浣腸はやり方を間違えるととても危険だって知ってましたか?
便秘に悩む人にとっては、浣腸という言葉は身近なものかも知れません。
便を体から排出させるための手段として、一般家庭でも医療現場でも浣腸を行うことは多々あります。
浣腸は飲むタイプの便秘薬よりも即効性があることや、赤ちゃんからご高齢の方まで幅広い年齢の方に使用できるため、病院でもよく使われます。
たとえば、手術前に術前処置として、浣腸して便を出すことを行います。また救急外来でも、腹痛に対して浣腸をし観察することがあります。
しかし、浣腸はやり方を間違えるととても危険なことがあります。
そこで今回は、看護師が日頃、浣腸について注意していることについてご紹介したいと思います。
スポンサーリンク
立位での浣腸は絶対にダメです
便利な浣腸ですが、手技を間違えてしまうと、大変危険な行為となってしまいます。
一番怖いのは、「穿孔」とよばれるものです。「穿孔」というのは、浣腸をする際に薬剤の容器の細い部分が、腸管と接触し、さらにはその腸管壁を傷つけ破ってしまうことです。
その原因は、浣腸をされる方の体位に問題があることが多いようです。日本看護協会の教育でも、立位では行ってはならないとしています。
なぜ、立位での浣腸は危険なのかというと、直腸の形態が変化してしまうことや緊張して直腸が収縮してしまうこと、浣腸の容器の挿入位置が確認しづらいこと、などが挙げられています。
間違った方法で腹膜炎をおこす恐れもある
浣腸を我慢するのであれば便器に近いところの方が都合がいいという理由で、立位で浣腸をしようとした方がいますが、実はこのような方法はとても危険といえます。
もし、穿孔してしまった場合は、どうなるかというと、結果は明白です。便が肛門から出るのではなく、破れた腸管からお腹の中にもれてしまうことになります。
基本的に、お腹の中は腸管以外は非常に清潔ですので、そこに便がもれるということは、腹膜炎をおこすことになります。
事実、私の職場でもこのような事故がありましたし、これからも起こる可能性がありますので、浣腸はより慎重に行いたいものです。
スポンサーリンク