
自動車保険料は料率の「等級」が大きくなればなるほど、保険料が安くなる仕組みです。長年優良ドライバーとして無事故で過ごしていれば、最高の20等級にまで達し、割引率は60%程度まで上がります。
一方、若い人が免許を取得し、初めて保険に加入する際には6等級からのスタートとなります。20才以下の方であれば、一番保険料の高い「全年齢担保」の条件で加入せざるを得ません。
等級が低い上に、ベースとなる保険料も高いので、かなり高額となってしまいます。こんなときには、父親など同居の家族の自動車保険の等級を引き継いで契約すると、お得になるケースがあります。料率等級は同居の家族同士なら引き継ぐことができるのです。
掛け金がお得になる仕組み
例えば、20等級の父親が「30才未満不担保」で自動車保険に加入しているとします。保険料はかなり安い金額になっているはずです。
そこに、20才の息子が免許を取得して車を購入し、新たに自分で自動車保険に加入するケースを想定します。普通に契約すれば、20才の息子はかなり高い保険料を支払わなければなりません。
そこで、父親の20等級を利用できれば、保険料は半額ほどにすることができます。父親は新たに保険に入らなければならなくなりますが、「30才未満不担保」での新規加入なら、それほど高くはなりません。
ただし、この場合、息子は父親の車に乗らないことが前提です。もし、息子がどちらの車にも乗るのであれば、父親の新規契約も「全年齢」にしなければならなくなり、あまり差はつきません。
また、父親の自動車の車両クラスが高く息子の車は低い場合には、メリットが出ないケースもあり得ます。
どちらがお得なのかは、ケースバイケースですので、家族同士で引き継ぐ場合としない場合との両方の見積もりを取って比較すると良いでしょう。
引き継ぐことの出来るケース
家族同士で等級を引き継ぐことができるのは、次の場合です。
・契約者から、その配偶者へ(内縁の妻でも大丈夫です)
・契約者の同居の親族
・配偶者の同居の親族
子どもや祖父母などは親族に含まれますが、等級を引き継ぐことができるのはあくまでも同居が条件です。子どもであっても親と一緒に暮らしていなければ引き継ぐことは出来ません。「下宿している大学生の息子」など別居の未婚の子へ引き継ぐことは出来ません。
もし、親元を離れる予定があるのであれば、同居している間に名義を変更しておくと良いでしょう。同様に、配偶者の親族なども同居している人に限られます。おじいさんが孫に譲るということもできますが、「同居の孫」に限られます。
なお、「親族」とは、一般的には「6親等内の血族と3親等内の姻族」を指します。「血族」とは法律上の「血縁関係」がある者、「姻族」とは配偶者の血縁関係者のことです。自分の祖父母は「血族」、配偶者の祖父母は「姻族」となります。
簡単な手続きでできます
家族で等級を引き継ぐためには、保険会社もしくは代理店に契約者の変更を申し出るだけです。車の入れ替えも同時に行ないます。保険料の差額が発生しますので、追徴もしくは返戻となります。
乗らなくなった親から子にも譲れてお得です
家族で2台の車を持っていて、1台は父親がもう1台は息子の名義で自動車保険に加入している場合、父親が車に乗らなくなったときには、息子に譲るとお得になるケースがあります。
例えば父親が20等級で、息子は8等級という場合には、父親の20等級を息子に引継ぎ、息子の保険契約は解約するのです。
父親の方が上の等級の場合にだけ使える方法ですが、割引率の差の分だけ保険料が安くなります。父親が長年安全運転をして到達した20等級を捨てずに済むことになります。
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