引っ越しを依頼する業者を規模で分けると、おおまかに3種類に分けることができます。
大手の専門業者、運送業兼業中堅業者、そして赤帽も代表される軽貨物の業者です。
赤帽などの軽貨物業者は引越し専門というわけではありませんが、軽トラックやバンといった小型の車両を使って配送業務をを行っています。
個人営業で小回りがきくこと、そして価格が安いのが特徴でありメリットです。
ここでは、単身で荷物の少ない人の引越しに赤帽を利用するメリットについて考えてみたいと思います。
赤帽は小回りのきく荷物のハイヤー
軽貨物を使って、小型の荷物をフットワークよく運んでくれるのが、赤帽という愛称で広く知られる全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会です。
赤い帽子をかぶったような、赤と白のツートンの軽トラックを街中でよく見かけることでしょう。
実際に赤帽に荷物を運んでしてもらった経験がある人も少なからずいるのではないでしょうか。
赤帽はそれほど日常的に馴染みのある運送業者ということがいえます。
赤帽が生活に密着して街に馴染んでいるように感じるのは、そのほとんどが個人事業主が経営しているからです。
繁華街や大通り沿いだけではなく、住宅街にも配送拠点があるため親しみやすいのが特徴です。
宅配便では送れないサイズの荷物を急いで送らなくてはいけなくなったときなどは、赤帽の配送センターに連絡すればたとえ夜中であっても空き車両を探し出して手配してくれます。
赤帽は、まるまる軽トラック1台を気軽にチャーターできる、貨物のハイヤー的な存在だといえます。
近距離輸送しか請け負ってくれないイメージがありますが、基本的に全国どこへでも配送してくれます。
赤帽は軽トラックに運転手1名という身軽さですから、料金的にも非常にリーズナブルなのが大きなメリットです。
大手の業者に依頼するほどではない荷物の量であれば、赤帽を利用することでコストダウンをすることが可能になります。
※こちらも参考にしてみてください。
引っ越し業者は大手と中堅のどちらを選ぶのがいいのでしょうか?
すべてを赤帽にお任せにはできませんからご注意を!
赤帽などの軽貨物業界では、そのフットワークの良さを活かして主に単身者のための引っ越し業務に力を入れています。
赤帽の公式サイトには大手の専門業者と同様のオンライン見積もりフォームが用意されています。
旧居と新居の場所、建物の形状、荷物の種類などにチェックを入れれば概算見積もりをすぐに受け取ることができます。
軽トラックの総積載量は350kgと少なく思えても、公式サイトで積載できる荷物の1例を見ると「テーブル1、洗濯機1、シングルベッド1、衣装ケース3,オーディオ一式、冷蔵庫小型1,衣装ロッカー1,段ボール10」と単身者の引越しには十分対応できる量です。
さらに赤帽には引っ越し専用特装車の用意もあり、大型の家具の配送も引き受けてくれるようになりました。
また、エアコンの取り外しや取り付けなどの、大手の引越し業者なみのオプションサービスに対応してくれる場合もあります。
赤帽はフットワークが軽くて料金が安いというメリットがある反面、依頼した側も作業に協力しなくてはいけないことを忘れてはいけません。
荷造り荷ほどきはもちろん自分の手でやらなくてはいけませんし、当日に来るのは運転手はひとりだけですから、荷揚げや荷下ろしも手伝わなくてはいけません。
頼めば助手を連れてきてくれることも可能ですが、乗車人数の関係上、作業員は運転手を入れて2人が限界です。
梱包材なども大手の専門業者のように、当日に持ってきてくれるわけではありません。
家具や家電を養生するための毛布などを準備してもらえるのか、依頼時に聞いておくようにするといいでしょう。
赤帽に依頼する際に注意すべきこと
赤帽の料金は距離制または時間制のどちらかで契約することになります。
距離制は主に長距離で短時間の場合に、時間制は短距離で長時間の作業が想定される場合に適用されます。
契約の際にどこまで手伝って欲しいのかを明確に伝えておかないと、次の仕事が入っていた場合など、玄関先に荷物を降ろして帰ってしまうこともあるようです。
赤帽に加盟している事業者は貨物保険には加入していますが、保険内容についてはまちまちです。
この点も事前に確認しておかないと、荷物が破損・紛失した際に補償されない可能性が出てきます。
赤帽は日本全国どこへでも配送をしてもらうことが可能ですが、あまり遠距離の場合は赤帽に頼むよりも引越し業者の単身パックなどを選んだ方が安くつく可能性も高くなります。
多くの依頼者の荷物を混載する単身パックの方が、軽トラック1台をチャーターする赤帽よりも効率化できるコストダウンが可能だからです。
赤帽などの軽貨業者は、時間と場所を選ばない急な配送にも対応してくれ、引っ越しの方法もこちらの要求に合わせてくれる融通性があり、シンプルなサービスを低価格でお願いできることが大きなメリットです。
その一方で、依頼者が作業を手伝う必要があったり、距離によってはかえって高くつくなどのデメリットもあります。
そういった赤帽の特徴を十分に頭に入れた上で、引っ越しを赤帽に依頼するのか専門業者に依頼するのかを判断するようにしたほうがいいでしょう。