
自動車保険を検討しているとPAP・BAP・SAPという単語を目にすることがあります。しかし、損保会社のパンフレットやホームページを見ても何を意味する言葉なのかがハッキリしないという人も多いでしょう。じつは、これらは任意保険の種類をあらわす言葉であり、その違いは補償内容です。
補償内容が違う!英文にしたときの頭文字だった
PAPとはパッケージ・オートモービル・ポリシーの英文頭文字
BAPとはベーシック・オートモービル・ポリシーの英文頭文字
SAPとはスペシャル・オートモービル・ポリシーの英文頭文字
つまり、オートモービル・ポリシーのランクのようなものです。では、オートモービル・ポリシーとはなんでしょうか?
オートモービルとは自動車のことですね。ポリシーは政策とか方針のことですが、この場合は自動車保険の組み合わせのことです。セット内容ですね。どの補償を詰め込むか詰め込まないのかという政策であり方針であるといえるでしょう。かんたんにいえば、任意保険を3種類の呼び方にわけたものです。
基本的な保険で掛け金が安い
ベーシックですからまさに基本中の基本で、パッケージされていない一般的な商品がBAPです。ほかよりも掛け金が安いことはいうまでもありませんから、掛け金をおさえたい人には役に立つ保険です。
BAPでは自分で基本となる補償を選びます。選択対象は、対物賠償・対人賠償・車両保険の3つですが、普通は一番重要な対人賠償保険を選ぶところです。
BAPの特徴としては、事故発生時の示談交渉が付いていないことがあげられます。テレビのコマーシャルなどで、事故の時に損保会社が示談交渉をやってくれて助かったという話がありますが、BAPにはこの便利でありがたいサービスがないのです。自己責任でやってください。
BAPには安い以外にも良い点があります。それは、販売用自動車も補償対象であり、ほとんどの用途・車種の車が入れるところです。
一般的に必要な保険がパッケージになったもの
その名のとおり各種補償をパッケージにしたのが自動車総合保険PAPです。
入っているのは対物賠償・対人賠償・搭乗者傷害・自損事故・無保険車傷害保険ですが、オプションで車両保険を付けることができます。
BAPにはなかった事故の示談交渉が付いています。ただし、人身事故がほとんどで、物損事故の示談交渉も入れている損保会社は少数です。
スペシャルな補償の詰め合わせ
自家用自動車総合保険であるSAPに入っているのはPAPの標準装備とオプションの両方です。早い話が、PAPではあと付けだった車両保険がはじめからセットされているのです。さらに、SAPでは物損事故の示談交渉もセットされています。
SAPの対象となるのは、普通乗用車・小型乗用車・軽四輪乗用車・小型貨物車・軽四輪貨物車です。
現在、自動車保険に入ろうとすると、対人無制限から始まり対物はいくらで人身傷害はいくらというようにメニューを選択する形になるのが通例となっています。
これは損保会社が自由度のないセットものから、顧客の希望に沿う商品へ移行しているためと考えられます。あつかっていない商品ですので、各社のホームページでPAP・BAP・SAP名称がでてこないもの当然といえます。
しかし、実際のところはいまの商品もおおよそSAPの契約内容をある程度の幅でカスタマイズしたものともいえるでしょう。車両保険を付けない場合はPAPのカスタマイズと考えてよいかも知れません。ですので、結果的にPAP・BAP・SAPと同じような契約になることはあり得ます。
ちなみに、2014年1月現在、例えば朝日火災でPAPという名の商品が発売されていますが、対人賠償・対物賠償・人身傷害・搭乗者傷害・車両保険の5つを組み合わせる内容となっています。
※とくに断りがない場合、各社の保険内容は始期が2014年4月1日以降のもので、各社の情報は公式サイトに基づいています。
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