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イタリア料理の裏ワザの真相~コルクとタコを茹でると柔らかくなる?

2014.05.07

イタリア料理の裏ワザの真相~コルクとタコを茹でると柔らかくなる? はコメントを受け付けていません

イタリアの主婦たちの間に伝わる料理のコツはいくつもあります。

パスタの茹で方、ニンニクの使い方、オリーブオイルの選び方…すぐに納得できるものもある反面、私のような外国人にはすぐには信じられないものも少なくありません。

イタリア料理の裏ワザとして有名なもののひとつに、柔らかい茹でタコを作るにはコルクを使え、というものがあります。

この裏ワザははるか昔から言い伝えられているものですが、近頃はやや忘れられつつあるのも事実です。若いイタリア女性の中には、こんなものまるで信じていないという人すらいます。

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でも魚介の好きな日本人としては、これは気になる噂です。本当に柔らかくなるのなら、コルクなんて全然惜しくありません。

イタリア料理の日本人コックさんたちにこの裏ワザの真偽ついて尋ねてみたところ、みなさん半信半疑といった様子でした。

タコとコルクの関係は、いまや料理にまつわる都市伝説といったところです。本当のところはどうなのでしょうか?フィレンツェ在住の筆者が、茹でタコを実際に作ってこの問題を考えてみました。

抜いたワインの栓は、何か使い道はないでしょうか?

使い終わったコルクの使い道はほとんどありません。たいていはそのまま捨てられます。何かのときに使えるかと思い、1、2個残すことは私もあります。でもいつまでも使わないものですから、たいていはいずれ捨ててしまいます。

気にしなければそれまでですが、このかわいそうな廃材に第2の使い道はないのでしょうか?

日本で行ったあるイタリア料理店では、半分に切ったコルクを、箸置きならぬ「フォーク置き」として使っていました。

これはおしゃれでしたし、いいアイデアです。ただ硬いので、切るときにかなり苦労するのが難点かもしれません。

何年か前に話題になった小説の中には、いっしょに飲んだワインのコルクを、大きな広口ビンに入れて集めるカップルの描写がありました。

思い出を目に見える形で残したい人には、これもいいかもしれませんね。

大ビンがいっぱいになるまで、2人で仲良くワインを飲み続けることができるのか…という問題もありますけれど。

なるほど、頭をひねれば、再利用法はけっこうありそうです。でも見栄えや思い出のためでなく、食事というもっと簡単なところで役立つのなら2次利用の道はずっと広がるはずです。

大いに期待しながら、タコ茹でにいざ取りかかりました。

材料はあえてシンプルに、生タコ、コルク、香味野菜だけにしました

タコを使う料理はたくさんあります。ナポリ地方のトマトソース煮などは有名です。でも今回は効果をはっきりさせるために、材料は極力減らしました。

用意したのは、約1kgの生タコ、コルク2個です。生臭さを消すために、ニンジン1本とセロリ1本も加えることにしました。

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▲鍋の中へ、材料を全部いっしょに入れます。

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▲水から茹でるので、鍋に冷たい水をたっぷり張ります。

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▲火にかける前に、コルクを加えます。今回私は2個用意しましたが、1kg程度なら1個でも大丈夫かもしれません。

煮立つまでは強火ですが、沸騰したら火を弱めて鍋に蓋をし、1時間30分ほど材料を煮ます。

ここで火を止め、いよいよ具の堅さを見てみます。

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意外と堅い?いいえ、ここで結論を急がないでください

この時点で材料にはしっかり火が通っています。

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▲煮汁が濃い赤色になっていれば煮えていると思って間違いありません。

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▲堅さを見るために、材料を取り出してみました。

ザルの上で足に箸を刺してみました。確かに、堅くはありません。冬にコンビニで売っている、おでんの中のタコ足よりは間違いなくずっと柔らかくなっていました。

でも、だれが食べても柔らかいと感じるわけではないかもしれません。材料には弾力が十分残っていました。私はこれくらいのプリプリした食感も好きですが、小さな子どもやお年寄りの方は食べにくいかもしれません。

もっと劇的に柔らかくなるのかと思っていたので、少し意外でした。

本来はここで出来上がりなのですが、鍋の中へタコとコルクを再び戻しました。
鍋に蓋をして、完全に冷めるまで煮汁に浸けておくことにします。タコが十分に柔らかくならないのは、加熱不足かもしれないからです。

ただし再び火を点けるのはやりすぎなので、熱い煮汁に浸けておくだけにします。余熱でじわりと温めるイメージでしょうか。

煮汁に浸してから1時間後に、材料をまた取り出しました。

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▲今度は足が十分に柔らかくなっています。お箸を使っても、身が楽に裂けるほどの柔らかさです。

コルクを加えて煮れば、柔らかい煮タコを少し効率よく作れることがわかりました。少なくとも何も加えずに煮るよりは、柔らかくするまでの時間を短縮できます。

ただ身がほろりとほぐれるほど柔らかくするには、時間をかけることも必要です。
茹で終わったら、自然に冷めるまでタコとコルクを鍋の中の茹で汁につけておくのを忘れないようにしましょう。

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▲せっかく茹でたので、今回はオリーブオイルと酢と塩とパセリで和えてマリネに仕上げました。

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日本の方が魚介は新鮮です。いい生タコとコルクが手に入ったら、ぜひいろいろな料理で試してみてください。

By 坂上

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