自動車保険料を翌年に持ち越しできる商品とは?

自動車保険料が翌年に持ち越しできるとしたら、これはお得ですよね。

一般に自動車保険料というものは保険期間に対して発生するものですので、今年の分として支払った保険料はあくまでも今年の分でしかありません。ですから、次の年の金額に影響することはないのが普通です。

しかし、掛け金の計算の基礎となった予想年間走行距離よりも実際に走った距離が短かった場合に翌年の保険料を安くしてくれる保険会社があります。

他にはないユニークな繰り越し制度

厳密には完全な繰り越しではないのですが、あまった分が翌年に回せるのはありがたい話です。この制度を導入しているのは「保険料は走る分だけ!」でおなじみのソニー損保です

ソニー損保の自動車保険は、年間走行距離を7つの区分にわけて保険料算出に反映しています。その7つとは以下のとおりです。

・3000km以下
・5000km以下
・7000km以下
・9000km以下
・11000km以下
・16000km以下
・無制限

ちなみに、ソニー損保の案内によると、目安として3000km以下は「あまり乗らない」ケースで、5000kmになると買い物などの街乗りが中心、そして通勤や旅行に使用するとなるとその上の区分になるようです。

16000kmを365で割ると約43.8kmですから家庭用の車だと無制限の区分は気にしなくてよいかもしれません。通勤に使用したとしても休日がありますので、休みの日もドライブしまくる人向けの区分ですね。

あまった距離が1000km以上なら次の契約時に割引

ソニー損保の「くりこし割引」が適用されるのは、実際の走行距離が契約した予想年間走行距離の区分の上限よりも1000km以上少なかったときです。ここは重要なので注意してください。

たとえば、年間走行距離を6000kmと予想した場合は、7段階の区分にあてはめると7000km以下の契約距離区分となります。ですので、その年に実際に走った距離が契約上限の7000kmよりも1000km以上少ない6000km以下であれば「くりこし割引」の対象となるのです。

仮に、6100km走っていたとすればあまりは900kmしかありませんので翌年には持ち越せません。だからといって無理やり運転するのはおかしな話です。もったいないですが仕方ありませんのであきらめましょう。

距離以外に満たすべき条件はこちら

距離以外に満たすべき条件はこちら
くりこし割引の適用を受けるためには、次の5つの条件を満たす必要もあります。

①前年の契約の保険期間が1年であったこと。
②前年の契約および継続契約の申込書等に、申込日の積算距離計の数値が記載されたこと。
③前年の契約の「走った距離」が、16,000km以下であったこと。
④前年の契約で、使用目的および契約距離区分に関する変更が行われなかったこと。
⑤前年の契約および継続契約の使用目的が主に家庭用であること。
(ソニー損保ホームページ・自動車保険重要事項説明書14ページより引用)

①についてはほとんどの人が問題ないでしょう。
②については、年間走行距離が前提の契約ですから当然のことです。
③16000kmを超えるということは無制限区分の距離です。つまり「あまった距離」がでるのは前年契約が無制限の場合だけです。ソニー損保では、無制限契約の場合は上限に17000kmを当てて計算しますので、1000km以上あまるのは実走行が16000km以下の場合となります。
④ここは引っかかる人が若干でそうな部分です。使用目的の変更はそんなにないでしょうが、予想走行距離の見込みが甘いと契約距離区分の変更をすることになりかねません。
⑤これもほとんど大丈夫でしょう。

5つも条件があるとはいっても、この内容なら1000km以上あまっていればほとんどが「くりこし割引」を受けられそうです。

年間走行距離で掛け金が変わる自動車保険は予想距離の設定が重要になります。多めに予想しすぎての大損が心配です。しかし、「くりこし割引」があればひと安心といえます。欲をいえば、あまった分を返金してくれればいうことはないのですが、そこまでは対応していません。

※とくに断りがない場合、各社の保険内容は始期が2014年4月1日以降のもので、各社の情報は公式サイトに基づいています。

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