀をいただいたことで作業員の心の中に感謝の気持ちが芽生え、普段以上に丁寧に仕事をする、ということがないとは言い切れないでしょう。
実際に引越し業者の中には「心づけをいただいたくと、お客さんに対する言葉づかいから、荷物の扱い方、笑顔まで変わる」と正直に語る人もいます。
引っ越し作業はとても過酷な重労働です。
真夏の暑い日に大きな荷物を持って運んだり、真冬の冷たい空気の中、素手で荷物を持ち上げたりするのは大変な仕事です。
厳しい仕事をする人たちにとっては、例え少額であっても心づけを受け取れば、気持ちにハリがでて力が出ることもあるでしょう。
結果としてのサービス内容に差があるかどうかは、目に見えないのではっきりとはわかりませんが、質に違いが出る可能性は十分にあります。
人間というのは心を持った生き物ですので、考えてみればそれは当然のことと言えるかも知れません。
ご祝儀の相場と渡すタイミングについて
ご祝儀を渡すも渡さないも、個人の判断ですので必ずしも渡す必要はありませんが、もし渡す場合にはいくらくらいが適当なのでしょうか?
相場としては、作業員一人につき500円~3000円程度と考えればいいでしょう。
仮に4人が携わっていれば、2000円から1万2千円程度ということになります。
一人一人個別に手渡しても良いですが、総額を小さな祝儀袋に入れて責任者に「皆さんでお食事でも」さりげなく渡せば良いでしょう。
作業終了後に渡す人がが多いようですが、それでは作業に「良い影響」を期待できません。
作業が午前中から始まりお昼にかかるようなら、昼の休憩前に渡すと良いかも知れません。
その結果、午後の作業を気持ちよく頑張ってくれる可能性が高くなります。
午前だけで終わる場合や、午後から開始するというようなケースでは、作業の開始前に渡してもいいと思います。
「お金をという形では渡したくない」という人は、ジュースや缶コーヒー、お昼のお弁当を振る舞うのも良いでしょう。
気持ちの問題ですので、例え100円のコーヒーでも相手は嬉しく感じてくれるはずです。
最近は渡さない方が多数派?
統計があるわけではないので、どの程度の家庭でご祝儀を渡しているのかは不明ですが、どうやら渡さない人の方が多数派のようです。
心づけを用意するのが常識というわけではないですし、渡さない家庭の方が多数ですので、出さないからと気に特に病む必要はありません。
あくまで、自分がどうしたいのかという気持ちに従えばいいことです。
暑い中や寒い中、重い荷物を一生懸命運んでくれた作業員の人たちに対して、あなた自身がどう思うかでご祝儀を渡すか沸かさないかを決めればいいと思います。