エルグランドの買取 ~2014年のマイナーチェンジは査定のプラスとなるか?~
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2014年のマイナーチェンジが高く評価されているエルグランドは、これがきっかけで、査定での買取価格も上昇する可能性があります。
ただし、ライバル車のヴェルファイア、アルファードなどに差をつけられている状況は変わらず、今後の査定が必ずしも有利になるとは断言できない状態です。
かつては「キング・オブ・ミニバン」と呼ばれながら、ライバル車に抜かれてしまったエルグランド。ここではその原因をまとめつつ、現在の中古車市場での相場などを紹介します。
エルグランドの中古車の価格相場(モデル別一覧)
エルグランドの現在の中古車市場での価格を一覧にすると、下記のようになります。
・1997年モデル…1~168万円
・2002年モデル…9~339万円
・2010年モデル…160~486万円
(2014年5月16日のカーセンサーnetのデータ)
見ての通り、1997年の最安値はただ同然となっています。この頃のエルグランドは、Lクラスミニバンでは最も人気があったのですが、今となっては懐かしいモデルとなっています。
「失敗作」と各所で酷評されている2代目の2002年モデルは、この数字だけ見ると「最高値が意外と高いな」という印象かも知れません。
3代目の2010年モデルはここまで健闘しつつも、ライバルとの差が縮まっていませんでしたが、2014年のマイナーチェンジは、この状況を覆すきっかけになるかも知れません。
ここからは、そのマイナーチェンジについて詳しく紹介します。
2014年のエルグランドのマイナーチェンジは、査定にも影響するか?
エルグランドは2014年1月にマイナーチェンジをしました。かなり大規模なマイナーチェンジで、モデルチェンジとの中間規模の改善、と考えていいでしょう。
この改善が功を奏したら、エルグランド全体の人気があがるので、中古車市場での価値も上がり、査定にとっても当然プラスとなります。
どのような改善がされたのか、メディアからはどう評価されているのか、詳しく紹介します。
・「室内空間の狭さ」を改善
2代目のモデルで人気が大幅に落ちたエルグランドは、2010年にモデルチェンジを行い、現行のモデルとなりました。
この3代目の現行モデルは、2代目よりは高く評価されたのですが、それでもまだ、ライバル車のアルファード、ヴェルファイアには大きな差をつけられています。
その原因の一つは「室内空間が狭い」こと。3代目では走行性能やデザイン性を重視して「車高を下げる」という改善をしたのですが、これによって車内空間が狭くなる、という弱点も抱えてしまったのです。
そして、それがヴェルファイアやアルファードとの差が縮まらない原因となっていました。2014年のマイナーチェンジでは、その弱点を中心に改善を図ったわけです。
・マイナーチェンジに対するメディアの評価
このマイナーチェンジに対するメディアの評価はおおむね良好です。
大手自動車情報サイトのClicccar(クリッカー)は、「3列目に人が座っていても、大型ゴルフバッグを6個積める」と、その容量を高く評価しています。
走行性能などその他の部分も評価した上で、ヴェルファイアやアルファードとの競争についても「これまでの差はかなり縮まるはず」と高い期待を寄せています。(2014年3月4日の記事より)
カーセンサーnetも、弱点だった室内空間の改善について「ウォークスルーをはじめ、室内での移動が快適になった」と、その進化を指摘し、外見・インテリアなどすべてについて高く評価しています。
・弱点の克服で、「キング・オブ・ミニバン」に返り咲くか?
かつて「キング・オブ・ミニバン」とも呼ばれたエルグランドが、このマイナーチェンジによってその地位に返り咲くか、注目している自動車ファンは多いでしょう。
現行の販売台数は、アルファード、ヴェルファイアに相当な差をつけられているため、すぐに結果を出すのは難しいかも知れません。
それでも、今回のマイナーチェンジが話題になり、「エルグランド=室内が狭い」という先入観がユーザーの間でなくなったら、徐々に人気が回復していく可能性もあります。
*ユーザーは、メーカーの違う車種まで試乗して比較検討をすることは、意外と少ないものです。なので、かなりの部分「先入観」で動いているのです。すでにユーザーに知られている車の場合、この「先入観」を取り除くことが重要なんですね。
2代目モデルは、できるだけ早く査定に出すべき
上記のように、エルグランドの2代目モデルはユーザーの間ではかなり不評です。このモデルの批判については、自動車評論家の国沢光宏氏は、こう評しています。
「先代(2代目モデル)は、商用車のシャーシを改良して使っていたため、ハンドリングも乗り心地も相当厳しかったです」(2010年9月3日のAll Aboutより)
国沢氏はこの記事で、2010年のモデルチェンジを高く評価しています。
しかし、その2010年モデルですらなお、アルファード、ヴェルファイアとの差をまったく埋められていないのですから、いかに2代目モデルがひどかったかということがわかるでしょう。
同記事で国沢氏も「末期の売れ行きたるや、風前の灯状態でした」と表現するほど、エルグランドは「キング・オブ・ミニバン」から「ただのミニバン」に急落させてしまうクオリティだったのです。
・2014年のマイナーチェンジによって、2代目の買取価格はさらに落ちる
上記のように、ただでさえいい要素が少ない2代目ですが、2014年のマイナーチェンジが評価されていることで、2代目の価値はますます低下していくでしょう。
2代目の中古車に価値を出せるとしたら、もはや「安い」ということ以外にないわけですが、それはつまり、査定での買取価格も安くなり、時間が経てば経つほど、その傾向は強くなっていくでしょう。
エルグランド専門店は、買取価格も高くなる?
エルグランドの買取・販売の専門店は、愛知県春日井市の「ハイウェーオート」などがあります。今のところ、ウェブで情報が見つかるのはこの業者さんのみです。
このショップはエルグランドだけではなくセレナも扱っているため、セレナに興味を持つ購入者も対象として販売することができます。
愛知県や近隣の地域から買取に出すのであれば、こうした専門店で査定に出すのもいいかも知れません。
・他の専門店について
多数の支店を持ち、それぞれで専門の車種を持っているCSオートディーラーも、岩槻インター店でエルグランドを扱っているようです。
(ただ、CSオートディーラーのこの店舗は、他の車種で検索した時もヒットするので、エルグランドを扱っていることは間違いないですが、専門店というかどうかはわかりません)
・専門店での査定と一括査定は併用すべき
こうした専門店に買取を依頼する場合も、参考情報として他の業者さんの査定価格も知るために、一括査定は利用した方がいいでしょう。
エルグランドのように専門店がある車種に限らず「できるだけ多数の見積もりを取る」というのは、高く買取してもらうための基本と言えます。
まとめ
当然ですが、日本車であれば大抵の場合、故障しません。つまり「移動する箱」として見る分には、日本車であれば何でもいいのです。
中古車ですらまったく問題ないので、極端な話「ただミニバンが欲しい」というだけなら、序盤で紹介した、97年モデルの1万円のエルグランドを買ってもいいわけです。
となると、「移動する箱」で終わらない、車が持つ要素のすべてで勝負しなければいけない、というのは基本です。
しかし、2代目までのエルグランドはその「車が持つ要素のすべて」で、とことんユーザーの評判を落としてしまったわけです。
先にも書いた通り、ユーザーは何か新車を買おうとした時、類似車種を全部試乗するということもめったにしませんし、詳しいスペックを見ても意味がわからない場合がほとんどです。
なので、自動車好きの方が思う以上に「イメージ」で決めているのですね。
エルグランドの場合、2代目がその「イメージ」をかなり落としてしまっているので、中古での買取価格も当分の間は上がりづらいでしょう。
他の不人気車種と比較すれば十分高いかも知れませんし、実際、すべての車種を入れても、ベスト30程度には入る人気と言えます。(2014年5月時点の価格.comで、中古車人気ランキングの24位に入っています)
そう考えると十分すごいのかも知れませんが、その実力の割には、買取価格も低く評価されている、というのが現状かもしれません。
マイナーチェンジの効果が出て、イメージが改善されることで、買取価格も徐々に上がっていくことを期待したいものです。
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