『外車を経費で買う』の意味は? – 社長のベンツは4ドア&中古
「ベンツやBMWを経費で落とす」といっても、ほとんどの日本人には何のことかわからないでしょう。
「会社のお金で買ってもらえるの?ラッキー!」という勘違いをされる方もいるかも知れません。
ここでは「高級外車を経費で落とす」というのはどういうことなのかを説明します。
そもそも「経費」とは何か?
経費とは「会社のコスト」のことです。
会社は、毎年の決算の時に「売上は○○円でした」「コストは××円でした」「だから利益は△△円でした」という報告をします。
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この「利益は△△円」の部分に「法人税」がかかります。
ということは「利益=0円」に近づけば近づくほど「税金を払わなくていい」ということなのです。
会社は当然、税金を払いたくありません。なので、できるだけ利益を小さく見せようとするんですね。
そのための方法は2通りあり、
1)売上を小さく申告する
→嘘をついたら脱税。基本的に、これは嘘をつくケースが多い。
2)コスト(経費)を大きくする
→これは、本当に使ったのであれば、いくら大きくしてもいい。
ただし、「明らかにおかしい」という使い方は追及される。
というものです。
そして「会社の経費で外車を買う」というのは、この(2)に当たるんですね。
会社の経費で外車を買うと、どう得をするのか?
会社の経費で外車を買っても、実際に乗っているのは社長一人、という場合がほとんどです。
つまり、あれは「社長が得をするため」にやっているわけですが、ここでこんな疑問が出るでしょう。
「そんな回りくどいことしなくても、社長が自分の給料増やして、それで買えばいいんじゃない?」と。
これは正論なのですが、こうすると今度は「社長個人」に税金がかかります。
つまり、「社長の年収」が高くなってしまうので、その分社長が払う所得税が増えるわけです。
たとえば、年収2000万を超えると、大体半分近くが税金で持って行かれます。
年収が多いのを自慢している人は多いですが、実は年収は、「小さい方が得」なんですね。
でも、年収が少なければ当然、自由に買い物ができません。
なので、社長は「会社の経費」で外車などを買うわけです。
「セコい!」と思われるかも知れませんが、これは経営者の特権です。
サラリーマンと社長の金銭的な違いで、一番大きな部分は、実は年収ではないのです。
「会社の経費を自由に使えるかどうか」が一番の違いなのです。
社長のベンツはなぜ4ドアなのか?
このタイトルのベストセラーを知っている方は多いでしょう。
読んではいなくても、タイトルは聞いたことがあるかと思います。
この答えを書いておくと、「2ドアだと会社の経費で落とせないから」です。
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理由は「2ドアなんて派手な車、社用車な訳がないだろう」と税務署に言われてしまうからです(これは当然ですね)。
「4ドアでも、BMWとかはダメなんじゃない?」と言われるかも知れませんが、よほどスポーツカータイプのものでなければ、BMWでも大丈夫です。
色が赤や青など、派手なものだと否認されますが、白、黒、シルバー、グレーあたりなら大丈夫だと言えます。
同じ外車でもランボルギーニはおそらくダメでしょう。アウディも際どいかも知れません。基本的に「娯楽性が高い」と思われるものほど、否認、あるいは一部否認(半額自分持ち)などとなります。
このように数ある外車の中でもベンツが一番よく選ばれるのは、「社用車」としてのイメージが定着しているからです。
「安全だから」と言われることもありますが、それだったらトヨタなどの国産車の方が断然いいはずであり(故障も少ないです)、理由はやはり「社長=ベンツ」というイメージのためだと言えます。
*なお、デザイナー、自動車ライターなど、派手な外国車に乗ることも仕事の一貫として認められるようなタイプの方の場合は、それらの派手な外国車でもOKされるケースがあります。
社長のベンツはなぜ中古なのか?
こちらはいきなり格好悪い見出しになりますが、実は「社長のベンツ」は中古であることが多いです。
この理由は「中古の方がたくさん経費で落とせる」からです。
たとえば、そのベンツが600万円だったとします。
新車の場合は「6年間は乗れる」と判断されるので、この600万円を6年間で割り、「1年で100万まで」しか経費として認められません。
なので、6年後には600万円分すべてを経費で落とせるのですが、最初の1年は、600万のうち500万を「自腹で」払う必要があるのです。
「そのくらい払えよ」と思われるかも知れませんが、払いたくないのが人情です。
そのため、「中古」を買います。
中古の場合は「2年間しか乗れない」と判断されます。
なので、600万円を2年で割って、「1年で300万まで」経費で落とせます。
ということは、1年目に300万経費を使い、300万だけ自腹で立て替えて、翌年にはその300万も回収できるということです。
「中古のベンツ」がいかに得か、こう書くとよくわかるでしょう。
…まとめると、このように会社のお金で、税金を逃れながら自分の年収を密かに増やせる社長という職業は、実に有利なのです。
多少のリスクを背負ってでも、独立した方がいい理由が、これでわかるでしょう。
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