引っ越しの際に、家具や電化製品が傷ついてしまうことがしばしばあります。
プロの引越し業者であっても、人間が作業をしている以上どうしてもミスは起こります。
そして、そんなミスによるトラブルで一番多いのが家具に傷をつけてしまうことだといっていいでしょう。
大切な家具に傷をつけられたら感情的になるのは当たり前です。
でも、いくら業者を責めてみたところで、傷ついた家具が元に戻るわけではありません。
そのようなときには、冷静になってどうしたら納得できるように解決できるのかを考えるようにしましょう。
また、いざトラブルが起きたときに、引越し業者どのような対応してくれるのかを、あらかじめ確認しておくことが大事です。
契約前にトラブルへの対処法をきちんと確認
業者に引っ越しの見積もりを依頼すると、その場で契約をするように迫って来ることがあります。
業者の担当者は営業で来ているのですから当然のことなのですが、そのままの流れで適当に契約をしてしまってはいけません。
契約の前には、しっかりの契約内容の書かれた必要書類に目を通すのが大切です。
家具の傷などにきちんと対応してくれる引っ越し業者であれば、書面に取扱保険会社の名前が記載されているはずです。
どういった場合にどんな対応をしてくれるのか、補償内容も書かれているはずなので、しっかりと確認をしておきましょう。
もし、疑問点があるなら納得がいくまで話を聞くようにしましょう。
「我が社のスタッフは優秀ですから家具に傷をつけることはありません」とか「過去十数年そういったトラブルはないのでご安心ください」などという言葉を鵜呑みにしないでください。
引越し業者を数十年やっていて、家具に傷をつけたこと一度もないなんてありえないですから、明らかに口からでまかせを言っているに違いありません。
契約の際には、特に大切な家具などは、前もって傷がないことを担当者に確認してもらってください。
そして、その場で写真を撮るのも忘れないようにしましょう。
担当者が家具と一緒に写っているものもおさえておくと、重要な証拠となります。
大切な家具に傷をつけられたときに、「その傷は初めからついていたものだと思いますよ」などと言い逃れをさせないために、面倒くさがらずにしっかりと撮影しておきましょう。
ただ、あまり露骨にやると、まるで業者を疑っているようで失礼になるので、さりげなくやるのがコツです。
たとえ腹が立っても冷静に..
もし当日に恐れていた事態が起きてしまっても、まずは落ち着いてください。
実際に作業をしているスタッフは、その場でトラブルに対応はできないのです。
その場でスタッフとやりとりしていては作業がも止まってしまい、肝心の引越しが終わらなくなってしまいます。
すぐに見積もりを依頼した時の担当者に連絡を入れるようにします。
トラブルの解決はスタッフではなく、担当者か苦情係と話し合うようにすることが大切です。
家具の破損箇所を写真に撮り、事故の起こった状況と時間もメモしておくことも忘れないでください。
しっかりと確認し、証拠を残す
トラブルが会った時に、業者に責任逃れをされないための防止策は、見積書の記載事項を細かくチェックすることです。
「こんな傷はなかった」「いや最初からあった」そんな押し問答になるのは最悪のパターンです。
こんな時にこそ、事前に撮影しておいた写真が証拠として活躍するわけです。
また、家具の傷だけではなく、あったはずの家具が転居先にやってこない、または業者が帰った後、ないことに気づいたというトラブルもよく起こりがちです。
そんなことがないように最終チェックは業者任せにしないようにします。
旧居では積み残しがないか、新居ではトラックからの降ろし残しはないか、自分もしくは信頼できる人が直接荷台を確認します。面倒がらずにその場その場でしっかりと確認を繰り返すようにしましょう。
破損や紛失が引っ越し後に見つかったときは、なるべく早く業者に連絡することが大切です。
なぜなら3ヶ月を過ぎてしまうと補償してもらえなくなるからです。
業者は請求があってから1年以内に補償をしなくてはいけないのですが、残念ながら不誠実な会社があることも事実です。
公益法人全日本トラック協会や消費者生活センターに相談も
トラブルを起こした引っ越し業者がまったく連絡してこない、支払いを承諾しておいてそれっきり連絡をよこさないなど、解決の糸口が見えないようなら公益法人全日本トラック協会や消費者生活センターに相談するといいでしょう。
また、補償を催促したら逆に恫喝されたなど相手があまりにも悪質な場合は、弁護士に相談するのもひとつの手です。
業者側は単にお金を払いたくなくてゴネているだけですから、こちらに非がなければ訴訟にまで発展することはまずありません。
トラブルはひとりで抱え込まずに専門家に相談するようにしましょう。
家具の傷や紛失といったトラブルを避け、なおかつ事前に防止するためには、引っ越し業者と発注者の双方が、見積もり時、契約時、旧居を引き払うとき、作業の終了時といったタイミングごとにお互いに確認し合うことが大切です。