引っ越しは、だいぶ前から日取りを決めて業者の予約を含めて事前に準備をしておくのが一般的です。
しかし、世の中は当日に何が起こるのかは分かりません。
大切な人が急に不幸に見舞われたり、身内が事故にあって急遽駆けつけなければいけならなくなったりするかも知れません。
また、自分自身が急病や事故で倒れてしまうことだってあり得ます。
そうなった場合、引っ越しは一旦キャンセルをして延期するしかありません。
そんな時、きちんとした知識を持って対応しないと必要のないキャンセル料金を支払うことになってしまいますので、注意が必要です。
ここでは、引越しの延期や中止をした際に発生する、キャンセル料について書いてみたいと思います。
キャンセル料が発生するのは当日の1日前から
もし急な事情で引越しを延期や中止をしなくてはいけなくなったら、すぐに業者に連絡を入れなくてはいけません。
依頼した側のやむを得ない事情で中止または延期する場合、引越し当日の1日前からだからキャンセル料金が発生してしまうからです。
これは、引越し業者が守らなくてはいけない約束事を定めた「標準引越運送約款」にしっかりと書かれていることです。
・2日前までは、キャンセル料金なし
・前日の解約または延期によるキャンセル、料金の10%以内
・当日の解約またや延期によるキャンセル、料金の20%以内
この場合の、料金というのは見積書に書かれた「引っ越し料金の総額」ではなくて「届け出運賃」の10%または20%だということを覚えておいてください。
総額から割り出した料金を請求されても、一切支払う必要はありません。
この「標準引越運送約款」は、見積もりといっしょに提示するように決められています。
引越し業者から受け取った見積書にキャンセル料に関することも書かれているはずですから、事前に必ず目を通しておくようにしましょう。。
前日になって急にキャンセルしなくてはいけなくなったときでも、その前の日までに引越し業者から事前連絡がないときは支払う必要はありません。
業者は、見積もり内容に間違いはないか、変更したいことはないかといことを2日前までに確認しなくてはいけないことになっています。
確認を怠った場合は、キャンセル料金は一切発生しないことも「標準引越運送約款」に明記されています。
キャンセル料とは別に支払いを求められることも
ただし注意しなくてはいけないこともあります。
約款には「見積書に明記された、業者がすでに実施してしまったサービス、または今行っているサービスにかかった費用については、キャンセル料金とは別に請求できる」ことになっています。
たとえば段ボールなどの梱包材を前もって受け取っているときは、その分を買い取ることになる場合があります。
また、契約成立サービスとして、テーマパークなどの入場券や旅行チケットなどを受け取っているときは返却する必要があります。
すでに使ってしまったときはその料金を返済しなくてはいけません。
キャラクターグッズなどの物品を受け取っているときも、その分の料金を請求されます。
もともとこういった事前サービスは、キャンセルを防ぐために行われることが多いのです。
中止ではなく、延期の場合であれば、どの業者でもキャンセル料金が発生しないよう相談に乗ってくれます。
しかし、さすがに当日となるキャンセル料金がかかってしまうようです。
引越し業者も、その日のためにトラックや作業員を準備していたわけですから、さすがに当日ではそれらを他に振るわけにもいかずに困ってしまうはず。
20%のキャンセル料は致し方のないところといえるでしょう。
引越しの中止や延期の可能性は早めに連絡を
キャンセルしなくてはいけない事態が起きたときは速やかに業者に連絡を入れることを忘れてはいけません。引越し当日に近くなってから身内が急に病気にかかってしまったりしたときには、最悪の場合は引越しが中止や延期になる可能性がある時も前もって業者に知らせておきましょう。
もし、サービスでもらったチケットやグッズがある時は使用せずにしまっておくか、その時点で返却してしまった方が無難です。
業者としても、当日にいきなり中止や延期を申し出られるようりも、そういう可能性もあることを事前に伝えておくだけで、だいぶ印象が良くなるに違いありません。
まずは、引越し業者の営業担当に電話をして相談に乗ってもらうことをおすすめします。