イタリアの歯科へ行きたくない理由とイタリアの使えない歯ブラシ
海外で暮らしていると、歯磨きのことを普段から気にかけるようになります。
日本だろうと外国だろうと、歯科へ行ってあのキューンというドリルの音を聞かされるのはいやなものです。
外人の医者に外国語で話しかけられながら、あの音を聞くと思うと、それだけで恐怖心が膨れ上がって私は診察に行く気もなくなります。
イタリアに住み始めて数年の間に、いやいやながらも、現地の歯科に行かざるを得なかったことがありました。
あのひどい体験以来、私は虫歯予防にかなり神経質になりました。
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この国で住むうちに私が気づいた、歯科医と歯ブラシの選び方についてお話しします。
治療費の安いヤミ歯医者と、高額な正規歯医者がいます。どちらを選びますか?
日本ではありえない話ですが、イタリアではヤミ歯科医がたくさん営業しています。
ヤミというのはもちろん、免許をもたない不法な医師のことです。日本にいたころは、無免許医に会う機会が私にあるなんて想像もしていませんでした。
イタリアの正規の歯科医の費用はかなり高額です。少しでも安く治療を、という一般のイタリア人の要望に応えて、こういうヤミ商売がまかり通っています。
多くの場合、不正歯科医たちは「技師」という肩書きで営業しているようです。とはいえ、「技師」の実際の診察内容は歯科医そのもので、虫歯の治療をしたり、入れ歯や差し歯の調節もしたりします。
私も1度、こういうヤミ歯科医を受診してしまった経験があります。
奥歯に異常を感じるようになったので、私は治療をしぶしぶ決心し、イタリア人の友人にいい歯科を教えてと頼みました。
その友人が連れていってくれたのが、自分の家族かかりつけの名医だという「技師」のスタジオです。
スタジオといっても看板も出しておらず、普通のマンションの1室でした。
この3階でした・・・あの「技師」はまだ営業しているかも知れません。
その医師風の人がおかしいのはすぐわかりました。治療前に手袋もはめないですし、治療器具を消毒している様子がありませんでしたから。
治療費は安めでしたし、友人の手前、初診だけはがまんして受けました。とても耐えられず、2度目の予約はキャンセルしています。
その後自分で正規の歯医者を探しだし、治療をすませることができました。でもここでは、かなりの治療費を請求されています。
イタリアで歯の治療を受けようとしたら、2つの方法しかありません。
ヤミ歯科医のところで、不衛生だけれど安く治療してもらうか、正規医のところで、安全だけれど高額な治療費を払うかのどちらかです。
この苦い経験から、この国ではぜったいに歯医者に行かずにすむようにと、私はブラッシングに力を入れるようになりました。
この国の歯ブラシでは奥歯は磨けません
この国へ来たときから、歯ブラシで口の中を傷つけてしまうのが気になっていました。
ヘッドが大きすぎるのです。
奥歯のサイドをこれで磨こうとすると、歯茎の骨と頬の肉にヘッドがあたってヘッドが止まってしまいます。
がまんしていましたが、治療のあとは、日本から歯ブラシを送ってもらいました。
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イタリア人の平均身長は、日本人と同じくらいです。そのため、現地で靴や服を選ぶときに、サイズが大きすぎて困ったという経験は私にはありません。
でもイタリア人のアゴのサイズは、日本人のものよりもはるかに大きいようです。
日本製とイタリア製の歯ブラシを比べると、大きさがこんなに違います。上がイタリア製、下が日本製ブラシです。これを、日本人の奥歯の端まで届かせるのは無理です。
こちらの歯ブラシは、毛が少ないのも気になります。
ラテン系の人の歯は、日本人に比べて大粒なのではないでしょうか。粗く植えた毛でざっくりと広い範囲を磨けるように、これは作られています。
この毛も日本人の歯には向いていません。こんなものを使っていると、私は歯医者へまた行くことになるでしょう。
役にたつ口内ケア用品がわかってきました
国産のヘッドの小さな歯ブラシは、まちがいなく必需品です。
日本に住んでいればこれだけで済ますところですが、外国暮らしの間は、念には念を入れなければいけないと考えています。ヤミであってもなくても、イタリアの歯科医にはもうかかりたくないのです。
いろいろ調べて、さらに次の2点を歯磨き用に日本から取り寄せました。
私が一番役にたつと思っているのが、この歯間専用ブラシです。デンタルフロスも使っていますが、フロスだと届きにくい奥歯の間もこれでうまく磨くことができます。
毛が開きにくく、1ヶ月以上使えます。
歯間用のジェットウォッシュも便利です。歯茎をブラシで傷める心配もなく、食べ物カスをこれできれいに洗い流せます。
実は、イタリア製歯ブラシも私はたまに使います。
先ほどもお話したように、奥歯磨きにはこれは役に立ちません。でも、ヘッド裏についているラバーでこすると、コーヒーや赤ワインで着色した前歯をきれいに磨くことができます。
これは舌のコケ取り用ラバーで、こちらの歯ブラシの裏にはたいていつけられています。本来の使用方法とは違いますが、日本人の口内ケアにはこれも十分役立つとわかりました。
国が違えばいろいろと事情も変わるものですが、デンタルケアにまでこんなに差があるのかと、はじめの頃は驚いていました。
イタリア旅行に来る際「歯ブラシは向こうで買えばいいや」と思っている方、悪いことは言いませんので、マイ歯ブラシを持参しましょう。
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