
マイカーでのゴルフ。上司や同僚、時にはお得意様を乗せてゆくことがある。そんな人は搭乗者傷害保険を特約しておいた方が安心です。たとえば接待ゴルフなど、どう考えても仕事にしか思えない状況であっても、会社の休日に自家用車で出かければ、損保会社からはレジャーと見なされて当然です。
搭乗者傷害特約は車に人を乗せる機会が多い人におすすめの保険です。
どんな時に補償される?
任意自動車保険の契約対象になっている車が事故を起こして、一緒に乗っていた人が(ドライバーも含みます)怪我をしたり、後遺症が残ってしまったり、死んでしまったりしたときに支払いが発生するのが搭乗者傷害保険です。
加入するメリット
契約している人ではなく車自体が契約の対象になっていますから、ドライバーはもちろん、助手席、後部座席の区別なくその車に乗っている人全員が補償の対象になります。ですから、人に車を貸す機会がよくある方や車に人を乗せることが多いなら入っていて損はありません。
例えば、ブレーキ操作を誤って停車中の車の後ろからぶつけてしまい搭乗していた知人がむち打ち症になってしまったというような、自分に100%の過失がある場合でも過失の度合いに関係なく補償金が支払われます。
逆に相手が100%悪い事故で、こちらには損害賠償する責任が一切無い場合でも適用されます。相手の保険からいくら賠償金が出ようが、加入している自賠責保険が適用されようがそれとは関係なく契約した金額をややこしい手続き無しに支払ってくれるので安心です。
搭乗者傷害保険が適用されるような事故を起こしてしまったとき、巻き込まれてしまったときは示談がまとまらなくてもまずは自分の損保会社に保険金を請求しましょう。
人身傷害保険との違いは何?
搭乗者傷害保険とよく似た特約が人身傷害保険特約です。ふたつとも、契約している自動車に乗っていた人全員に適用される点は同じです。
後者は、契約している本人とその家族ついては、契約していない車に乗っていて事故に遭って損害を受けた場合や、歩いているとき、自転車に乗っているときの交通事故でも対象になります。
一番の違いは、搭乗者傷害保険が「定額払い」であることに対して、人身傷害保険は「実損払い」であることです。
定額払いは支払われる金額を契約時に決めてしまいます。その限度額の中で規定の金額が支払われます。
実損払いは、契約した上限金額の中で、損害賠償に実際に必要だった金額が支払われるのです。
両方に加入していても、適用のされ方が違いますからそのまま続けていた方がより手厚い補償を手に入れることができます。
支払われ方は2種類ある
搭乗者傷害保険には2種類の支払い方法があります。「日数払い」と「部位症状払い」です。
日数払いは、入院や通院にかかった日数分の保険金が日割り計算で支払われます。ただし実際に病院にかかっていた期間ではなく、通常生活に戻れるまで回復する時点までと規約している会社が多いので、まだ通院していても仕事に復帰していればその時点で支払いを打ち切られてしまう場合もあります。
部位症状払いは、損傷を受けた体の場所ごとに決められた保険金が支払われます。首ならいくら、腕ならいくらと金額はハッキリしているのですが、治療にかかる期間が違っても決められた金額が支払われてしまえば、もし治療が長引いたとしてもその後は補償されません。
保険金が支払われない場合がある
他の特約に比べると、比較的簡単に支払いに応じてくれる搭乗者傷害保険ですが、支払いに応じてくれない場合もあります。
「正規の乗用車構造装置のある場所に搭乗中のもの」でなくては対象にならないという規約がありますから、座席を違法改造した車や、トッラクの荷台といった搭乗席ではない場所に乗っていたり、暴走族がよくやっているいわゆる「箱乗り」のような乗り方をしていた場合は保険の適用外になってしまいます。
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