メシマズ嫁によるありえない絶叫的創作料理~罰ゲームですか?
メシマズ嫁…それは文字通り、とにかく料理が下手な嫁のことを指す言葉です。実は筆者の妻もこのメシマズ嫁だったのです。
このメシマズ嫁にもさまざまなパターンがあります。まだ救いがあるのが料理の経験や知識が不足しているために、うまく料理をすることができないというパターンです。この場合は時間が解決してくれることが期待できます。また、さまざまなレシピを研究するなど、本人の努力によっても解決することができるでしょう。
問題となるのは絶望的に料理のセンスがない、あるいは味覚が常識離れしている、といったパターンです。この場合、どんなに料理の経験を積んだとしても、メシマズから脱却することはできないでしょう。
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筆者の妻は残念ながら後者のパターンのメシマズ嫁でした。ここでは結婚してからの10年間で我が家の食卓に並んだ驚きの料理をご紹介したいと思います。決してマネしないようにしてください。
甘い香りの謎の茶色いスープ
ある日、仕事を終えて帰宅すると、キッチンの方から甘い香りが漂ってきました。もしかすると、甘いモノが好きな筆者のためにケーキでも焼いてくれているのかもしれない、一瞬そんな期待を抱きました。ですが、絶望的に料理のセンスがなく、常人から遠くかけ離れた味覚の持ち主である妻は驚くべき創作料理を作っていました。
部屋で着替えて、リビングへ行くとそこには謎の茶色いスープが置かれていました。大き目の器になみなみと注がれたそれからは甘いチョコレートの香りが漂ってきます。良く見ると中には人参や玉ねぎなどの野菜、そしてブロック状の肉のようなものも見えています。この香りがなければ、ビーフシチューやカレーのように見えないこともありません。
「これは何?」
勇気を出して妻に聞いてみるました。すると、わがメシマズ嫁は自信に満ち溢れた顔でこう言いました。
「チョコレートスープだよ。チョコレート好きのあなたのために挑戦してみたんだ。」
妻の強烈な料理には慣れているつもりでしたが、この言葉には絶句してしまいました。
このチョコレートスープが創作されるまでの過程は恐ろしくて聞くことができませんでした。ですが、おそらくカレーなどにコクを出すための隠し味としてチョコレートを入れる、という話からこのアイデアは生まれたのでしょう。
生煮えの玉ねぎ独特の臭みが....
どんなにマズイ料理でも、一応は愛する妻が筆者のために作ってくれたものです。ですが、これだけは一口でギブアップしてしまいました。口に入れた瞬間はちょっと濃いチョコレートドリンクでしたが、すぐに一緒に煮込まれた玉ねぎの香りが姿を現しました。勇気を出してその玉ねぎを噛んでみると、生煮えの玉ねぎ独特の臭み、そして辛さが強烈な自己主張を始めました。チョコレートと玉ねぎの相性は、はっきり言って最悪です。
妻はかなり苦心してこのチョコレートスープを作ったようで、不機嫌になってしまいましたが、筆者にはこれ以上食べ進めることはできませんでした。
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片栗粉を使わない八宝菜
ある日の食卓に、八宝菜が並んでいました。確かにぱっと見は八宝菜に見えます。ですが、これは恐ろしい方法で作られていました。
妻と一緒に食卓を囲み、その大皿に箸をつけた瞬間、違和感を感じました。通常の八宝菜であれば、柔らかい感触のはずです。なのに、少しザラっとした感触がありました。
何だろう、と思って見てみると材料の野菜や肉の周りに白い結晶のようなものがついています。
そのまま口に運ぶのは危険だと判断した筆者は妻にその白い結晶のようなものを見せながらその正体を聞いてみました。すると妻は
「すこし冷めちゃったから固まっちゃったのかな?中華料理屋さんの八宝菜はどうして冷めてもトロトロなんだろう。不思議だね。」
なんと、妻はメシマズ嫁の本領を発揮して八宝菜のとろみを出すために大量の砂糖を投入していました。まるで片栗粉を入れたかのようにとろみがつくまで大量に入れられた砂糖は冷めると結晶化してしまいます。
まるで罰ゲームのような気持ちに...
かなりの覚悟をして口に入れたつもりでしたが、その味は筆者の想像をはるかに超えていました。周囲の結晶となった砂糖はもはや完全に飴になっていました。強烈な甘味の砂糖の塊をかみ砕くと中から出てきたのは白菜です。飴に包まれた白菜…なぜだか罰ゲームをさせられている気分になってしまいました。
しかし、食べないとわがメシマズ嫁は不機嫌になってしまいます。仕方なくしばらく箸を進めていましたが、あまりの甘さに口の中が痺れたような感覚になってしまいました。そこで、ギブアップです。やっぱり妻は不機嫌になってしまいましたが、これ以上砂糖の塊を食べ続けるのはさすがに不可能でした。
こうして書くと、まるでとんでもない妻のようですが、料理以外のことに関しては何の不満もありません。そこまで酷いのであれば、自分で料理すれば良いじゃないか、ともよく言われますが、妻は決して筆者を台所に立たせてはくれません。メシマズ嫁とはいえ彼女なりのこだわりやプライドがあるようです。
こうして改善策が見つからないまま10年以上も一緒に過ごしてきました。メシがマズくてもなんとかなるようです。
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