『外車も中古なら安い』の嘘 – 車検・メンテナンス・修理の費用など
中古車を買う時に特に気になるのは「メンテナンスでどれだけの費用と手間がかかるか」でしょう。
特に国産車ではなく外車を買う場合には注意が必要です。
外車も車両自体は、中古なら安いが…
外車や中古車の相場をよく知らない方が初めて中古の外車の価格を見たら、恐らく「意外と安い」と思われるでしょう。
BMWやベンツなどの子供でも知っているような人気ブランドで、その中でも人気のある車種であっても、100万円台で購入できるものが多くあります。
これだったら、国産の車とさほど変わらないのでは、と思うかも知れませんし、実際、車両の価格だけ見たら意外と安いのです。
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ただ、ここには外車ならではの落とし穴があり、大抵の場合、このように安い中古の外車というのは、メンテナンスに費用と手間がかかります。
走っている最中に故障するということもありますし、故障をしなかったとしても、車検の度にどこか不具合が見つかり、その部品の交換のために数十万円の料金を請求されるということもよくあります。
ベンツはBMWより故障率が低い?
外車の中で特に人気の高いメーカーと言えば、やはりメルセデス・ベンツとBMWでしょう。
この二社が比較されることは多いですが、一般的にベンツの方がBMWよりも故障しにくいと言われています。
その理由は、BMWが本来スポーツカー寄りのブランドであるのに対して、ベンツは『社長のベンツはなぜ4ドアなのか?』というタイトルのベストセラーでもよく知られているように、「社長の車」というイメージがあるからです。
実際にはベンツもBMWもそれぞれ車種によってタイプがまったく異なっており、スポーツカー向けのベンツもあれば、社用車に向くようなBMWもあります。
ただ、全体の傾向としては、やはり「フォーマル=ベンツ」「スポーツカー=BMW」という図式は、ある程度当てはまると言えるでしょう。
そうした図式から「ベンツ=壊れにくい」と思われるようになったのか、本当に壊れにくいから、そのように社用車に使われる傾向が強まったのか、どちらが先かはわかりません。
恐らく、相互に影響し合って徐々にそうなっていたのだと思われます。
故障率は、運転の環境による
実は外車の故障率は、走行距離などの単純なデータだけでは決まりません。
同じ走行距離でも、「その車が想定している環境」で走っていたかどうかで、車の寿命はだいぶ変わるのです。
たとえばベンツの場合、長距離をずっと安定して走ることを想定しています。
「高速道路を、ずっと一定のペースで走る」というような走りです。
「信号でちょこまか止まって、その度にエンジンを加熱し直す」というような走りは、ベンツには向いていないのです。
つまり、日本で言うなら北海道などで運転するにはベンツは向いているのですが、東京の都心部などで何度も停止しながら運転するのには、不向きだと言えます。
ベンツというと東京のような都会の人々が多く乗っているイメージがありますが、実際にはああした環境でベンツに乗るというのは、本来の使い方ではないのです。
では、自分がそのような環境に注意してベンツに乗っていればいいのかというと、そうでもありません。
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新車の場合はそれでいいのですが、中古車の場合は「前のオーナー」の問題があります。
自分が環境に注意して乗っていたとしても、前のオーナーが環境を無視した運転をしていたら、やはり早くに壊れてしまうということです。
これについては走行距離と違って一切のデータがないため、調べようがありません。
前のオーナーが知り合いであれば、どういうドライブ(あるいは日常の運転)をしていたか聞き出せば、大体の走行環境が想定できると思いますが、そのように知り合いからベンツを買うということは稀でしょう。
なので、基本的には中古でベンツやその他の外車を買う場合は、「前の走行環境がわからない状態で買う」という、ちょっとしたギャンブルをすることになるのです。
車検が高くなる理由
こうしたさまざまな不具合を抱えている外車なので、車検の時にも交換すべき部分というのが大抵見つかります。
「外車の車検が高い」と言われるのは、この時の「交換の費用」が原因です。
車検の費用自体は、日本の交通法などのルールで決められているものなので、国産車であろうと外車であろうと値段は変わりません。
しかし、交換に必要な部品と、それで交換する時の手数料が、外車の場合は高いのです。
(本当は部品も大して高くないのですが、外車のオーナーであればある程度のお金を出せるだろうという想定から、手数料ともども高く設定されがちなのです)
中古の外車は、このようにメンテナンスの費用と手間が非常にかかります。
冒頭に書いたような車体の安さにつられて購入すると、後々困ることになるので、そこまで計算した上で買うようにしましょう。
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