精子の劣化を凍結保存で食い止める!?~メリット・デメリット・料金
男性の精子も、加齢とともに劣化していきます。
「当分結婚はしたくないけど、子供はいつか欲しいし、精子が劣化するのは嫌だ」という男性は多いでしょう。
私もその一人ですが、こうした男性が考える選択肢の一つに「精子の凍結保存」があります。
今回は、凍結保存によって精子の劣化は阻止できるのか、メリットやデメリット・料金はどうなのか、という情報をまとめます。
精子の凍結保存のメリット・デメリット
まずは、精子を冷凍保存することのメリットとデメリットを考えてみましょう。
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■ メリット
・精子の劣化を防げる
・将来重い病気にかかった場合も、健康だった時の精子を使える
・人工授精の場合、数回分の精子をまとめて使うことで、妊娠率が上がる
■ デメリット
・精子の運動率が下がる
・費用がかかる(保存時に2万円、その後毎年1万~3万円程度)
・保存した精子で受精することに、抵抗を持つ女性もいる
…という感じです。
以下、補足をしていきます。
そもそも、精子はどう劣化するのか?
精子は35才程度を境に「奇形」が増えるそうです。
具体的にいうと「DNA損傷精子」が増えるとのこと。
原因は「精子を育てるホルモン・細胞」が、加齢によって弱まるからです。
精子自体は射精の度に新しく製造されるのですが、その製造する組織が弱まるわけですね。
なので、精子は常に新鮮なのですが、「新鮮だけど奇形のある精子」が増えるわけです。
そして、この「奇形のある精子」は流産率が高くなったり、子供に先天的な病気を発症させる原因となります。
精子の劣化というのはこういうことです。
【参考記事】
35歳で始まる!「精子老化」の真実(プレジデント・オンライン)
凍結保存で劣化は防げるが、運動率は落ちる
凍結精子で妊娠する方法は、1953年から実施されています。
それから61年間の実績をみても、凍結精子による妊娠によって、子供の障害等が多くなるということは特にはなかったそうです。
このように、凍結によって精子の劣化は防げるといえますが、運動率は落ちます。
つまり「綺麗だけど、足の遅い精子」になるわけです。
足の遅い=運動率の低い精子は「受精しにくい」というデメリットがあります。
子供に障害などが発生することはないけど「妊娠しにくい」ということですね。
凍結でどのくらい運動率が落ちるかは個人差があります。
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目安としては、大体50~80%程度に下がるということです。
つまり、妊娠率が最大で半分に下がることもありうるわけです。
妊娠率の低下は、「精子を数回分」使えば大丈夫?
運動率が下がっても、「精子を数回分使う」ことで妊娠の確率は上げられるそうです。
つまり、運動率が半分になってしまったら、代わりに2回分の精子を、1回の人工授精で使うというわけです。
「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」ではありませんが、量を多くすれば、それだけ妊娠率も上がるだろう、ということですね。
上に書いた通り精子凍結のデメリットは「妊娠率が下がること」ですが、それもこのような方法によって解消できるというわけです。
女性側の、人工授精に対する抵抗感は?
もう一つのデメリットとしては、女性側の人工授精に対する抵抗感があるでしょう。
これについては、抵抗を持つ女性と結婚するのは諦める、という選択になります。
もちろん、健康上の問題などはおそらくない、ということをデータ等で示して話し合うことは大切です。
ただ、話し合っても最終的にこれは価値観の問題になるので、抵抗を持たれてしまうのであれば、それは諦めるしかないといえます。
精子凍結&保存の料金は?
精子の凍結と毎年の保存にかかる料金は、
・凍結する時…約2~3万円
・保存…1年約1万~3万円
といった感じです。
凍結時3万、毎年の管理費3万、と思っておけばいいでしょう。
これを高いと思うか安いと思うかは人それぞれです。
精子の劣化をどれだけ気にするかによって、価値は変わってくるでしょう。
卵子の劣化と精子の劣化の違い
補足として、卵子の劣化と精子の劣化はどう違うのかもまとめます。
まず両者の違いは、
・精子…射精の度に新しく作る
・卵子…生まれた時から、ずっと同じものを持っている(年々減っていく)
ということになります。
このことから「精子は古くならない」と言われてきたのですが、実際は35才程度から劣化するというのは冒頭で書いた通りです。
このように、男性も女性も年を取るほど妊娠・出産では不利となっていくのですが、人工授精に抵抗がないなら、特に問題はないようです。
「人工授精で子供の奇形や障害が増える」ということはないようですし、後のデメリットは費用と心理的な抵抗のみでしょう。
以上、精子の凍結保存のメリット・デメリット・料金などについてまとめました。
精子の劣化を阻止したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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