一般の引越しであれば、荷物は段ボールにつめ、家具や家電は業者にお任せするパターンで問題ありません。
引っ越しは作業量はこそ多いものの、やることそのものは非常にシンプルです。
しかし運び出すものによっては特殊な作業を必要とするケースも存在します。
特に扱いに困ってしまうのが「お仏壇」です。
先祖代々の霊を祭った大切なお仏壇です。破損があっては困るのはもちろんのこと、「儀式としてどうしたらいいかわからない」という人も少なくありません。
ここではお仏壇のお引っ越しについて考えてみましょう。
仏壇を持っての転居が最近増えつつある?
お仏壇を転居先に運ぶというケースはそれほど多いことではありません。
実家にお仏壇はあっても、進学や就職によって実家以外に住んでいる人であれば、仏壇がないのは当たり前です。
引っ越しをするのは、ほとんどがそういった若年層が中心ですので、お仏壇そのものを運ぶということはそれほど多くはないのです。
しかし一方では、地方の過疎化もどんどん進んできています。
都市部にご両親を呼び寄せて二世帯住宅として住む人も少なくありません。
その際に「お仏壇も一緒に引っ越す」というケースが多くなっているようです。
また、旧家を建て替えするにあたって、一時的にお仏壇を引越ししなければならないというケースもあるでしょう。
しかし、お仏壇を移動するとなると「他の荷物と違って大切に運びたい」「特別な儀式などは必要なの?」と不安になる人もいるでしょう。
そんな時は必ず引越し業者に相談することが大切です。
他の荷物とは明らかに勝手が違う
仏壇の引っ越しは、業者にとっても特殊なケースといえるでしょう。
他の荷物とは勝手が違うことがその原因です。
サイズもまちまちですし、材質も仏壇によって全く違います。古いものも多いため「壊れやすい」ということも考えられます。形状によっては梱包にも技術が必要になるでしょう。
装飾が施された立派な仏壇は角などを破損しやすいものです。
梱包のやり方がまずいと金具に無理がかかることもあり、破損させてしまう原因にもなってしまいます。
引越し業者であっても、慣れていない業者だと、どうやって運んだらいいか悩むことも多いようです。
業者が逃げ腰だからといって、個人で運び出すのはさらに大変なことです。
位牌程度ならば手荷物として運べますが、仏壇はサイズにもよりますが、大型のものになると素人が運ぶのは非常に困難といえるでしょう。
やはり、お仏壇の運搬に慣れた業者に依頼をするのがベストです。
仏壇に詳しいスタッフがいる業者
引っ越し業者によっては「仏壇に詳しいスタッフ」を抱えているところも少なくありません。
彼らは近年増加傾向にあるお仏壇の移動に関する知識や経験を持っています。
仏壇の引越しをお願いするのであれば、そういったスタッフがいる業者にお願いするのが正解です。
見積もりをもらうときに「仏壇もお願いしたい」ということを伝え、必ず「専門のスタッフ」ないし「知識や経験のあるスタッフ」の有無を確認してください。
破損事故などを未然に防ぐためにも重要な確認事項となります。
(経験豊富な大手の引っ越し業者に任せるメリットについて紹介しておきたいと思います。)
http://www.siruzou.jp/hikkosigyousya/sippai/440/
位牌とご本尊はどうするの?
仏壇そのものの運搬は業者にお任せするとして、位牌とご本尊はどのように扱えばいいのでしょうか?
基本的には、それらは自分たちで丁重に運べば問題ありません。
風呂敷や梱包材でくるんで、慎重に運ぶようにすれば大丈夫です。
手荒な扱いさえしなければ、基本的に破損はしません。
自分の先祖と引越しをするつもりで大切に運んであげましょう。
魂抜きや魂入れのやり方とお布施の目安
儀式にこだわる人は、お仏壇の引越しに伴う「魂抜き」や「魂入れ」も気になるところでしょう。
宗派などによって大きく変わりますが、基本的には懇意にしているお寺の住職にお願いすることになります。
転居前に魂抜きをし、新居に移転してから魂入れを依頼します。
お布施の目安に関してはまちまちです。
宗派やお寺などによっても異なりますので、年長者などの知り合いがいれば教えてもらうといいでしょう。
最低限、交通費やお食事代、あとは気持ちという感じでお渡しすれば十分だと思います。
「自分の許容量を超えない程度の額」が好ましいです。あまり多すぎても以降のお布施の額にも影響しますので注意してください。
ちなみに最近では魂抜きや魂入れを省略するケースも少なくありません。
気持ちの問題という面もありますので、「必要ない」と思ったのならやらなくてもかまいません。
ただお線香をあげて、「引っ越しします」とお伝えすることだけはしておきましょう。