BMW5シリーズの査定 ~景気悪化時の買取価格の変化する実例など~
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2013年末のマイナーチェンジで、BMW5シリーズの旧型は、査定での買取価格も落ちはじめています。
今はまだ新型が市場に流れていないので、買取価格も安定していますが、5シリーズのような高級車は、何かのきっかけで景気が急落したとき、査定が一気に厳しくなります。
ここでは、マイナーチェンジが5シリーズの査定に与える影響、リーマン・ショック時の買取のデータ、現在の中古車市場での相場など、5シリーズの査定の参考になる情報をまとめて紹介します。
BMW5シリーズの中古車の価格相場
BMW5シリーズの、2014年5月18日時点の中古価格の相場は下の通りです。(モデル別、カーセンサーラボのデータより)
・1988年モデル…12~158万円
・1996年モデル…10~135万円
・2003年モデル…57~338万円
・2010年モデル…269~759万円
このうち、最新の2010年モデルは冒頭で書いた通り、2013年末にマイナーチェンジをしています。これが査定に与える影響を見ていきましょう。
2013年末のマイナーチェンジは好評、旧型は今後の査定で不利に
今回のマイナーチェンジは多くの専門家の間で好評であり、旧型の査定は今後不利になっていくと言えます。専門家が新しい5シリーズをどう評価しているか、旧型と比較するコメントを中心に紹介します。
・『Reponse.jp』萩原秀輝氏(2013年12月20日)
「最大トルクが66.3kgmに到達、先代モデルの性能を大幅に超えてしまった」
「トルクが約10%向上している上に、燃費は約20%改善されている」
・『オートックワン』国沢光宏氏(2014年1月6日)
「前期型で気になっていた、ディーゼル車特有のノイズが明らかに少なくなっている」
(クリーンディーゼルモデルについて)
どちらも、ここで紹介した部分だけではなく、走行性能や価格など、総合的に高い評価をされています。ユーザーの評判も上々なので、今後5シリーズの人気は新型に集中していくでしょう。
新型の5シリーズは、もちろんまだ中古車市場には出回っていません。
しかし、マイナーチェンジの時点で旧型の買取価格が落ちるというのはセオリーですし、5シリーズのような高級車の場合、震災やリーマン・ショックのような「事件」が起きると、1年目でもいきなり中古車市場に大量の新車が流れてくることがあります。
次では、実際にリーマン・ショックの時に中古車市場の査定がどう激変したか、実感できるデータを紹介します。
1年で266.5万円も安くなったBMW5シリーズ
リーマン・ショックの影響で、たった1年で266.5万円も安くなった5シリーズがあります。その車両の条件を箇条書きすると下の通りです。
・525iハイラインパッケージ(5シリーズ)
・年式…2008年
・走行距離…0.2万km
・修復歴…なし
・新車価格…664.5万円
・中古価格…398万円
中古車市場の動向に詳しいジャーナリストの籠島康弘氏が、2009年7月10日、自身のコラムで紹介されていたデータです。見ての通り新車同然の年式・走行距離ですが、中古価格を見る限り、査定でも相当安い買取価格になっただろうと思われます。
中古価格が398万円ということは、相当高額で買取してもらったとしても、300万円前後でしょう。新車価格が664.5万円なので、わずか1年後の査定で、半分以下の買取価格になってしまったということです。
しかもたくさん乗っていたならともかく、走行距離も0.2万kmと、ほとんど乗っていないわけです。それでこのレベルの買取価格なのですから、5シリーズのような高級車が景気の低迷時にどれだけ査定で不利になるか、わかるというものでしょう。
今のところ、日本の景気はアベノミクスの成功(と一応言われています)によって、上向いています。しかし、リーマン・ショックの直前も不動産業界を中心に「ミニバブル」が起きていたように、景気の悪化というのは突然やってくるものでもあります。
上で紹介した「激安5シリーズ」を2008年に買ったオーナーも、買った時はきっと羽振りがよかったのでしょう。買った直後にリーマン・ショックで打撃を受けて、泣く泣く手放すしかなかった、という光景が想像できます。
もしそうなら、自動車好きな方にとっては他人事ではないお気の毒な事例ですが、明日は我が身かもしれません。
このような景気の急落が起きる前に、手持ちの5シリーズの価値が高いうちに、早めに買取に出すことをおすすめします。
セダンの不人気は、今後の5シリーズセダンの買取に影響するか?
日本でのセダン不人気はいまさら説明不要ですが、BMWやベンツに関しては、セダンでもまずまずの人気を得ています。
そもそも、人々がコンパクトカーや軽自動車に流れているのは「経済的」という理由ですが、BMWやベンツを買う人であれば、経済面の心配は特にないからです。あとは完全に好みで選ぶので「セダンが好み」という人であれば、普通にセダンを選ぶということです。
そのため、国産車のセダンほど「セダン不人気」が5シリーズセダンの買取に不利に働くことは少ないでしょう。しかし、ある程度の影響は出ています。
・閣僚が使う高級車でもセダンが減っている
テレビを見ていると、閣僚などが乗る高級車でも、以前に比べてセダンが減ったことがわかります。以前では少なかったステーションワゴンの高級車などが多く見られるようになっており、「お固い場面」でもセダンでなくていい、という認識が広まりつつあります。
以前だったらステータスを考えてセダンを買っていた富裕層の方も、「セダンでなくてもいいらしい」となれば、「じゃあ、ワゴンの方が便利だからワゴンで」という選択をすることも増えるでしょう。
特にバブル期のような「超富裕層」が減り、「小粒のお金持ち」が主流となっている今の日本では、富裕層も現実的な選択をすることが多くなっています。
そのため、BMWやベンツのようなブランドでも、やはり「セダン離れ」の影響は今後進んでいくでしょう。5シリーズのセダンはまだ人気ですが、今後は不利になっていく可能性が濃厚なので、人気があるうちに買取に出した方がいいかも知れません。
5シリーズの03年モデルは、市場でどう評価されているか?
5シリーズの03年モデル(先代モデル)は、すでに100万円を切るものも増えており、中古車市場ではやや「買い叩かれて」います。
しかし、ファンや専門家の間では「デザインはむしろ03年モデルの方がいい」という方も多く、彼らにとって「買い叩かれているのにデザインがいい」このモデルは、「穴場」となっています。
先に紹介した評論家の籠島氏も、2010年のモデルチェンジで新型を見たとき「これは旧型の人気が増すな」と思われたそうです。(新型のデザイナーには失礼かも知れませんが…)
同じように思ったBMWファンの方は多いようですが、にも関わらず「モデルチェンジをした」というだけで旧型が多く中古車市場に流れたので、旧型の価格が下がり、ファンにとってはおいしい状況が続いています。(2014年現在でも)
まとめ ~現行モデルの中古車は売りづらくなる?~
上のように「安くておしゃれな旧型」が売れているということは、2010年型の現行モデルを中古車市場に持っていっても、思うように売れない可能性があります。
現時点ではマイナーチェンジ後の2013年型が市場に流れていないのでまだ大丈夫でしょうが、2013年型まで市場に流れはじめたら、2010年型が査定で不利になることは想像できます。
言わば、「旧型&2013年型」にサンドイッチされ、両者に人気を取られる形になるので、査定は不利にならざるを得ないでしょう。
こう考えると、2010年型の現行モデルの5シリーズを持っている方は特に、早めの売却を検討した方がいいかも知れません。
あくまで一つの選択肢ですが、参考にしていただけたらと思います。
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