メキシコのアステカ文明ピラミッドを500回以上も訪ねた私は何者?
メキシコの首都メキシコシティーの人口は、2000万人を超えています。これは世界でもベストテンに入る人口ですが、意外に知られていません。
そんなメキシコシティーから50キロの距離に、アステカ文明が誇る遺産テオティワカンのピラミッドがあります。
そのピラミッドを訪問すること軽く500回を超えていますが、決して私は遺跡マニアでも何でもありません。そこにはふか~い理由がございます。
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某大手商社マンのウィークエンドのお仕事といえば・・・
▲オフィスはもちろん超一等地にございます
その当時の私は、誰もが知っている某財閥系の商社マンでした。オフィスはメキシコシティーの一等地、家賃やメイドさんは会社持ち、高地休暇あり、いかにもプチセレブ生活の匂いがしますが、実態は悲惨なものでした。
私がいたMのような大きな会社では、毎週のように日本から「視察」という名目で、いろんな会社の方がお見えになります。一応「表敬訪問」という便利な言葉を使って、週末をはさんでリゾート観光に来られるわけです。
当然私のような下っ端は週末返上で、観光される皆様の通訳兼ガイドとして朝から晩まで働き蜂のようにアテンドをさせられます。その中でお約束の観光スポットが、この世界遺産なわけです。
▲手前が月のピラミッド、そして奥が太陽のピラミッドです
もちろん初めての方に取っては貴重な体験ですが、私など振り返って計算してみますと・・・。
ほとんど週二回ですから、1か月で8回X12ヶ月で1年ですね。およそ年間100回行くわけです。
それでも月に二日ほどは休めますので、仮に年間80ピラミッド(もうそういう単位で勝手に呼びます!)とします。それを8年近く続けましたので80X8で何と640ピラミッドになります!
貫いた男グッチのポリシー、案内はしますが決して石段はもう上りません
▲このようにピラミッドは上ることができます
このピラミッド、高さはおよそ65メートルあります。最初の頃は「お付き合い」で一緒に上まで登っていましたが、1年でやめました。
はっきりいいますが、毎回石段を上るのが「アホラシク」なってしまったのです。世界遺産に対して「アホラシイ」とは失礼かもしれませんが、さすがに100ピラミッドを越えれば、もうごちそうさまですよね。
メキシコシティーからおよそ50キロ、ドライブには持ってこいの距離すね~。でも会社のドライバーは週末は休みますので、「運転手はボクだ~♪」となるわけでございます。
男芸者とはよく言えてますね~帰りはお約束のみやげもの
▲ピラミッドの傍には数多くのおみやげ屋さんがズラリです
さて帰りはといいますと、これもお約束で必ず寄らなくてはいけないのが、このようなおみやげのお店です。
ワタシは観光ガイドを本職にしていると、お店の人にはとうに勘違いされています。当たり前ですよね、毎週のようにお客を連れてくるわけですから。
ガイドを本職にしている方々は、お店からおよそ買い物総額の20%ほどのキックバック(コミッション)を受け取ります。ところが私は立場上、それを受け取ることは許されません。
大体3~5人のグループを案内しますが、みなさんここぞとばかりに平均4~5万円の買い物をされます。ということはですよ、もし私が観光ガイドが本職なら合計20万の二割ですから4万円を受け取れるわけですね。
年間100ピラミッドX4万円ですから、約400万円の収入を放棄するというステキな計算になります。いつも計算しないようにしていましたが、大きいですねこの金額。
さらに店の人からすればキックバックを受け取らない、など信じられないという顔をいつもされてしまいます。はっきりいって「アホ」だと思われていたに違いありません。
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そして日は暮れますがワタシはまだまだ帰れません
そして夕暮れがせまり、ようやくメキシコシティーに戻ってきます。もうこの時点でワタシの電池はほとんど切れていますが、これから「ディナー」というステキな仕事が始まります。
メキシコの観光客用のレストランといえば、生演奏のマリアッチがつきます。見てる分にはいいのですが、物凄い声量、さらに管楽器などが入るとはっきり言って「けたたましい」音量となります。
それを食事中の至近距離で「ブチカマシ」攻撃されるわけですね、はい。もう食事どころの騒ぎではありません。
▲50デシベルははるかに超えていると思います
そうですそうです、その前にメニューを説明するのですが、みなさん初めての方ばかりなので口頭で味を説明するのは至難の技です。「メキシコ料理ってタコス」と思われる方が多いですが、あれはメインではありません。
もうこのあたりはテキトーに聞いているふりをして、めんどうですので多めの種類の食事を勝手に注文してしまいます。どうせ残すので、これが一番楽だと学習したわけです。
メニューも何十種類とありますので、もう残しても何でもいいから適当に説明して、勝手に注文しちゃいます。これも学習した方法です。そうしないと完全に収集がつかなくなってしまいます。
▲どう説明すればいいんでしょうね
メキシコの夜は更けて~さらに続くメキシカンな宴
ようやく長かったディナータイムも終了。これでホテルに送って・・・いえいえ、ここからがみなさんにとってのメインイベントです。
もうこの時点で夜の10時過ぎ、朝は8時から動いていますのでワタシの活動限界は、はるかにオーバーしております。
ここまで商社マンの一日を紹介しております。はい、間違いありません。だってこれが仕事ですからね。
ここでようやくメインイベントの開始です。
▲お待ちかね、ですね、みなさん
ワタシはその間、ただ待っています。みなさんお元気ですので、深夜までひたすら待つことにいたします。
それではお休みなさい、ブエナスノーチェスBUENAS NOCHES!
文・床田仁グッチ
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