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太陽と情熱とアモールの国メキシコ~美しい古都で散った淡い恋

2014.04.17

太陽と情熱とアモールの国メキシコ~美しい古都で散った淡い恋 はコメントを受け付けていません

あなたはメキシコという言葉で何を連想されるでしょうか?辛い料理、アステカ文明、マヤ文明、そしてリゾート地のアカプルコやセレブ御用達のカンクン。

普通のパック旅行ではまず訪れることのないグアナファトという、メキシコやアメリカでは有名なロマンチックな都市があります。そんな絵に描いたように美しい街で、いまだに色あせない思い出があります。

02▲山間のコロニアル調の小さな街です

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カジェホンデルベソと呼ばれる「キスの小路」で有名な街

03▲手作り感がいい味を出しています

私自身11年を過ごしたメキシコですが、その間にこの街を何度訪れたでしょうか?メキシコシティーから車で数時間、そこは別世界の中世の香りが漂っています。

この街を有名にしたのは密集した家々の間をぬうように作られた、細い道です。家々の距離が近すぎて、「隣同士に住んでいるカップルがキスできる」そんなロマンチックな物語がこの街の風物詩です。

04▲隣との距離はこんなに近い!~ロマンチックですね

今ではアメリカからの観光客でにぎわう、メキシコの小京都のようになってしまいましたが、私が住んでいた頃はとても静かな街でした。

私にとっては第二の故郷と言ってもいいくらい、長い期間を過ごした地でもあります。

メキシコに住んで数年後、偶然訪れたこの小さな街である家族と知り合いました。メキシコ人はフレンドリーなうえに親日的ですので、簡単に友達は作れます。

もともとメキシコでは大家族が普通ですが、なんとそのファミリーは6姉妹!はい、全員女性です。

さらに姪っ子やらいろいろ、とにかく女系家族でした。

自分が好きな相手に好かれるとは限りません~グッチのジレンマ

 
その家族と知り合ってからは、時間のゆるす限りひんぱんにグアナファトを訪れるようになっていた私でした。だってお父さん以外は全員女性です。

一応私も男の端くれですので、実はその中にお気に入りの子がいたわけです。

今でも覚えていますが一番上のお姉さんがマリア、もともと彼女と最初に知り合って、家族というか6姉妹とも友達になりました。食事もほとんどそこでご馳走になり、そこから長い付き合いが始まったしだいです。

実はそのお姉さんのマリア、どうも私のことが好きだったようですが、私的には妹のうちの一人ルペという子に淡い恋心をいだいていました。

ところがドラマではありませんので、こういうことはうまく進まないのが現実ですよね。

妹は姉に気を使い、私の気持ちを知りつつもいつも一歩引いて私と接します。私もマリアを無視することなどできませんので、出かけるときは常にお姉さんも同伴となってしまいます。

この家族は大好きでしたので、私情で勝手な行動をして、誰かを悲しませるのも絶対に避けたいと思っていました。

ストレートに感情をぶつけるのはメキシコに限らず、ラテン系であればごく普通のことです。ところがこの家族に限っては、私と家族の付き合いというスタンスをくずすことを、全員が恐れていたようです。

そんな付き合いをしているうちに2年があっという間に過ぎてしまいました。その時は本気でメキシコに永住することまで考えていた頃です。

当時の私は某大手商社のサラリーマンでしたが、会社を辞める覚悟までしかけていました。

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帰国の決意を固めた私~さよならは結局・・・

05▲私の中で彼女たちは永遠に若い6姉妹です~思い出は年を取りません

もしあの時にルペに本心を伝えていたら、きっとマリアも含め全家族は歓迎してくれたでしょう。いまでも全姉妹の顔は一人づつはっきりと覚えています。時の流れに「たら」や「れば」はありません、ただ無情に過ぎていくだけです。

人生には分岐点となるポイントはたくさんあります。その選択をするのは自分しかいませんし、一つの道を選べば先の人生のすべてが変わってきます。

もしあの時メキシコに残る決意をしていれば、今頃はきっとグアナファトでのんびり暮らしていたでしょうね。

そんなタイミングで帰国するか、メキシコに留まるか、したくない選択をしなくてはならない時がとうとう訪れてしまいました。うちの母親の事情など、いろんな複雑なことが重なって起こってしまったんです。

最終的に私が選んだのは「帰国」でした。それからの半年、いつ別れを告げようかと思いながら何度もグアナファトを訪れました。

06▲まるで中世から時計が止まったような、ロマンチックな町並みです

でもね、結局言えなかったんです。

男らしくない?そうですよね。それ以前に人として、とまで考えてしまうのが普通です。礼儀正しいと尊敬されている日本人として、私は失格でしたね。

多すぎる思い出があればあるほど、言い出すことが出来なくなってしまいました。
「もう一度来るから次に言おう」そんな自分に対する言い訳をしながら・・・

ほとんど家族同然の付き合いをしていた人たちを、まるで裏切ってしまったような罪悪感は今ですら持っています。

帰国の飛行機の中で何度「ゴメン」と言ったか覚えてないくらいです。決して届くはずのないゴメンなんて意味はありませんよね。もし日本人に対するイメージが変わったとしたら、そのきっかけは私だったかも知れません。

またいつかメキシコの地は絶対に踏むつもりです

07

なんだか書いているうちに話が別のほうに行ってしまいました。すみません。

私自身、ここ数年の間毎年4~5回アメリカを訪れています。メキシコの地も何度か踏みました。でもグナファトには行っていません、人生の思い出の1ページとして大事にしまっておきたいからです。

もしあなたがアメリカの西海岸まで旅行されるのなら、ぜひメキシコを訪れてみてください。

そして時間があれば、グアナファトまで足を延ばしてみましょう。本当にロマチックで安らげる場所がそこにはあります。

文・床田仁グッチ

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