イタリアのちょっと困ったランドリー事情~洗濯機との格闘の日々
イタリアに来てようやく住む家が見つかったとき、洗濯機のことはほとんど頭にありませんでした。
どの家でもバスルームにセットされているものとばかり思って、物件探しのチェック項目の中にそんなものは入れてなかったのです。
そのせいでランドリーのない家に住む日々が続き、洗い物の問題には悩まされてばかりでした。
今では洗濯機つきの家に住んでいます。とはいえ、ランドリー問題と縁が切れたわけでは決してありません。
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洗濯機やバルコニーのない家はざらにあります
今はイタリアのフィレンツェという町に住んでいますが、最初はピサという町に滞在していました。
斜塔で有名だし、観光地だから、町の人たちも外国人には慣れているはずとタカをくくっていました。予想は大外れです。不動産屋へ行っても、外人向け物件はほとんどゼロという厳しい状況でした。
ようやく見つけたボロボロのアパートへ入居するまでに1ヶ月近くかかっています。
これで安心だと、転がり込むようにして入居したものです。住み始めてから、そこが洗濯機も干し場もないことに気づきました。近くのコインランドリーで洗いと乾燥を済ませることにしたのですが・・・
少なくともそのコインランドリーだと、洗い時間だけで90分もかかってしまうのです。時間は自動設定だったので、変更はできません。そのあと乾燥機をさらに1時間使うことになります。
乾燥機から取り出した服は、予想通りかなり傷んでいました。日本製の衣類はピサのコインランドリーには繊細すぎたようです。
どうしてあんなに長い洗い時間に設定してあったのかはいまだにわかりません。
とても暮らせないと思い、このアパートはすぐ出ました。
次に住んだのは、フィレンツェの丘の上近くにあるきれいなアパートです。オーナーの趣味で、床は大理石、食器はリチャード・ジノリで統一されたとても優雅な家でした。
でも洗濯機と干し場は、ここでもまたないことに気づきました。前回の失敗の教訓を生かさず、チェックを怠ったわたしのミスでした。
家賃も高かったし、こんなになんでも完璧にそろっている家で、ランドリーやバルコニーがないなんて考えもしなかったのです。
そのアパートはオーナーのオフィスに隣接していました。オフィスの洗濯機と乾燥機をとりあえず借りることができます。
ただオーナーがケチで節電に熱心になるあまり、乾燥機をまわす時間をいつも最短にしてしまうのが難点でした。洗う時間が短いのは、服が傷まないのでむしろ幸いです。
ただ生乾きの衣類をにっこりと笑いながら返されるのは、どうしてもがまんできませんでした。
数ヶ月耐えましたが、どうにも住みづらくてこのアパートも出ることにしました。
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ランドリーつきの家をようやく見つけました
イタリアで見つけた3件目の家が、現在住んでいるアパートです。2件目と同じ、フィレンツェ市内にあります。
このときは3度目の家探しでした。洗濯機とバルコニーがあるかどうかのチェックだけは、決してもう忘れないつもりです。
「生活設備は完備」と書かれていた入居者募集の告示を見つけ、アポをとってさっそく下見をすることになりました。
玄関から中をのぞいたときにすぐに見えたのです。待望の洗濯機が、キッチンの片隅に置かれているのが、はっきりと。
近寄って確認すると、多少古びているけれど問題なく使えそうなランドリーでした。ここで第1チェック項目はクリアしました。
屋内をひととおり見て、最後にバルコニーを見せてもらいました。バルコニーというよりは、キッチンから直接出られるテラスという感じです。それもすごく広いテラスでした。
ありがたいことに、衣類を干すためのロープもきちんとかかっています。
洗濯機と同じでアパート自体もかなり古い物件でしたが、ひとまず問題なく住めそうな家です。このときの私は、前の家のオーナーと乾燥機の問題に疲れ果てていました。
チェック項目を2つともクリアしたとき、ほとんど即決というべき速さでここへの入居を決めたのです。
とても使い方が難しい・・・
ようやく自分のアパートで自由に服を洗えるようになりました。しかし「よし洗うぞ」というときになって、ようやくあることに私は気づきます。
この家では、ランドリーの上に電気コンロが直接置かれているのです。コンロ台として洗濯機を代用しているといえばいいでしょうか。
脱水のときには洗濯機自体もかなり振動するはずです。コンロが万一振り落とされると困ります。念のため、コンセントはあらかじめ外して横へどけてから衣類を洗い始めました。
心配したとおり、ものすごい脱水の振動です。
しかもこの洗濯機、自分自身の振動の力で「歩く」のです。
脱水が完了したときには、こんな感じになっています。
滑り止めの布やシリコンシートを下に敷いてみましたが、歩くのを止めることはできませんでした。試行錯誤をするうち、どうやら洗うものの量が少ないと、歩く距離も伸びるらしいとわかったのです。
それ以来、洗濯物をできるだけギュウギュウに押し込んで、重くしてから洗うようにしています。
この国には、とても難しい洗濯機があるのです。
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