特約の中でもメリットの大きかった等級プロテクトはなぜ廃止された?

自動車保険に入る際に必ずといっていいほど重要になってくるのが「等級」というものです。保険に加入する契約者のリスクを客観的に数値化したもので、数値が大きいほど「優良運転者」とみなされます。

保険加入後、事故をずっと起こさなければどんどん等級はあがり保険料もお安くなるのですが、一度でも事故があると一気に下がってしまうという特徴があります。

過去には「等級プロテクト」という特約もありましたが、現在は廃止となっています。等級とはなんなのか、なぜメリットの大きい特約は消えたのか簡単にご説明をしていきます。

安全運転を続けることで割安に

等級とは保険会社が契約者のリスクを数値化したものです。すべての自動車保険会社共通の基準となっていますので、非常に客観的で合理的な基準といえます。自分の等級を把握しておけば、保険料のおおよその目安がつくというメリットもあります。

等級は最低値の1から最大20まで分類されています。1~3までは保険料が基本よりも割り増しとなり、4は据え置き、5以上は10%~60%の割引を受けられます。車を初めて購入し、最初に保険に加入する際には6等級からのスタートとなります。つまり最初から10%保険料が割り引かれるというわけです。

1年間無事故であった場合、等級は1つあがります。保険初加入から10年無事故であるならば、16等級となり58%もの割引を受けられるようになります。半額になればかなり負担は減ります。ぜひ無事故を目指していきましょう。

会社を変えたときはどうなるのか?

ライフスタイルの変化やさまざまなタイミングによって保険会社を見直すときがあるかもしれません。そうした場合、等級はどうなるのでしょうか。基本的にそのまま受け継がれていきます。

たとえばA社で10等級だったのであれば、翌年B社に変更したときには11等級となります。保険の内容が変わっても、等級のシステムは変更なしというわけです。

事故が起きると大きなデメリットがある

1年間無事故であれば上がっていく等級ですが、もし事故を起こしてしまった場合はどうなるのでしょうか。リスクを数値化したものですから、とうぜん「等級のダウン」が起こります。

格下げ率はかなり高く、1回の事故でも一気に3等級も下がってしまうことになります。つまり初回6等級の時点で事故を起こせば、翌年は3等級となり保険料が基本よりも割り増しとなってしまうのです。

初回で事故を起こしても、連続無事故記録を持っていてもどんな場合でも事故が起きれば一気に下がってしまうもの。長年安全運転をしている人ほど「損をした」感じを受けるかもしれませんね。

人気の等級プロテクトについて

せっかく積み上げてきた等級を落としたくない、というドライバーに人気があったのが「等級プロテクト」というものでした。かんたんに説明すると、事故を起こしてしまったとしても特約をつけておけば「等級がダウンしない」というもの。

翌年に上がるということはありませんが、一気に3つも下がるというリスクもないというサービスです。しかし残念なことに等級プロテクト特約は2013年10月の自動車保険の改定があり、全社一斉に廃止しております。契約上、期間が残っている方のみ適応され、新規での受け付けは現在どこも行っていません。

儲からなかったからなくなった?

等級プロテクトが廃止された理由はいろいろとありますが、大まかにいえば「保険会社が損をするケースが増えた」点にあります。

保険会社に頼らなかったような小さな事故でも、プロテクトされているからと気軽に保険請求をするケースが増えてしまったのです。ユーザーにとってはありがたい特約ではありましたが、会社としては難しいものだったのでしょう。

こうしたメリットの大きい特約がなくなってしまったことは残念ではありますが、自動車保険というものは常に進化をしています。現在では無事故であればあるほど等級のメリットが大きくなるといった流れになっています。

等級ばかりに気を取られることなく、安全運転をしていけば、より恩恵を受けられるサービスもどんどん増えていますので、そちらを目指す方が良いかと思います。

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