マルチブラウザとクロスブラウザって何が違うの?
先日、クライアントから納品したWEBサイトのレイアウトが崩れているという連絡が入りました。
クライアント担当者が自宅でそのWEBサイトを見たところ、タイトルロゴの位置がずれて、テキストも大きく下に落ちてしまっているというのです。
たしかに納品前、マルチブラウザとクロスブラウザの両方で、表示チェックを行ったのですが、詳しく話を聞いてみると、どうやら担当者はIE6を使っていたようでした。
今回は、打ち合わせ時に取り交わした内容にIE6への対応はなかったことをご確認いただき、事なきを得ることができました。
とはいえ、やっぱりブラウザチェックは大切だなと思わされる事件でした。
ブラウザ自体には2つある
マルチブラウザとクロスブラウザという2つのブラウザがありますが、普段、これらの2つは同じ意味として扱われることが多いように思います。かく言う私もこの2つは同じものだと思っていました。
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しかし、先日インターネット上で読んだ記事には、国外ではこの2つの言葉に対し別の定義を持たせるべきだという主張が生じているとありました。
実際に、多くのJavaScriptライブラリを提供しているサイトでは、この2つを使い分けているところが多いそうです。
参考記事:Java ScriptとDHTMLってそもそもなんですか?
改めて、マルチブラウザとクロスブラウザの違いをまとめてみたいと思います。
マルチブラウザとは?
マルチブラウザとは、推奨ブラウザのことを指します。そのWEBページが正しく動作するWebブラウザを明示して、その環境下なら表示保証しますよということだそうです。
現在では、1つのWEBサイトについてマルチブラウザは複数あるのが普通となっています。
特定のブラウザでしか動作が保証されないようでは、今のWEBサイトとしては失格です。
そして、マルチブラウザに対応するためにjQueryは欠かせないものになっています。
JQueryは、そのJQueryによって保証された環境でしっかりと機能を果たしてくれるのです。一方保証されていない環境での動作保証はありません。
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クロスブラウザとは?
クロスブラウザとは、環境に関係なくコンテンツを提供することを保証するものです。
cssが進化するに従い、さまざまなデザイン要素が画像を使わずに表現できるようになりました。
またJQueryの使用によって特別な仕掛けや動きを持たせることも可能になりました。しかし、ブラウザによっては正しく表示することができない場合もまだまだ多くあります。
そのような場合、すなわちJavaScriptが無効だったり、CSSが正しく表示できない環境であっても、何かしらの形でコンテンツを提供できるようにすること、それがクロスブラウザの考え方です。
環境に関係なく、ユーザーが必要な情報をしっかりと受け取ること、アクセシビリティという考え方に基づいています。
ブラウザ格差が今後ユーザー側に広がっていく可能性があります
今回の私の仕事では、IE6はたしかにに動作保証対象ではありませんでした。とはいえ、現実にはまだ古いブラウザを利用している人は少なくありません。
今後HTML5、css3の使用が本格化し切り替えが進むにつれ、より一層ユーザー側のブラウザ格差といったものが広がっていく可能性もあります。
マルチブラウザからクロスブラウザへの完璧な移行、対策は簡単にはいきませんが、それでも考えて行く必要があるジャンルといえるでしょう。
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