CX-5の買取査定~登場から1年でマイナーチェンジの影響

2012年の登場からわずか1年でマイナーチェンジをしたCX-5ですが、現時点では特に買取査定への影響は出ていません。

しかし、CX-5以外の他の車種やSUV全体の買取査定には、多少影響が出ているようです。

CX-5自体の買取査定における評価も、2~3年後に中古のCX-5が大量に出回ることによって少なからず影響が出る可能性があります。

ここではCX-5の現時点における中古車の価格相場などとともに、今後の買取査定相場の動向を考えてみたいと思います。

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中古車の価格相場を見てみると...

CX-5の中古車市場での相場は、「160~368万円」となっています。平均価格は「253.8万円」で、平均の登録年は2012年です。(登場自体が2012年のため)

データは2014年5月19日のカーセンサーラボのもので、その他の大手サイトを見てもほぼ同じ価格帯です。

冒頭で書いたように、登場の翌2013年に、早くも最初のマイナーチェンジをしたわけですが、それがどのように買取査定に影響したかについて解説します。

いきなりのマイナーチェンジは市場の評価にどう影響したか?

2013年の登場1年後のマイナーチェンジは、他の車種ほど買取査定には影響しないと考えられます。というのは、CX-5の場合「旧型→新型」の乗り換えがないからです。

・マイナーチェンジで評価が落ちるのは「乗り換え」のせい

マイナーチェンジをすると、その車種のファンの方は旧型から新型に「乗り換え」をします。そうすると旧型が中古車市場に流れてくるので、旧型が供給過剰になり、買取査定の評価が落ちるわけです。

逆に言うと「旧型がなければ買取価格は落ちない」わけですね。その点、CX-5の登場は2012年です。

ということは、2013年のマイナーチェンジの段階で「最も古いユーザー」でも「まだ1年しか乗っていない」わけです。

さすがにこのマイナーチェンジで乗り換えをする人はいないので、買取査定の評価が落ちることはなかったわけです。

この車のヒットがSUV全体に与える影響

CX-5のヒットは、SUVというジャンル全体の買取査定にも確実に影響しています。というのは、CX-5のヒットを見て他社があらためて「SUVは売れる」ということを理解し、再びSUVに力を入れはじめたからです。

トヨタのハリアー、日産のエクストレイルの発売が前倒しされたのもその現れです。さらにスズキが「軽自動車SUV」であるハスラーを大ヒットさせたこともあり、今、SUVの新車の売れ行きはヒートアップしています。

「ということは、SUVの中古車が市場にたくさん出ているということだな?」と思われるかも知れませんが、そうとは限りません。なぜなら、これらのSUVを買う人が「今までもSUVに乗っていた」とは限らないからです。

つまり、コンパクトカーやミニバンからの乗り換え組もかなりいると考えられます。

その場合、中古車があふれるのはコンパクトカーやミニバンの方なので、中古車市場を考えた場合、むしろSUV以外の車の買取査定に影響が出てくることになります。

新車SUVのブームが、そのまま中古SUVの買取査定にすべて影響するとは限らないわけです。もちろん、SUVからSUVへの乗り換えもある程度はあるですしょうから、まったく影響がないわけではありませんが。

しかし、数年後のSUVの買取査定には確実に影響する

今回のCX-5のヒットから始まった新車SUVのブームは、数年後の中古SUVの買取査定には、確実に影響します。大量に売れたこれらのSUVが最初の車検の前に中古車市場に流れてくるからです。

この時はCX-5だけでなく、中古SUV全体の買取価格が下がるので、高値で買取してもらいたいSUVユーザーは、これより前に査定を受けてみるといいでしょう。

SUV全体の買取査定が下落傾向になると、いかに人気車種とはいえ、CX-5の買取査定にも当然影響が出てきます。

あくまで予想ですが、2~3年後のCX-5の買取価格は「中古SUVの増加によって」、下がると考えていいでしょう。

ディーゼルエンジンは「低燃費志向」にも合致

ご存じの通り、今の日本の自動車市場は相当な「低燃費志向」に傾いています。

エコカー減税の後押しや、2014年からのガソリン代の値上がりなどもあり、多くの方が低燃費の車を求めるようになったからです。

低燃費車といえば、「軽自動車、コンパクトカー、ハイブリッド」などが頭に浮かぶでしょうが、いま第4のエコカーとしてディーゼル車が注目されています。

ディーゼルといってもクリーンディーゼルのことですが、これが今、ハイブリッドなどと並ぶほどの「エコなエンジン」として注目されているのです。

クリーンディーゼルがエコな理由について、ここでの説明は割愛しますが、重要なことは、今売れているCX-5の大部分は、ガソリン車ではなくこのクリーンディーゼル車ということです。

・CX-5の7割はクリーンディーゼル

CX-5は一般的なガソリン車も販売していますが、実際に走っているのは約7割がクリーンディーゼル車です。CX-5でディーゼル車の方が売れているのは、その方が断然お得だからです。

新車を買う段階では、ディーゼル車の方が約30万円ほど高くなりますが、燃費がディーゼル車の方がいいのとガソリンにくらべて軽油がやすいことで、走れば走るほどガソリン車にくらべてお得になるということです。

具体的には、4万km走った時点で、車両価格が高い分の元が取れ、その後「1万km走るごとに8万円得する」という計算になります。(試算は、自動車評論家・国沢光宏氏の2014年3月26日のコラムより)

このように「低燃費」を求める今の中古車市場のニーズとも合致しているので、CX-5が衰えることは今後当分の間ないだろうと思われます。

ディーゼル車の認知度は、まだ市場では低い

多くのユーザーは、ディーゼル車が「第4のエコカー」であることを知りません。

最近のディーゼル車は意外と地球にやさしいらしいということは知っていても、走行距離によっては、ハイブリッドよりもお得になるということは、あまり知られていようです。

「ハイブリッド=地球にやさしい」というイメージとともに、「ディーゼル車=地球にやさしい」というイメージが定着してくれば、CX-5の人気もより高いものになるでしょう。

最近のマツダは、このCX-5以外にもディーゼルエンジン搭載車をどんどん増やしています。そしてそれらの車のヒットにより、ディーゼル車のイメージ向上に大きく貢献しています。

かつては、ハイパワーのロータリーエンジンのイメージのあったマツダですが、現在はエコなディーゼルエンジンのクルマメーカーとしての地位を築きつつあるようです。

補足情報 ~「マイナーチェンジ」の表記について

序盤で触れたCX-5の「マイナーチェンジ」についてですが、新車が登場から1年でマイナーチェンジをするというのはかなり異例です。あまりに早すぎるので、マイナーチェンジでなく「一部改良」という言葉を使っているメディアもあります。

しかし、朝日新聞デジタル、Clicccarなどのメディアははっきり「マイナーチェンジ」と表記しているため、ここでもあえてマイナーチェンジと表記させていただいています。

まとめ

「魂動」のデザインが立て続けにヒットし、絶好調のマツダですが、このCX-5が安定して売れたら、さらに勢いづくことでしょう。

たった1年でマイナーチェンジをしたことを見ても分かる通り、マツダ自身もこのCX-5を本気でSUVの代表車種しようという意気込みが感じられます。

マツダのような個性的なメーカーが活躍することは、日本の自動車業界全体の刺激になるため、今後もこの躍進ぶりを見守りたいものです。

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