地元の引っ越し業者は高い信頼に支えられ地域を中心に活動しています。規模が小さい分、融通が利き大手に比べると料金が安いのがメリットです。
ただし地元の業者は事業範囲が狭いため長距離に向いていないのと、運送業との兼業が多いため設備を専門化できないのがデメリットといえます。
地元密着型の会社ならではのメリット
地元の業者は大手に比べると信頼度が低い、そう思っている人もいるようですが、それは間違いです。地元密着型は中堅の会社がほとんどです。この規模の運送会社は最も数が多く激戦区といえます。
その中を生き残り地元で長く商売を続けているのは高い信頼に裏打ちされているからに他なりません。引っ越し専門の業者ではないので家財道具の扱いに慣れていない印象があります。
しかし日々大小様々な荷物を集荷して運送し、引っ越しを何度も引き受けてきていますから荷物の取扱いには慣れていますし、業者の中には大手に引けをとらない技術を持っているところも多いのです。
地元の業者は大手のようにさまざまなサービスがセットになったプランはありませんが、その分、依頼者の希望に合わせて臨機応変に対応してくれます。決定権を持った人間に相談できますから話が早いのも嬉しいことです。
エアコンをつける、物置を組み立てるなどのオプションサービスは無理でも、地元の電気店や外工業者を紹介してくれる可能性も大です。地元の公共サービスにも詳しいので不要品を割安で処分する方法なども教えてくれるでしょう。
地元業者は規模が小さい分、担当が社員全員のスケジュール表をみながら調整してくれますから、日取りなどもこちらの希望日にできる限り合わせてくれます。3~4月はどこの運送業者でもかき入れ時ですが大手に比べれば日程の融通が利きます。
※大手の引っ越し業者について詳しく知りたい方のための情報
地元業者は広告費に力を入れていませんし、サービスも必要最低限ですが、シンプルなだけに運送料金が安いのが魅力です。
暇な時期は引っ越しの安い時期とされています。暇な時期にお願いすればかなりの値引きを期待できますし、他の荷物と一緒に荷物を運んでもらう“混載”という方法ならさらに低価格で引っ越すことができるでしょう。
大手と比べればデメリットといわざるを得ないこともある
「荷物を低料金で運んでもらう」ことに関しては、個々の業者の善し悪しはあれ、地元の業者が大手に劣る面はあまりありません。しかし、個別のサービスを比べていけばデメリットといわなければならないことはあります。
通常の運送も主な業務として請け負っていますから、引っ越しに特化して設備投資するわけにはいかず、それ専用の特殊車両や梱包材の用意はありません。しかし、中には中堅どころの地元の会社でも荷造りから引き受けてくれ、大手に負けない設備を備えている専門の業者もあります。
しかし一般的に、請け負ってくれるのは荷物の運び出しと荷下ろし、大型家具や家電の配置のお手伝いまでです。荷造り、新居での開梱は自分で行うのが基本です。
事業範囲が地元中心なので数千キロに及ぶような遠距離の配送には向いていません。別の運送会社を経由する必要が出てきたりするため価格面でのメリットがなくなってしまうからです。
地元の人でも宅配便以外の運送会社をいつも利用しているとは思えません。名前も知らない会社に初めての作業をお願いすることになり、最初は不安を感じることもあると思います。
また、知り合いに紹介してもらったため、運賃やサービスに納得がいかなくても、他の運送業者から見積もりをとるのは気が引けて、とうとう断ることができなかったという話も聞きます。このあたりは地元密着ならではのデメリットといえるでしょう。
転居先が現住所の周辺地域で、なるべく予算をかけずにシンプルに引っ越しを行いたいなら地元の業者をあたってみるのがおすすめです。飛び込みで頼むことに気が引けるのであれば、中小の業者にも対応している引っ越しの一括見積もりサイトもありますから活用してみてはいかがでしょうか。
地元への利益還元は回り回って自分のところへ返ってくるものです。