引っ越し業者の出してきた見積もり金額を見ても、そもそも費用の内訳が分からないので、それが高いのか安いのかは一般の方では判断が難しいでしょう。
費用が積算されるもととなる内訳をある程度知っておくと、見積もりを詳しく読み取ることができ、他の会社の見積もりとの比較もしやすくなります。
また、内訳を知ることで値引き交渉の際の材料としても使えますので、引っ越し費用の方程式を頭に入れましょう。
どのような内容で積算されているのか?
引っ越しの見積もりは、「運賃」+「人件費」+「梱包費」+「保険料」+「附帯サービス、オプション」により、基本料金が積算されています。
これに繁忙期か閑散期かという時期的要因、平日か土日祝日かという曜日要因、午前便か午後便かという時間帯要因などが加味されて費用が計算されます。
※参考:引っ越しの料金は午前よりも午後の方がお得になります
それぞれの項目の内容はどうなっているか?
「運賃」は、輸送全般にかかる費用のことで、トラックの種類、台数、距離や時間などによって決まります。一般的には国土交通省の定めた「標準引越運送約款」をベースに各社決めており、時間制での料金体系と距離制とがあり、どちらを採用しているかは会社によってまちまちです。
時間制の場合で一例を挙げると、4t車は「4時間制」の下限は16,090円、上限は24,130円です。「8時間制」なら、下限は26,820円で上限は40,220円となっています。最も安い業者は、4t車1台を1万6千円程度の費用で手配してくれるということになります。
「人件費」は作業員の賃金に相当するものです。一人当たり1万4千円~1万5千円程度が費用の目安ですが、会社によって異なります。人数は荷物の量や大きさによって変動しますが、4人家族の引っ越しであれば4人程度が普通でしょう。1万5千円×4人=6万円程度が引っ越しにかかる料金の目安となります。
「梱包費」は、段ボール箱やガムテープなどの粘着テープ、布団袋や気泡緩衝包装材(いわゆる「ぷちぷち」)などの実費です。
「保険料」は利用者が任意にかける保険で、業者の責任を問えないような事故で家具が破損した場合などに備えて加入をします。業者の責任による場合の事故に対する保険については、業者自身が加入しています。
「附帯サービス」は、基本サービスに含まれない費用です。ピアノの輸送費用や自家用車の陸送費用、エアコンと取り付け取り外し、ハウスクリーニングなどがあります。
値引き交渉の際には、項目をあげて交渉するとベターです
引っ越し費用を下げてもらいたいときには、漠然とお願いするよりも、「トラックは4t車でなくて3t車でも十分じゃないの?」というように、具体的に交渉した方が有利になることがあります。
業者によっては、「3t車でも十分だけど、その日は4t車しかあきがない」というような理由で、「4t車」としているケースもあり得ます。そんな場合には、「3t車で」という要望は通りやすくなるでしょう。実際に配車されるのが4t車であっても、費用は3t車ということになりお得です。
当日に見積もりの内容をチェック
引っ越し当日には、見積もりの内訳通りの内容で作業が行なわれているかどうかをチェックしましょう。見積書に「4tトラック1台」と書いてあるのに、実際に来たのは「3tトラック」だった、とか、人件費として「4人分」が記載されているのに、作業員は3人しかいないなどです。
人数が少なかったり、トラックが小さかったりすれば、それだけ引っ越しに時間がかかります。予定していた時間内に作業が終わらないこともありますし、一泊しなければならなくなる事態もあり得ます。
もし見積書通りに作業がなされていないのであれば、その場で交渉して、トラックを入れ替えるとか、値下げをしてもらうなどの話し合いをすべきでしょう。それが解決するまでは、お金を支払わないことも大切です。
引っ越し費用の内訳を知っておくと、値段交渉にも使えますし、作業内容のチェックにも役立ちます。知らないでいて損をするよりも、しっかりと費用の内訳を知った上でしっかりと交渉した方がお得です。