
自動車保険の更新は一年に一度あります。保険会社から更新案内を受けとっても、「まだ先だから」と気にもせず、放っておいたらいつの間にか満期を過ぎていた、などというケースもたまにあるようです。保険料の支払い方法はいろいろですが、自分で振り込む方法を取られている方の場合、うっかり払い込みを忘れてしまうこともあるでしょう。
自動車保険には、ノンフリート等級制度というものがあり、事故を起こさなければ、年々保険料が安くなる仕組みです。これは、満期日までに保険契約を継続することで、引き継いでいかれるものなので、更新を忘れてしまうと、また「6等級」からスタートし直しです。こんなときにはどうしたら良いのでしょうか?
満期日から7日以内であれば、等級はそのまま使えます
ノンフリート等級は、満期日を過ぎても7日以内であればそのまま継承ができます。「7日」とは翌日から起算してということですので、満期日がその月の「1日」であれば、「8日」までということになります。それ以降に契約する場合には、等級の継承はできません。「6等級」からのスタートとなります。
ただし、初めて保険に加入する人に適用される「6等級」とは若干異なり、「6F等級」というもので、通常は10%割引の料率です。
やむを得ない事情できないときは?
保険会社によっては、やむを得ない事情で更新できなかった場合の救済措置を設けているところがあります。会社により対応には差がありますし、まったく受け付けないというところもあります。個別対応ですので、万が一更新漏れをしてしまった場合には、直接保険会社に問い合わせをすると良いでしょう。
ただし、「うっかり忘れた」というような理由の場合、認められることはありません。ご本人ではなく「代理店が忘れた」というケースであったとしても認められる可能性はほとんどありません。代理店のせいである場合には、保険会社に責任を問えるケースでなければ難しいでしょう。
例えば、一人暮らしの方が急に重篤な病気となり、更新の案内を受け取ることも、契約手続きをすることもできなかったようなケースなら、相談の余地があるかも知れません。
「うっかり」を防ぐためには?
自動車保険の更新を忘れていることにより、取り返しのつかないことになるケースもあります。うっかり更新を忘れてしまっている間に、運悪く事故を起こしてしまった場合です。等級そのものは7日以内であれば継承できるので問題ありませんが、事故の場合の補償は、満期を1分でも過ぎれば適用されなくなります。
満期日の翌日に事故を起こしてしまった場合には、相手に対する賠償はすべて自己負担となります。これに関しては保険会社が救済してくれる可能性はまったくありません。
なお、自動車保険の満期は、普通は満期日当日の午後4時までとなっています。例えば1日が満期の場合、1日の午後4時以降の事故は補償されません。満期日の管理にはくれぐれも注意しましょう。
更新忘れを防ぐためには、銀行口座から保険料が引き落とされる自動更新などの仕組みを利用すると良いでしょう。数年分を一括で支払う「長期一括払い」の制度を利用するのも一つの方法です。
比較サイトなどを利用して少しでも安いプランを探しましょう
せっかく安全運転を心がけて無事故で通し、高い「等級」を獲得したのに、ちょっとしたうっかりミスで無駄にしてしまったとすれば、とても残念なことでしょう。また、「6等級」から始めなければなりませんので、保険料はこれまでよりも高くなることは覚悟しなければなりません。
そんなとき、少しでも損失を小さくおさえるためにできることのひとつは、できる限り安いプランを探すことでしょう。比較サイトなどを活用して、保険料の安い会社を探すことで、更新忘れによる保険料アップの被害を最小限におさえられます。
かつて自動車保険の料金はどこの会社でも一律でしたが、いまは会社によって大きな差があります。保険料を比較してから加入するのは、いまや常識といえるかもしれません。
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