マークXの買取 査定の動向を考える～モデルチェンジ白紙の影響

トヨタの顔とも言える車種の一つであるマークXは、長年の常連客を守るため、ディーラーが下取り価格も高めに設定してることもあり、中古車のの買取査定の相場が大きく崩れることはありまえん。

しかし、近年のセダン不人気の影響で、2015年に予定されていたモデルチェンジも白紙に戻り、今後のマークXの査定・買取の動向に関しては、完全に先行き不透明です。

ここではそうしたマークXの買取査定に関する情報と、現時点での中古車市場での価格相場などを紹介します。

中古車のモデル別価格相場一覧

マークXの中古車市場での相場は、モデル別で一覧にすると下記の通りです。

・2004年モデル…16万～205万円
・2009年モデル…19万～459万円

（2014年5月15日カーセンサーラボのデータより）

見ての通りモデル数が少ないですが、これはマークX自体がマークⅡの後継車種であるです。車としての歴史を考えるとマークⅡ時代から数えて、すでに10代目を超えています。

この車のリセールバリューが他の車種より高い理由

マークXはバブル時代に高級サルーンとして人気を集めたマークⅡの後継車種なので、その当時からのお得意様が、トヨタのディーラーにはたくさんいます。トヨタのディーラーは長年「当社の車はリセールバリューが高いのが強みです」と言い続けてきました。

実際、その言葉の通り高いのですが、トヨタのそうしたメッセージを長年受け取ってきたマークⅡの常連ユーザーは、トヨタが下取りの価格を下げることに対して敏感に反応するわけですね。

また、トヨタの営業マンも長年のお得意様を失わないように、こうした常連のユーザーに対しては、市場の査定額には関係なく、これまで通り高値の下取りをするわけです。

・ディーラーが高く下取りする以上買取業者もそれに合わせるしかない

こうしてディーラーが高く下取りをしているということは、買取業者も高い査定額を提示しないといけない、ということになります。

もし安い買取査定額を提示したら、なじみのトヨタのディーラーに持って行ってそのまま下取りに出されてしまうからです。

お客さんをディーラーに取られないためにも、買取業者もそれに合わせて高い査定額を提示するしかないわけです。

そのため、マークXの買取査定額は他の車種と比較して、特に高く感じるわけです。

そういう理由では、マークｘは中古車市場でも「ディーラーの下取りの恩恵」を一番受けやすい車種ということが言えるでしょう。

ジオが中古車市場で人気の理由

マークXの派生車種の一つとして、2007年にリリースされたマークXジオという車があります。シリーズの車種の中でも、特に中古車市場での人気が高いクルマの一つです。

こう書くと「買取査定の額も高いのか？」と思われるかも知れませんが、逆です。ジオは新車の人気が低かったため、年式が新しくても安く買い叩かれていて、その結果中古車のみ人気になっているのです。

もちろん、ただ不人気で安いだけなら他にも多くの車種があります。マークXは「高級志向で性能の高い車なのに安い」ということで、人気を集めているわけです。

中古車市場の動向に詳しい自動車評論家の籠島康弘氏は、ジオの性能についてこう語っています。

「セダンのように優雅で、ステーションワゴンのように便利で、ミニバンのように3列目シートも持っている、何とも欲張りな車」
（2010年4月1日のAll About、筆者要約）

この「欲張り」というのはいい意味で書かれています。つまり、ユーザーが欲しかった要素をすべて詰め込んでいる、ということです。

その分値段が高くなってしまったこと、コンセプトがいまいちわかりづらかったことなどが原因で、新車販売では不振に陥ってしまいました。

そのため、3年経たないうちに半額以下となり、登場から7年経った今では、さらにその半分、という中古車も多く見られます。

しかし、「その人気の低さが中古車ではおいしい」と籠島氏も書かれている通り、中古車市場でジオは人気になっているわけです。

もちろん、安く買い叩かれているわけなので、それを「人気」と言っていいのかは判断の別れるところですが、台数が売れていることは事実です。

マークXの不満な点はジオの中古車で解消できる？

なぜここでジオの説明をしたかというと、今マークXに乗っていて、席数の少なさなどで不満を感じている方は「ジオに買い換えたらすべて解消する」という可能性があるからです。

もちろん、新車で買うことはおすすめしません。これだけ買取査定額が低い車なので、新車で買ったらリセールバリューを考えると損をしてしまう可能性が高くなります。ジオを買うならあくまで中古車がいいでしょう。

中古車でもまだまだ十分新しく、状態のいいものが多数出回っていますので、それを安く買って今のマークXは下取りに出す、という手もありかと思います。

今マークXに乗っていて、ステーションワゴンやミニバンに買い換えようとしている方は、特にこうした選択を候補に入れるといいでしょう。

現在持っているマークXの年式や状態によっては、その買取価格だけでもジオの中古車が買えてしまう可能性もあります。乗り換えの候補としては、特に有力な車種の一つではないでしょうか。

今後の人気は落ちていくのか？

実はマークXは2014年にモデルチェンジをするはずでした。それが2012年に「2015年に延期」と発表され、さらにその2015年のモデルチェンジも白紙に戻ってしまいました。

理由は、セダンの人気が予想以上に落ちていることです。そんな中でも2015年に新モデルを出そうとトヨタはいろいろな案を模索していましたが、それでも結局延期となりました。

「いろいろな案」というのは、箇条書きすると下記の通りになります。

・通常通りのモデルチェンジ（エンジンを1.4Lターボに）
・BMW3シリーズとのシャーシの共有
・別のハイブリッドカー「NS4」を、マークXの新モデルとして出す

上の2つはともかく、3つ目に至っては「もはやマークXではない」という声もあるかも知れませんが、一応、NS4をベースとして、シリーズならではの改良を加える、ということです。

ただ、普通のモデルチェンジのように「今のモデルを進化させる」だけではもう市場に受け入れられないということも、この案は示しています。

BMWとのシャーシの共有にしても、マークXの売りだった「クラウンとのシャーシの共有」はなくなるわけで「トヨタの顔」としての立ち位置は、徐々に薄れていくといえます。

専門店での売った方がいい場合

マークXの専門店は、現在下のようなショップが存在します。

・ユーパーク（さいたま市）…＊クラウン＆マークX専門店
・CSオートディーラー千葉柏インター店（柏市）

特にカスタマイズした車などは、通常の一括査定見積もりにかけるよりも、こうした専門店で見積もりに出した方がいいかもしれません。

実際に利益が出るのは近場に住んでいる方に限られるでしょうが、これらの店の査定額と一括見積もりとを比較してみる価値はあると思います。

まとめ

マークX（マークⅡ）のように一時代を築いた車種でも、市場で生き残るためにこうした試行錯誤をしているのだと思うと、「変化に適応する」ということがいかに重要で、いかに難しいことかを実感します。

こうした状況なので「マークXの人気はいつまでも安泰」ということはあり得ません。中古車の買取査定でも、数年後には今より大幅に評価が下がってしまう可能性もあります。

時代の変化も見極めて、マークXの買取査定について考えてみるといいでしょう。

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