引っ越しの料金が業者によって大きく違うのはなぜ?

引っ越し料金の一括比較サイトなどで見積もりを取ってみると、業者によって、料金に大きな差があるのがわかります。同じ荷物を運ぶのにどうしてこんなに差がつくのか?と不思議に感じる人もいるでしょう。

引っ越し料金は一定のルールに従って決まりますが、業者ごとに積算の仕方が異なるため、違いが出てきます。料金設定の基本的な仕組みについて、ある程度知識を持っていると、値引き交渉もしやすくなりますので、ぜひ覚えておきましょう。

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費用の計算式と基礎運賃について

引っ越しの料金は、「基礎運賃」+「実費」+「オプション料金」の合計額で決まります。

料金のうち、「基礎運賃」の部分については、国土交通省の定めた「約款」(やっかん)によって範囲が決められています。トラックの大きさと時間・距離に応じて「〇円~〇円」と範囲が定められていますので、法外な料金を取られることはありません。

ただ、約款上の金額に幅があるため、上限を使う会社と下限を使う会社があり、基礎運賃にも差がつきます。また、10%の範囲内で割引・割増をすることも可能とありますので、下限よりもさらに安くすることもできますし、上限よりも高くすることもできます。

「約款」では、「時間制」もしくは「距離制」のどちらかを使うことになっていて、一般的には100km以内の近距離では「時間制」が、100km以上の長距離では「距離制」です。

「時間制」の場合には、「4時間以内」と「4時間以上8時間以内」の2種類があり、これを超える場合には、1時間ごとに追加料金が発生します。近隣の引っ越しの場合には、1時間の作業でも3時間の作業でも、基礎料金は同じです。「距離制」の場合には、100kmを超え「10km」ごとに料金が加算されます。

基礎運賃は、近距離の場合には作業時間が長くなればなるほど、遠距離の場合には転居先までの距離が遠くなればなるほど、高くなる仕組みです。

金額に含まれる実費について

「実費」というのは、作業員の人件費や段ボール箱・梱包用のテープなどの代金、高速道路の通行料金などです。荷物が多ければ多いほど、作業員の人数は増えますし、段ボール箱の数も多くなります。

距離が長くなればなるほど、高速料金は高くなります。段ボールの実費にいくらとるのかなど、実費については業者によって基本の金額が異なります。

ワンルームに住む独身者の場合などであれば、当日の作業員は1人だけということもありますが、一般的には小規模な引っ越しで2人、3DK以上の部屋に住む家族の場合で3人~5人程度となります。

作業員1人当たりの人件費は1万4千円~1万5千円程度が標準的ですが、業者によって異なりますし、同じ業者でも繁忙期には高めにするケースもあるようです。

オプション料金とは?

オプション料金とは、荷物の移送以外の部分のことです。例えば、エアコンの取り外しや取り付け、ピアノの輸送、自動車の陸送、不用家具類の廃棄費用、退去後の部屋のクリーニングなどです。

ペットや植物については、拒否されることもありますし、別途料金がかかることがあります。これらの金額についても、業者によって金額にばらつきがあります。

タンスや衣装ケース、デスクなどの荷物の梱包や、転居先での開梱・セッティングなども依頼する場合には、そのオプション費用もかかります。

基礎運賃、実費、オプション料のそれぞれについて、業者ごとに別々の料金体系で積算をしているため、トータルの引っ越し料金にバラツキが出てくるのです。多くの業者が基本的な積算をしたのちに、「値引き」としていくらか値段を割り引いて見積もりに記載をしますが、この割引率にも業者ごとに差があります。

引っ越し料金は大きく分類して3つの項目から構成されており、それぞれの項目の設定の仕方は業者ごとに異なります。そのため、トータルの金額で差が出てきます。見積もりを比べるときには、こうした細かな部分に目をとめて比較してみると良いでしょう。

こちらのページも参考にしてください。
引っ越し業者の料金を比較するコツと万が一の保険について

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