引越しの見積もりなんて、どこの業者からもらっても大差ないでしょう?
などと思っている方がいたら、今すぐその考えはあらためた方がいいでしょう。
引越し見積もりは、業者の選び方や転居をする時期などのさまざまな要因によって驚くほどその金額に差が出るものなのです。
場合によっては、相場の半額近くになることも実際にあるのです。
ここでは、あなたが少しでもお得な引越し見積もりをもらうためのコツや知識について、徹底的に解説をしてみたいと思います。
引越し業者によって見積もり金額に大きな差がでる理由
引越し見積もりの金額は、基本的には荷物の量や移動する距離によって決まってきます。
そのため、どこの会社を使ったとしても、その金額に大きな差が出るというのは考えにくいと思います。
しかし、実際に複数の引越し業者から見積もりをとってみると分かりますが、驚くほど金額に開きが出るケースがあります。
主な理由としては、2つあります。それは、会社の規模の違いによるものと、提供するサービスの違いによるものです。
具体的に見ていきましょう。
引越し見積もりは会社の規模で違ってくる
引越し業者といっても、テレビCMなどを流しており誰もが知っている大手から、地元の運送屋さんなどが細々と行っている小さな業者までさまざまです。
単純に、引越し見積もりの金額だけで比較をするならば、当然ながら地元の中小の会社の方が安くなります。
大手の会社の見積もりとくらべて、3分の1から4分の3程度の金額になることが多いようです。
これは、考えてみれば当然の話で、全国に営業所をかまえて広告宣伝費などにも多額の経費をかけている大手と、人件費とトラックの償却費程度しか経費のかからない地元の業者では、見積もり金額にそれなりの差が出てきてしまうわけです。
そうであれば、引越し見積もりは中小の会社にだけ依頼すればいいのかというと、そう単純ではありません。
大手の引越し業者には、なんといってもその安心感と全国展開をしているためどの地域でも対応できるという大きなメリットがあります。
地元の会社の場合、遠方への引越しには対応していなかったり、見積もりがいい加減で、あとになってトラブルになったりするようなこともあるようです。
信じられないかも知れませんが、中小の会社の中には、電話口で家族構成や荷物の量に関する簡単なヒヤリングのみで、見積もりを提出せずに仕事を請けおってしまうようなところもあるようです。
どんなに経験豊富なプロであっても、実際に現場を見ないで引越し見積もりを作成することは不可能です。
あとになって、追加で料金が発生したりしてトラブルのもとになりますので、たとえ安くてもそういった見積もり作成時に手抜きをするような業者に発注をしてはいけません。
各社のサービスの違いによって生じる金額差
大手業者による引越し見積もりが高くなるもう一つの理由として、サービスの質の問題があります。
地元の会社の場合、お客が用意した荷物をただ単に運ぶだけといった最低限のサービスしか提供しないところもあるのに対して、大手の場合は、提供するサービスは多岐にわたります。
大型家具や家電品などを、しっかりと養生をしたうえで搬入や搬出をしてくれるのはもちろんのこと、オプションとして小物の荷造りや荷解きなどのサービスも提供可能となっています。
地元の会社を使う場合、そういったサービスを別途で別の専門業者に依頼する必要が出て来たりして、結果的に割高になってしまう可能性もあります。
また、実際の作業の面においても、しっかりと研修を受けた大手業者の作業員と、地元の業者の作業員では質の違いが出てくることもあり得ます。
運搬中に家具や家電などを傷つけてしまったり破損をしてしまった場合などでも、大手の会社であれば、保険に入っていますので補償をしてくれるのが一般的です。
そいう言った意味では、万が一の場合でも安心できるわけです。
さらにサービスの面で細かい点をいえば、大手の引越し業者の場合は、梱包用のダンボールも引越し見積もりの中に含まれているのが一般的です。
つまり、無料ダンボールを提供してくれるわけです。
ダンボールも、大家族で荷物の多い引越しとなるとかなりの数が必要になり、いざ買うとなると馬鹿にならない金額になってしまいます。
このように、大手と地元の会社の引越し見積もりに金額差が出るには、サービスの質に違いがあるという点も少なからず影響をしているのです。
単純に、引越し見積もりの額面だけで業者選びをすると、失敗することになります。
引越し見積もりの内訳に書かれた各項目も必ずチェック
引越し業者から見積もりをもらったときに額面しか確認しない人も多いようですが、なぜその金額になるのかという各項目についてもしっかりとチェックすべきです。
そうすることで、受け取った見積もりが適正に積算されたものであるかどうかをある程度判断することが可能になります。
ただし、そのためには各項目の基準をある程度の目安として頭に入れておく必要があります。
引越し見積もりの内訳に書かれた各項目を、どのようにみていけばいいのかについて、解説してみたいと思います。
作業員が1人増えるにつれておよそ20,000円ずつ加算
どんなに科学が発達した世の中になっても、引越しの作業そのものは人間がやることになります。
そういった意味では、引越し見積もりの総額に占める人件費の割合はかなり高いといえるでしょう。
つまり作業員の人数が多いか少ないかで、引越し見積もりの金額が大きく変わって来ることになります。
各社それぞれ基準はことなりますが、作業員が1人増えるにしたがって見積金額が20,000円程度加算されていくイメージになります。
たとえば、同一の移動距離を引越しすると仮定して、作業員が1人のときの見積もり金額が50,000円だった場合、2人だと70,000円、3人だと90,000円というように増えていきます。
ただし、これもあくまでも目安であって、移動距離が長くなるとさらに1人当たりの人件費は高くなる傾向にあります。
移動距離が長い分、ドライバーや作業員の拘束時間が長くなって人件費がかさんだり、引越し先で別の作業員を手配したりする必要があるためだと思われます。
また、人件費と増え方の特徴として、1人から2人に増えるときと、3人から4人に増えるときはほぼ一定の割合で増えていきますが、2人から3人に増えるときだけ引越し見積もりのトータル金額が増える割合が高くなる傾向にあります。
これは、トラックに乗り込むことが出来る人数に関係しているのではないかと思われます。
トラックには運転席と助手席で2人乗り込むことが一般的ですので、それ以上の人数となると、別途作業員を移動させるための車両が必要になります。
そいう言った理由から、2人から3人以上に増えるときに、どうしても引越し見積もりは割高になってしまう傾向があるのだと思います。
荷物の量によっても見積もり金額は大きく変わります
引越し見積もりは、運ぶ荷物の量によって金額が大きく変わってきます。
荷物の量によって、それを運ぶトラックのサイズが変わってきますので、当然のことです。
荷物の量は、家族の人数が多くなればなるほど増える傾向にありますので、同一の距離を移動した場合、単身の引越し見積もりが一番安く、大家族の場合は高くなる傾向があるのは当然といえるでしょう。
概算の引越し見積もりであれば、移動距離や家族の人数である程度は算出することは可能なようですが、実際にはそう単純には行きません。
単身であっても何か趣味などを持っていて大量に荷物がある場合もありますし、大家族であっても借家住まいの場合と戸建ての場合では荷物の量が大きく変わってきます。
そのため、業者は概算の引越し見積もりだけで実際の仕事を請け負うようなことはしません。
想定外に荷物が多かったり、想像もしなかった大型の家具などがあった場合に、赤字になってしまう可能性があるからです。
また、それらを追加という形で当初の引越し見積もりに加算すると、お客とトラブルになる可能性が高くなります。
先にも書きましたが、まれに現地を見ないで電話口でのヒヤリングをもとにして作成した概算の引越し見積もりで仕事を進めてしまう業者もいますが、あとあとトラブルになる可能性があるので、そういったところとは契約をしないようにしましょう。
引っ越し予定日によって大きく変わる見積もり金額
引越し見積もりの金額が、荷物の量や移動する距離によって違ってくるということは容易にイメージできると思います。
しかし、引越しをする日時や曜日によっても大きく変わってくることがあるのをご存知でしょうか?
実は、引越し見積もりには定価というようなものがなく、あくまでも需要と供給のバランスに基づいて決められる相対的なものなのです。
つまり、業者が暇なときは安くなり、業者が忙しい時は高くなるということです。
実は、同じ荷物の量で同じ移動距離であっても、日時や曜日の選びかた次第で見積もり金額が50%も違ってくることがあるのです。
引っ越しの日をピンポイントで決めるのではなく、ある程度の幅を持たせて予定を立てることができるならば、引越し見積もりは劇的に安くなる可能性があるわけです。
では、どういった時期が高くて、どういった時期が安くなるのでしょうか?
引越し見積もりが1年で一番高くなるのは、3月です。
これは、サラリーマンの転勤に伴う引っ越しや、新大学生などの入学に伴う引越しが、まさに3月に重なってしまうからです。
この時期の引越し業者はトラックや作業員を確保するために一苦労で、臨時でアルバイトを雇ったり、トラックも自社分では回らなくなって外注の運送業者を手配したりしてなんとかやりくりするわけです。
そういった時期に引越し見積もりを依頼すれば、通常のときとくらべて料金が大幅に高くなるということは容易に想像がつくことでしょう。
ちなみに、3月の次に引越し見積もりが高くなるのが、8月のお盆明けから9月にかけてです。
8月は夏休みがあるので、比較的引越しを計画しやすいということがありますし、9月は会社の上半期と下半期の切り替え時期で、やはり転勤による引っ越しが増える傾向にあります。
曜日や午前か午後かによっても料金は大きく変わります
引越し見積もりは、3月や9月などの繁忙期に高くなるということはお分かりいただけたかと思いますが、それ以外にも引っ越しをする曜日や、作業を開始するのが午前か午後かといった違いでも、金額に大きな差が出てきます。
多くの人がどのような曜日に引っ越しをするのかということを考えた場合に、会社や学校が休みとなる土日祝日に行うというケースが多くなるのではないでしょうか。
ここにも、先ほど説明したのと同様な需要と供給の関係が成り立ちます。
つまり引越し業者は、土日祝日は忙しくて、平日は暇なことが多いということになります。
引越し見積もりが高くなるのが業者の忙しいときであり、逆に安くなるのが暇なときという理屈からいえば、土日祝日が一番高くなるということになります。
もし可能であるならば、多くの人が引っ越しをする土日祝日は避けて、平日に予定を立てるのが見積もり金額を低くするコツといえます。
また、引越し見積もりは、作業開始を午前中とするか午後とするかによっても金額に大きな差が出ます。
多くの人は、朝一番から引っ越しの作業に取り掛かりたいと考えますので、どうしても作業開始時間が午前中に集中します。
ということは、午前中よりも午後から作業を開始するスケジュールで計画をすることで、引越し見積もりを安くすることができるということになります。
引越し業者にしてみれば、近場の引っ越しが午前中で一段落してしまったときなどに、作業員やトラックのスケジュールが空いてしまうことがあります。
そのような空いた時間にうまくスケジュールを組んでもらうことによって、引越し業者は大変助かりますし、結果として料金も安くなる可能性が高くなるといえます。
1日の時間帯で考えた場合、引越し見積もりが一番安くなるのは、あえて午前とも午後とも指定せずに業者にお任せするプランです。
引越し業者にしてみれば、自分たちの手のあいた一番都合のいい時間に作業に取り掛かれるので、非常に効率が良くなり、その結果料金も安くすることが可能になるわけです。
ただし業者にお任せの場合、確かに料金は安くなりますが、その日のいつから作業が開始になるのか分からないために、業者が車でずっと待ち続けなければならないというデメリットがあります。
そういったことが気にならない方であれば、お任せプランで引越し見積もりを作ってもらうのもいいでしょう。
引越し見積もりに大きく影響する移動距離
引っ越しというのは、移動先である新居まで家財道具一式を運ぶことですので、その移動距離が長くなれば当然ながら見積もり金額は高くなります。
距離が長くなることで、ドライバーさんなどを拘束する時間が長くなればその分の人件費がかかりますし、トラックの燃料費や高速道路の代金などの費用もかさむことになります。
運輸局では、引越運送における距離制の運賃の目安を定めています。
2t車1台の場合ですと、100kmを超え110kmまでは25,040円~37,650円の範囲内、190kmを超え200kmまでは34,480円~51,720円の範囲内、というように事細かに決められています。
ただし、運輸局によって提示されているこれらの運賃は、あくまでも目安であって法的な拘束力があるものではありません。
ですから、業者から引越し見積もりをもらったときに、その金額が高すぎるのか安すぎるのかといったことを判断するための目安と考えればいいと思います。
一般的には、テレビでCMを流しているような大手の会社の場合には、これらの運輸局が提示している運賃表の上限に近い金額の見積もりになり、地元の中小の業者に場合には下限に近い金額になるといわれています。
ただし、実際にはこれまで解説してきましたように、実際の引越し見積もりは繁忙期かそうではないかの時期的要因や、日時などによっても大きく変わってきますので、運賃表で分かるのはあくまでも目安ということになるのです。
もし、これらの運賃表と照らし合わせて、明らかに高すぎる見積もり金額を提示して来たり、逆に安すぎる場合などには、なぜその金額になるのかということを質問してみるといいでしょう。
もし納得のいく答えが返ってこなかった場合は、まともに見積もりすら作成できないレベルの低い業者であったり、意図的に安い見積もりを出してきてあとから高い追加料金を請求してくるような悪質な業者である可能性もあるので、注意が必要です。
エレベーターの有無やトラックが入れるかどうかは重要
引越し見積もりの金額を左右する要因は、荷物の量や移動距離、日取りなどの要因だけで決まるものではありません。
今住んでいるところや、引越し先の建物の状況などによっても、金額に大きな差が出てくることになります。
たとえば、マンションや社宅などの場合、エレベーターがあるかないかで、見積もり金額は大きく変わってきます。
また、たとえエレベーターがあったとしても、荷物を運び出したり搬入したりする際に、そのエレベーターが使えないといことになれば、ないのと同じことになります。
大型の家具の中には、エレベーターに入らないサイズのものがあるかもしれません。
マンションや社宅などの5階などに住んでいるケースで、すべての家具を階段から人力で下ろさなければならないとなると、それなりの作業員の数が必要となるために、引越し見積もりの金額は大幅に跳ね上がるに違いありません。
こういった点が、引越し見積もりには定価というものがないと言われる大きな理由となっています。
「うちは2階建ての一軒家なので、そういった点は安心」
などと思っている人もいるかもしれませんが、移動距離や荷物の量以外で引越し見積もりの金額を左右するのは、なにもエレベーターの有無だけではありません。
荷物を積むためのトラックが家の玄関先まで入って来ることができるかどうかという点も、とても重要になります。
一軒家となると、それなりに荷物の量も多いことでしょうし、トラックも4t車などの大きめのものが必要になる可能性が高いといえます。
もし、家の前の道幅が狭くて、4t車が入らないということになれば、2t車を2台手配することになり、運転手の人件費やトラックの経費が余分にかかってしまうことになります。
2t車が入れればまだいい方で、それも入れないとなると、空き地などにトラックをとめておいて、そこまで軽トラや台車などを使って荷物をピストン輸送しなければならなくなってしまいます。
そうなった場合では、トラックに荷物を積み込むだけでも大仕事となってしまい、かなりの人件費負担が発生することが予想されます。
引越し見積もりを作成する前の下見の重要性
引っ越しは、移動距離や荷物の量だけでは判断できない、さまざまな要因によって見積もり金額が変わってくるということが十分にお分かりいただけたかと思います。
そういった部分をしっかりと引越し見積もりに反映させるためには、実際に業者の人に来てもらって部屋の中をみてもらうことによって、ほぼ正確な金額をはじき出してもらうことが可能になります。
しかし、実はそれだけではまだ万全とは言えないのです。
なぜなら、その引越し見積もりには、転居先の情報が取り入れられていないからです。
たとえば、今住んでいる家から容易に搬出できる家具であっても、転居先のドアが思ったよりも狭くて搬入できないというケースもあり得るからです。
そういった場合には、クレーンなどを使って窓から搬入するなどの対策をしなければならなくなり、見積もり金額もその分かなり割高なものになってしまいます。
まだ、事前にそのことに気がついていれば、業者も事前にクレーンなどを手配のうえで適切な対応をしてくれますが、ドアから家具が入らないということに引っ越し当日に気がついた場合は悲惨です。
業者としても、その日のうちにクレーンなどを手配するのは困難なことも多いですし、最悪の場合は、いったん作業を中止して、別の日に仕切り直しということにもなりかねません。
当然ながら、引越し業者からは、後日びっくりするほどの高額な追加請求がくることでしょう。
やはり、そうならないためには、しっかりと転居先も下見をして、大きな家具が玄関から搬入できるかどうかを事前に調べておくことが大切です。
付帯サービスの料金なども考慮するようにしましょう
引越し見積もりは、荷物を転居先まで届けるという基本サービスとは別に、さまざまな付帯サービスの料金が別途で計上になります。
最近の引越し業者は、本当にびっくりするくらいありとあらゆるオプションサービスを提供してくれています。
お金さえ払えば、引越しに関わる作業はすべて業者任せで、自分は一切何もやる必要がなくなるくらいに、それらのサービスは充実しています。
また、本来であれば別の業者に見積もり依頼しなければならないような作業であっても、引越し業者が付帯サービスとして請け負うことも多くなっています。
たとえば、エアコンの脱着やテレビアンテナの取り付けなどです。
これらの作業は自分ではできませんから、電気屋さんにお願いするのが一般的ですが、実際には転居先の新しい土地で、他の店から買った電気機器の取り付けだけを地元の電気屋さんにお願いするというのは、なんとなく気が引けるものです。
それらを引越し業者がすべてやってくれるとなると、依頼する側からすると本当に助かるものです。
それに、遠方への引越しの場合、取り外す電気屋さんと取り付けをする電気屋さんを別々に依頼しなければならず、かなり面倒なことになります。
仮に別途で電気屋さんにお願いしたいと考えている人も、電気屋さんにエアコンの脱着のみをお願いすると、取り外しのときに15000円程度、取り付けのときに20000円~25000円程度の見積り額になるのが一般的だという点を頭に入れておくといいでしょう。
引越し業者からもらう見積もりの中に、エアコン脱着のサービスを入れてもらう際のオプション料金を比較するときに参考になることでしょう。
ちなみに、引越し見積もりの中にエアコンの脱着まで含めてもらった場合、業者によっても異なりますが、だいたい10000円~20000円程度のオプション料金で済むことが多いようです。
ただし、実際には取り外したホースの長さが転居先で合わなかったり、ガスの充てんが必要になったりして、見積もりしてもらった以上の金額が発生することもありますので、その点は注意しなければなりません。
最近はエアコンも安くなっていますので、転居先で新たに買うというも一つの選択肢ですね。
引越し見積もりは各社同じ条件で提出してもらいましょう
いくつかの会社から引越し見積もりをもらう際に、単純に総額だけを見るのではなく付帯サービスが計上されているかどうかを必ずチェックするようにしましょう。
見積もりの総額だけをみて、安いと思って契約をしたら、他の業者が見積もりに含めていた付帯サービスが抜けていたなどということも十分にあり得ます。
その場合、付帯サービス分は追加見積もりという形で請求されることになりますので、結果的に他の業者よりも高い金額になってしまう可能性もあります。
複数の引越し業者から見積もりをもらうときには、すべての会社に同じ条件で出してもらわなければいけませんし、もし項目に抜けがある見積もりを見つけた時には、再度提出をしてもらうようにすることが大切です。
エアコンの脱着のようなオプションサービスであれば、仮に見積もりから抜けていた場合に気がつきやすいのですが、家財の荷造りや荷解きなどが含まれているかどうかをうっかりすることがあるようです。
ある業者の見積もりには荷造り荷解きが含まれていて、別の業者の見積もりには含まれていないとなると、トータルの金額に大きな差が生じることになります。
そのことに気がつかずに、単純に安い方と契約をしてしまったりすると、あとになってトラブルのもとになりますので、しっかりと確認をするようにしましょう。
あとになって業者とトラブルにならないために
引越し業者からもらった見積もりに納得して契約をして、実際のその金額で引っ越しを終えることができれば何もトラブルになることはないでしょう。
しかし、引越し見積もりを業者から受け取った時点での確認不足が原因で、あとになってトラブルになることも少なくありません。
あなたが「当然、見積もりの中に含まれていると思っていた」作業が、業者側にしてみれば「それは別途なので追加で代金をいただきます」ということにもなりかねないのです。
こういったトラブルの多くは、実際の契約をする際にしっかりと見積りの内容を確認してさえいれば防げるものなのです。
そのためには、引越し業者から内訳のしっかりと書かれた見積もりをもらう必要があります。
ひどい業者になると、「引越し代金 一式○○万円」としか書かれていない見積書を提出してくるようなところもあります。
たとえば「一式10万円」と書かれただけの見積もりを見ても、どこまで含まれていて、何が別途になるのかかがまったく分かりません。
たとえば、ダンボール一つをとっても、大手の会社であれば無料で提供してくれることが多くなりましたが、地元の中小の業者だと有料であることもあります。
また、荷造りや荷解きなどの作業も、自分でやるのかそれとも業者に依頼をするのかを、見積もり上で明確にしておかなければなりませんし、オプションサービスの有無なども、その項目が含まれているのか別途になっているのかをしっかりとチェックする必要があります。
当日に引越し業者が怒って帰ってしまった例もあります
引越し見積もりの確認不足が原因でトラブルになったとしても、追加でお金を支払うことで済む程度であればまだましです。
実は、この引越し見積もりの確認不足が原因で、当日の朝に業者が怒って帰ってしまったなどという事例も実際にあるのです。
引越し見積もりの内容は、荷物の運搬だけになっていたにもかかわらず、依頼主は荷造りも全部業者がやってくれるものと勘違いして、当日まで何もしていなかったのです。
そうなりますと、当日に荷造りのための人手を手配することは困難ですし、時間的にもその日のうちに引越し作業を終えることは不可能となってしまいます。
他のお客さんのスケジュールにも悪営業を及ぼしてしまうため、業者は帰ってしまったわけです。
実際の引越し見積もりの内訳には、荷造り作業に関する項目は一切なく「荷造りというものは引越し業者がやってくれるものだ」と勝手に思い込んでいたことが悲劇につながったわけです。
引越しというものは何ヶ月も前から計画していることも多く、当日に業者に帰られてしまうと本当に困ってしまいます。
そんなことにならないためには、引越し見積もりの内訳をしっかりと確認すると同時に、業者にもどこまでやってくれるのかを口頭で確認したうえで契約をすることが大切です。
引越し見積もりの内訳を意図的に書かない悪徳業者
引越し見積もりの内訳をあえて書かずに、トータル金額だけをライバルの業者よりも安くして、言葉巧みに契約をさせてしまうような悪質な会社も中にはあるようです。
ひどい業者になると、現場をみないで電話での口頭のみで見積り金額を伝えて、仕事を受注してしまうようなところもあります。
ライバルに勝って受注をするためには、表向きの見積もり金額を安くしなければなりませんが、内訳まで書いてしまうとつじつまが合わなくなってしまうので、あえてトータルの金額だけ書くわけです。
そして当日になって「思ったよりも荷物が多いですね~」とか「高級な家具や家電が多いようなので思ったよりも養生費がかかります」などと適当な口実をみつけて、追加の金額を要求してくるのです。
「やられた!」と思っても後の祭りで、いまさら引っ越しの日取りを変更することが難しいということを彼らは知っているのです。
「いやならこのまま帰りますよ」などと、脅しのようなセリフを吐く業者もいるようです。
もちろん、ほとんどの引越し業者は良心的ですので、必要以上に心配する必要はありませんが、中にはそういった悪質な会社もあるようなので、不安があるのであればアート引越センターや引越のサカイのような知名度の高い会社に依頼をするといいでしょう。
家財チェックリストと内訳をしっかりと確認して契約を
しっかりとした引越し業者であれば、見積もりと一緒に必ず家財チェックリストを提出してくれます。
この家財チェックリストによって、見積もりに反映されている家財の量と実際の家財の量に相違がないかを確認するわけです。
家財チェックリストと引越し見積もりを照らし合わせて確認したあとに、契約をするようにすれば、当日になって思ったよりも荷物の量が多いという理由での追加請求などをある程度防ぐことが出来ます。
もちろん、家財チェックリストに抜けがあったり、リストに掲載されている家財の量と見積もりに書かれた内訳に相違などがあれば、契約前にしっかりと理由を確認しなければなりません。
実際に見積もりに含めるべき家財が抜け落ちていたことに気がついたにもかかわらず「見積もりが安くなってラッキー」などと思って黙っていると、あとになってしっかりと追加で請求されてお互いに不愉快な思いをすることになりますので、抜け落ちが見つかったら正直に伝えるようにしましょう。
引越し業者がしっかりと家財の量をチェックしたつもりでも、うっかりと収納や押入れの中にある大きな荷物を見落としてしまう可能性もあります。
プロの引越し業者だからと全面的に信用するのではなく、彼らが見積もり作成時にうっかりしそうな家財などに関しては、こちらから積極的に情報を提供してあげるようにするといいでしょう。
相見積もりは必ず取った方がいい理由
引越し見積もりには、いわゆる定価というものがありません。
たとえば、同じ移動距離で同じ荷物の量にもかかわらず、見積もり金額が10万円のところもあれば20万円のところもある可能性があるわけです。
実際に、複数の引越し業者から見積もりをとったら、最安値と最高値に2倍近くの差がでてしまうということも少なからずあるのです。
理由はさまざまですが、例えば、たまたまあなたが引越しを予定している日時に運悪くたくさん予約が入ってしまっているA社と、スケジュールに余裕のあるB社からの見積もりを比較した場合、どちらの見積もり金額が安くなるのかは言うまでもないでしょう。
たくさんの予定が入っているA社の場合、新たにスタッフやトラックの手配をしなければならず、それらを自社でまかなうことが出来なければ、下請けなどの形で外注化する必要が出てきてしまうわけです。
そうなりますと、余分なコストが発生する分、見積もり金額が割高になってしまうわけです。
一方のB社は、たまたま空いているスケジュールにあなたの引越しを組み込むことが出来れば大助かりでしょう。
空いているトラックやスタッフを活用するわけですから、コスト的な効率は非常によく、安い見積もり金額を作成することが出来るわけです。
それ以外にも、自社で所有しているトラックのサイズや、遠方への引越しの場合に全国に拠点があるかどうかなどによっても、見積もり金額は大きく変わってきます。
しかし、それらの業者の都合による見積もり金額の違いを、事前にあなたが知ることは困難です。
やはり、実際に複数の業者から相見積もりをとってみることが一番です。
見積もりの条件をまったく同じにしたうえで、3社、4社の引越し業者から相見積もりをもらうことで、想像以上に金額差が出るはずです。
談合されると相見積もりの意味がなくなります
見積もり金額を少しでも安くするためには、1社でも多くの会社から相見積もりを取得することが大切になりますが、1点だけ注意しなければならないのが談合の問題です。
談合なんて、ゼネコンや公共工事の入札のときだけのことだと思っている人もいるかも知れませんが、引越し見積もりであっても、地元のお互いが顔なじみの業者にばかり見積もりをとると談合をされてしまう可能性もなきにしもあらずです。
もし談合されてしまうと、それぞれの業者の見積もり金額にほとんど差がなく、相場とくらべてかなり割高な金額の見積もりが出てくるのが特徴的です。
そういったことが起こらないようにするためには、地元の引越し業者だけに見積もりを依頼するのではなく、アート引越センターやクロネコヤマトなどの大手の会社も必ず含めるようにするといいでしょう。
ピアノを運搬しなければならないときは?
自宅にピアノがある人の場合、引越し見積もりの金額を大幅にアップすることになります。
かといって、アップライトピアノであっても重量は200kg以上ありますし、グランドピアノになれば300Kgを超えますので、搬入搬出にはそれなりの専門知識と技術が必要ですし、素人が自分でやろうと思ってもとても手に負えるものではありません。
ある程度の出費は覚悟のうえで、ピアノ運搬専門の業者に依頼をするか、引越し見積もりに上乗せする価値で引越し業者にお願いをするかのどちらかを選択することになります。
ピアノ専門の業者に別途依頼をしてもいいのですが、引っ越しに伴う他の荷物の搬出タイミングと日時の調整などが面倒なこともあるので、引越し業者にピアノの搬出もお願いをしてしまった方が気楽です。
もちろん、引越し業者だからといって、ピアノ専門のスタッフが対応することになりますので、技術的に見劣りをするというようなことはありません。
ピアノの運搬時には特にペダルをぶつけやすいので、そういった部分をしっかりと養生しなければならないのですが、そういった点も十分に心得ているはずです。
ピアノはただの家具ではなく、あくまで楽器ですから取扱いもそれなりにデリケートです。
オプションサービスにピアノ運搬サービスの項目がある業者であれば、その点は心得ているはずなので、それほど心配することはありません。
また、オプションで調律師の派遣なども行ってくれるところもあるようです。
ピアノがあると引越し見積もりはそれだけ増額になるか?
それでは、ピアノの搬送オプションサービスを利用した場合、引越し見積もりはどれくらい増額になるのでしょうか?
近距離でなおかつアップライトピアノの場合であれば、2万円~3万円が相場のようです。
しかし、これが長距離となると、一気に5万円~10万円に見積もり金額が跳ね上がります。
これがグランドピアノとなると、さらに2倍近い金額に跳ね上がるようです。
ピアノを省いた引越し見積もりが10万円だとすると、そこにピアノ運搬のオプションをくわえただけでアップライトピアノの場合で20万円~30万円に総額が跳ね上がる可能性があるということです。
しかも、これらの見積もり金額は、あくまで1階から1階への引越しに適用になる金額です。
これが、2階以上の階にクレーンなどを使って搬出搬入をするとなると、さらに料金は跳ね上がります。
クレーンが設置できる場所などによっても多少金額に差が生じますが、1階から1階に運搬するときにくらべて1万円~2万円程度は加算になると考えていいでしょう。
もし、敷地が狭くてクレーンが入れないような場所の場合、手吊りによる窓からの搬出搬入となり、クレーンを使った場合とは違う料金体系での追加料金が発生することになります。
実際に2階まで手吊りでピアノを搬入した場合の料金は、クレーンを使った場合とそれほどの違いはないようです。
マンションにピアノを運び入れるときの料金は?
ピアノは非常に重量があるために、マンションなどの上の階まで運び入れるのは大変な仕事です。
もちろん、それなりの費用が発生することになりますが、エレベーターが使える場合と、階段を使って運び入れる場合では大きく見積もり金額が変わってきます。
エレベーターが使える場合であれば、非常にリーズナブルな追加料金で済みます。
階数に関係なく、アップライトピアノの場合であれば一律1千円から2千円の追加料金で対応してくれるようです。
たとえ10階や20階などの高層階であっても同一料金です。
エレベーターがない場合には、階段を使って人力でピアノを運搬しなければなりません。
この場合の大まかな追加料金の目安は、1階あたり5000円程度が目安となるようです。
たとえば、階段を使って8階まで運搬するとなると、40000円が追加されることになります。
これらの追加料金は、1階から1階へピアノを運ぶことを前提とした基本料金に加算されることになりますで、合わせるとピアノの運搬だけでかなりの出費になることがお分かりいただけるかと思います。
中小の引越し業者に見積もりをもらうときに注意すべきこと
引越し見積もりは、なるべくたくさんの業者からもらってしっかりと比較をした方が確実に安くなります。
しかし、だからといってどんな引越し業者でも構わずに手あたり次第に見積もりを取りまくるのはよくありません。
確かに大手の引越し業者の場合、経費が掛かる分だけ見積もりも高めになることが多いので、地元の中小の業者などからも取った方がいいのは事実です。
問題なのは、そういった中小の引越し業者の中には、悪質な業者もまれに存在するということです。
もちろん、中小の引越し業者であっても、多くの業者はしっかりとしたところがほとんどですし、きちんとした見積もりを出してくれますので、必要以上に不安になることはありません。
しかし、実際に悪質な引越し業者の手口を知っておくとは、決して損にはなりませんので、引越し見積もりをもらう前に事前に頭に入れておくといいでしょう。
勝手にキャンペーン商品やダンボールを置いていく業者
引越し見積もりを依頼すると「現在キャンペーンを行っているので、契約していただけたら○○をプレゼントさせていただきます」というようなアピールをされることがあります。
別にキャンペーンそのものは問題ないのですが、悪質な業者になると見積もりを依頼しただけなのに勝手にキャンペーンの商品を置いて行ってしまったりします。
つまり、契約が前提になるキャンペーンの商品を置いていくことで、依頼者が断りにくい状況を作ってしまうわけです。
もちろん、しっかりと契約を済ませるまでは、そのようなキャンペーン商品は絶対に受け取ってはいけません。
たとえその商品が1万円の価値のあるものであったとしても、その業者の見積もり金額が他の業者にくらべて2万円以上高いとしたら、むしろ損をすることになってしまいます。
また、キャンペーンの商品以外でも、見積もりのときに勝手にダンボールを置いていってしまう業者もいます。
最近ではどこの引越し業者もダンボールの無料提供サービスを行っていますが、当然ながらダンボールを受け取るのは見積もりをもらう時ではなく、契約が済んだあとです。
これもダンボールを受け取ってしまうことで断りにくくなるという心理効果を狙っているわけです。
「では、ダンボールを置いていきますので、当日まで荷造りを済ませておいてくださいね」などと笑顔で言われたとしても、きっぱりと断るようにしてください。
いまやほとんどの業者がダンボールの無料提供をやっていますので、その業者に置いて行ってもらうことのメリットは全くありません。
ひどい業者になると、勝手にダンボールを置いて行ったにもかかわらず、他の業者にお願いしたことが分かるとキャンセ料を請求してくるようなところもあるようです。
もちろん、契約をしていないのであればキャンセル料など発生しませんから、ダンボールを返せば済むことなのですが、いずれにしてもそういったややこしいことにならないように、契約前には絶対にダンボールは受け取らないようにすることです。
キャンセルさせないための予約金や手付金に注意
引越し見積もりの比較を終えていざ契約をする段階になると、予約金や手付金を要求してくる業者もいます。
確かに、引越しの繁忙期になればどこの業者もスタッフやトラックをギリギリの状態で回していますから、突然キャンセルされたりすると困るわけです。
それを防ぐために、予約金や手付金をもらうことでキャンセルしにくい状況をつくりあげるわけです。
もちろん、そのようなものは支払う必要はありませんし「引越運送約款」にはキャンセルは3日前までは無料であることが書かれています。
たとえ見積もり金額が一番安い業者であっても、、予約金や手付金を要求してくるようなところとは契約はしない方が無難です。
世の中何が起こるか分かりません。引越し当日に家族が病気になったり事故に巻き込まれたりということが絶対にないとは言えません。
そういった場合でも、一度支払ってしまった手付金や予約金は返ってきません。
引越し見積もりを受け取るときには「契約のときは予約金とか手付金は必要ですか?」と必ず確認をするようにしましょう。