ブラジルでワールドカップの開催を喜んでいない人がいるのはなぜ?
サッカーに興味がない人でも一度は聞いたこともある「FIFAワールドカップ」。
このFIFAワールドカップはオリンピックと同じく4年に1度開催され、この期間は世界中がサッカー一色に染まって大熱狂の渦に巻き込まれます。
2014年ワールドカップ開催!祝賀ムードの一方で・・・
2014年6月12日から7月13日にかけて行われるFIFAワールドカップの開催国はブラジルに決定し、ブラジルの首都サンパウロやカーニバルで有名なリオデジャネイロを中心に、ブラジル全土から歓喜の声が集まりました。
しかし喜んだのもつかの間、各地で反FIFAワールドカップ運動やデモが起こったり、中には最初から喜んでいない人たちが中止を訴えるなど深刻な一面も出てきているのです。
スポンサーリンク
サンパウロに点在するスラムとその生活
ブラジルの首都サンパウロは経済発展の著しい都市であり、南半球最大のメガシティとしても知られています。
最新のファッションに身を包んだ人が行き交い高級レストランで食事をしているかと思えば、ファヴェーラと呼ばれるスラムが点在し、リオデジャネイロの子供の4人に1人はファヴェーラに住むといわれるほどです。地方には小学校さえないような地域もありますし、麻薬や殺人など情勢の不安定な場所もたくさん存在します。
高学歴でなければ職に就くことも難しく、バスの運賃が10円上がっただけでも大規模なデモが発生するほど深刻な状態でもあるんですね。
貧富の差が激しいブラジル国民の怒り
FIFAワールドカップが開催されるとなると、開催地として選ばれた12都市の都市開発、整備、警備などに巨額の国費が必要になってきますし、リオデジャネイロのアントニオ・カルロス・ジョビン国際空港ではターミナルの改修工事まで行われるといいます。
これに国民の怒りはピークに達し、「我々の生活はFIFAワールドカップ以下なのか!国民がもっと快適に暮らせるように他に国費を使う道があるだろう!」と何度もデモが起こり、私のブラジル人の友人も参加しているといいます。
もちろん開催国として選ばれた喜びはあると思いますが、こういった知られざる裏側の面もきちんと世の中に配信されるのが理想ですね。
スポンサーリンク