グローバルな社会になりつつある現代、転勤や留学などで海外に住居を構える人も増えています。そのため、日本国内から海外への引っ越しのニーズも高まっているようです。
そんな時にはどんなふうに業者を選べばよいのでしょうか?
ここでは、具体的に海外への引っ越しについて説明してきたいと思います。
海外の引越し業者は国土交通省の認可が必要です
海外への引っ越しは国内でのそれとはさまざまな点で異なります。
荷物の梱包も海外の場合は、国内のように段ボールに詰めてガムテープでとめたら、ハイおしまい、というわけにはいきません。
輸送中の事故を防ぐために、梱包の仕方も国内の場合とは大きく異なるのです。
しかも、どんな荷物でも送れるわけではありません。
海外への輸出入にはそれぞれの国に厳しい決まりがあります。
どこの国でも、麻薬や武器などが入ってこないように目を光らせていますし、個人の荷物に紛れて、事業用の資材などが輸入されないようにも監視しています。
そのため、荷物の送り出しには通関など貿易上の事務手続きが必要になります。
送り出すだけでなく、確実に海外の転居先まで荷物が届くような手配もしなければなりません。
これらのことをきちんとできる会社でないと、途中で荷物が行方不明になって届かなかったり、通関で没収されてしまうといったような事故が起こりかねません。
そのため国土交通省では、知識や経験が豊富で、依頼主に対して信頼・安心できるサービスを提供できる会社だけを認可するようにしています。
近所にある地元の運送屋さんに、気軽にお願いをするというわけにはいかないのです。
海外へ引っ越しをする場合には、「外航運送に関わる第二種貨物利用運送事業」の免許を持っている会社に、依頼しなければなりません。
引越し料金は国内に比べるとかなり高額です
海外に引っ越しする場合の料金は、荷物の容積、海上運賃、保険、為替、日本のどこから外国のどこへ送るのか、などによって決まりますが、かなり高額になります。
段ボール箱一つを運ぶ料金が、1万円程度になることもあるようです。
企業の転勤などの場合には、会社が全額負担してくれることが多いでしょうから、あまり気にする必要はないのかも知れませんが、個人で負担するとなるとけっこう大変です。
ある程度荷物の量を抑える工夫も必要ですし、複数の業者から相見積もりを取って比較する必要もあるでしょう。
また、大型家電などに関しては、現地で備え付けのものがあることが多いので、あえて運ぶ必要がない可能性もあります。
そういったことも含めて、料金を安くするためには少しでも運ぶ荷物を減らす努力も大切になります。
単純に価格だけでは決められない面もあります
海外の場合は、国内の場合のように引っ越しの相見積もりを取って一番安いところに依頼をするというように簡単には決めない方がいい場合もあります。
転居先となる現地で日本語サービスがあるかどうかなど、サービス面についてもしっかりと調べておくことが大切です。
安い業者であっても、現地に着いたあとに、荷物のことで問い合わせをしても話が通じないようでは困ります。
大手の引っ越し業者であれば、ほとんどの会社で日本語サービスを行なっていますが、、中小の業者だとそこまで期待できない場合も多いでしょう。
現地語に堪能な人であれば困ることはないかも知れませんが、そうでなければ、多少料金は高くなったとしても日本語サービスは必須です。
海外引っ越しの実績の豊富な会社が安心です
日本語サービスもそうですが、海外の引っ越しに慣れた会社を選ぶのがやはり安心です。
まず、現地にオフィスがあるような会社なら、日本人スタッフも駐在しているでしょうから安心できます。
引越し業者のなかには、単純に依頼された作業をするだけでなく、現地での生活全般についてのサポートをしてくれる会社もあります。
住居探しや留守宅の管理、渡航の手続きなど細かな点にまで手助けをしてくれる会社であれば、初めての海外引っ越しの人にとっては、とても助かるに違いありません。
こうしたことも含めて、海外に強くて、信頼できる引越し業者を見つけると良いでしょう。
ただ単に値段の安さだけでなく、トータルで検討することが重要になります。
海外への引っ越しについては、まずは国土交通省の認可を受けている業者かどうかを確認しましょう。
料金の安さだけでなく、海外での日本語サービスや、現地事務所があるかどうか、各種サポート体制が充実しているかどうか、なども勘案して、実際の業者を決定するのがベターといえます。