中国ではなぜ自動販売機があまり普及しない?~破壊されるからです!
中国にも自動販売機はもちろんありますが、日本ほどは普及していません。それはいったいなぜでしょうか?
ここでは各メディアの調査と、私の留学経験を合わせて、中国の自販機事情について語ります。
中国で自販機が普及しない理由
中国では自販機がほとんど普及していません。もっとも大きな理由は「設置しても破壊されてしまうことが多い」というものです。
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一人あたりの所得も向上し、だいぶ治安がよくなった中国ですが、それでも「大金(と飲み物)が入った自販機を町中に放置する」ということは、やはり相当危険なことなのです。
これは中国に限ったことではなく、海外のほとんどの国では自販機はすぐに破壊されるのが当たり前だと言われています。そのため、日本のあちこちに自販機が設置されているのを見て、多くの外国人はとても驚きます。
■人件費の安さも理由
人件費が年々上がってきたとは言え、中国の人件費はまだ日本とくらべると高くありません。
日本の場合、人を雇ってドリンクを売るより自販機に売らせた方がコストを抑えられますが、中国だと人件費が安いので、人間が売る方がコストがかからないのです。
上海や北京など人件費の上がっている地域では、徐々に自販機が普及し始めています。
独自の進化を遂げる上海の自販機
上海の場合は自販機が普及しているだけではなく、独自の進化を遂げています。
映画などのチケットが買えたり、公共料金の支払いができたり、薬が買えたりなど、日本には見られない商品を扱っていたりします。
薬はともかく「公共料金やチケット」については、日本の場合は自販機といよりはコンビニですね。
コンビニにおいてあるあの機械が町中に設置されたようなものだと思えばいいでしょう。
それにしても、公共料金支払いの自販機が町中に進出しているというのは、かなりの独自進化といえますし、ある意味日本より進んでいる気もします。
■上海で自販機が急増している理由は?
上海は中国の中でも自販機が特に多く見られる都市です。
理由は「日本の文化にもっともアンテナを貼っている都市」ということもあるのですが、「地下街が増えた」ということもあります。
上にも書いた通り、中国で自販機が普及しない理由として「破壊されるから」というものがありますが、地下街なら夜は閉鎖できるため、その心配がないわけです。
また、上海の人は比較的高収入の人が多いので、自販機を破壊するような人が減っているのかも知れません。
■銀聯カードでも買える
上海の自販機は紙幣と硬貨が使えるのはもちろん、銀聯(ぎんれん)カードが使えるものも増えています。
銀聯カードというのは中国で普及しているクレジットカードとデビッドカードを兼ねたものです。
(中国銀聯という会社が管理しているので、こう呼ばれます。日本国内でも「銀聯カードが使えるかどうか」で中国人観光客を呼び込めるかどうかが決まる、といわれています)
【参考記事】
日経トレンディネット「中国最新自動販売機事情上海で激増!」
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双眼鏡の自販機?大学構内にコンドームの自販機も
日本の自販機の場合、ラーメンやお菓子などを売っているものあり、「変わっている」と世界から指摘されています。
しかし、2008年に天津に留学していた私の経験からいうと、少なくとも天津の自動販売機はもっと変わっていました。
たとえば大学付近には「双眼鏡の自販機」がありました。
なぜそのような自販機があるのか謎でしたが、付近にはアダルトグッズの自販機もあったので、何かしらそういう用途を想定しているのだろうな、と友達と推定していました。
中国はこういう方面に対して厳しいと言われていますし、実際に法的にも一応厳しいのですが、その「抑圧」の反動なのか、このような日本では絶対あり得ないものもしばしば目にします)
*ちなみに、大学構内には堂々とコンドームの自販機も設置されていました。その点は、ある意味日本よりおおらかですね。
■ドリンクは常温で出てくる
最近の都市部では冷やした自販機も増えているようですが、中国人は今でも常温でドリンクを飲むのが好きなので、常温の自販機も依然として多いです。
少なくとも08年の天津ではほとんど常温でした。
売っている種類はジュース、お茶、ポカリスエット(ポカリは中国でも大人気です)が多く、コーヒーはほとんどありませんでした。
当時はコーヒー自体が中国人にほとんど普及していませんでした。市内の割とおしゃれなレストランに入った時、かなり不味いコーヒーが出てきて驚いたことがあります。
中華料理は美味しいお店だったので、「見よう見まねでコーヒーを淹れてみた」という感じだったのだと思います。
以上、中国の自販機事情についてご紹介しました。
上海や北京など中国に旅行や仕事で行かれる時には、ぜひ自販機もチェックしてみてください。
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