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モツが大好きなイタリア人~ヒツジの脳みそや鶏のとさかも食べます

2014.01.15

モツが大好きなイタリア人~ヒツジの脳みそや鶏のとさかも食べます はコメントを受け付けていません

昔から肉食中心の食生活を送ってきたイタリア人は、家畜の内臓も抵抗なく食べる習慣があります。

この国で肉屋に行くと、赤身肉といっしょに並べられている内臓の多さには圧倒されます。

日本人も、以前よりはモツをよく食べるようになりました。とはいえ、家庭料理でホルモンがでてくることはそれほど多くはないのではないでしょうか。

この国では家庭でも、驚くほどたくさんの内臓料理を食べます。夕食の残りは翌日のお弁当にも使われますし、屋台ではモツのハンバーガーが売られています。

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安くて栄養があるからという理由だけでなく、イタリア人は内臓をおいしく調理する術をしっているのです。

真の肉好きの国・イタリアで見かけた内臓料理文化の一端をご紹介します。

内臓は料理の中で欠かせない食材

食肉用に処理された家畜の肉の中で、人が食べない部分はどれくらいあるのでしょうか?おそらくこれは国によって違ってくるはずです。

この国で肉屋さんの店先に立っていると、家畜のほぼすべての部位を、この国の人たちは無駄なく食べているような気がしてきます。

以前、ローマで内臓料理が多いわけについてガイドさんから説明してもらったことがあります。中世、家畜の肉の中でもおいしい筋肉の部位は、宮廷人や貴族が消費していました。

庶民が食べることができたのは、屠殺した家畜の内臓やしっぽなど引き取り手のないまずい部分だけだったといいます。

現在の数々のモツ料理は、下等な肉をなんとかおいしく食べようという何百年にもわたる大衆の工夫のおかげだそうです。

この説明が本当だとすれば、何百年もたつうちに、モツを愛する気持ちはイタリア人全般の間にすっかり広まりました。

おいしいビフテキ肉が安くスーパーで手に入るようになった今でも、この国の内臓の消費量は少しも落ちていません。洗練された内臓メニューで有名な高級レストランもたくさんあります。

ウサギ、子豚、ニワトリを丸ごと買うときには、レバーと心臓は抜かないでくれとイタリア人は肉屋に注文します。丸焼きにするにしても、煮込むにしても、血をたっぷり含んだ内臓が少しあると、味がよくなるのだそうです。

料理の隠し味に使えるほど、イタリア人は内臓の扱い方に慣れています。

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そんなものまで食べるの?!日本人には驚きの内臓食文化

日本でホルモンとして食べられる内臓といえば、舌、腸、心臓、横隔膜、胃くらいですね。使われるのはたいてい牛の部位だと思います。

この国の肉屋の内臓コーナーの広さは、日本の肉屋の10倍はあります。モツ専門の肉屋もありますし、内臓は赤身肉と並ぶ料理の主役の1つです。

売られている部位は、レバーや心臓、胃、小腸、大腸はもちろん、牛の肺、すい臓、腎臓、仔ヒツジの脳ミソ、目玉、ニワトリのトサカや睾丸、ブタの脚、耳、頭などです。

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下ごしらえが大変そうに思えてしかたがないのですが、イタリア人の家庭ではどんな内臓も簡単に料理してしまいます。

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ヒツジの脳ミソは衣をつけてフライにするのが一般的です。じっくり煮込んだニワトリのトサカは、「チブレオ」という高級料理になります。

一口大に切った牛のレバーを豚の小腸で包んだものは「フェガティーニ」と呼ばれます。小腸の脂がゆっくり溶け出すように、フライパンの上で20分くらいかけてじっくり焼くと出来上がります。

オーブンで仕上げるブタの頭の丸焼きは、祝日などに出されるサルデーニャの家庭料理です。

イタリア人が食べる内臓の種類と料理法の多さには驚くばかりです。日本人の食生活も最近は欧米化してきたといいます。モツに関しては、私たちはこの国の人たちにはとてもかないません。

モツ料理はライトランチの代表

牛の第4番目の胃袋をランプレドットといいます。一見すると平たい赤身肉のようですが、表面に少しぬるぬるした粘膜があり、食べると内臓肉なのがすぐわかります。

ランプレドットを丸パンにはさんで、昼食にハンバーガーとして食べるのがイタリア人は大好きです。市場や公園近くの路地裏には、ランプレドット専門の屋台がよく出ています。

ここでオーダーすると、大鍋から取り出した胃袋のかたまりをパンに挟んで渡してくれます。このモツ・バーガーはボリュームもあり、ワインをグラス1杯つけても500円くらいの出費ですみます。

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日本でハチノスとよばれる、牛の第2胃袋のイタリア名はトリッパです。丸ごとだとかなり大きいので、スーパーなどではあらかじめ細切りにして売られています。

どの地方のイタリア人にも、最も愛されている内臓の1つです。調理法もさまざまで、トマトソースの煮込み、白ワインの煮込み、野菜やオリーブと和えるサラダなどの食べ方があります。

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トリッパのいいところは、冷めてもおいしくいただけることです。夕食に出した翌日、あまったトリッパを小型の容器に移し、パンといっしょにお弁当として仕事へもっていくイタリア人も少なくありません。

モツは、国民食といってもいいほどイタリア人に親しまれているのです。

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