2009年に後継車「ミラココア」に移行したものの、いまだに人気のミラジーノは、販売終了した車種としては査定でも高い買取価格を維持しています。
ただし、競合のスズキ・ラパンがミラココアと同じく「完全女性向け」のラパンショコラをヒットさせていることは不安要素です。
後継車のミラココアの査定価格が下がれば、当然ミラジーノの査定価格も下がります。ここではそんなラパンの動向も含め、現在のミラジーノの中古車の価格相場など、査定のヒントとなる情報を紹介していきます。
ミラジーノの中古車の価格相場
ミラジーノの中古車市場での相場は、2014年5月22日時点で、下のようになっています。
・1999年モデル…1~101万円
・2004年モデル…9~112万円
ミラジーノの新車価格は105~157万円ですが、単純に最高値だけを比較すると、70%に近い販売価格となっています。
もちろん最高値だけの比較では何とも言えませんが、10年前のモデルとしては、これは高めの相場。モデルチェンジ後もミラジーノの需要が高いことを示しています。
ミラジーノの査定価格は、なぜいまでも高いのか?
ミラジーノは、最後のモデルが10年前の車種としては、中古車の査定価格もかなり高い部類に入ります。
実際、「価格.com」の中古車の人気ランキングでも、後継車種のミラココアを押さえて上位50位以内に入っており、その根強い人気を裏付けています。
ミラジーノがいまでも高く査定される理由は「遊び心のある軽自動車がブーム」ということにあるでしょう。
それはホンダのNBOXなどのNシリーズ、スズキのハスラーなどのヒットを見てもはっきりとわかります。従来の「機能性重視」の軽自動車の分野で、「遊び心」が大ヒットの要素となっているのです。
・レトロなデザインと燃費の両立
上記のように「遊び心」が求められるようになったいまの軽自動車の分野で、ミラジーノは「レトロなデザイン」でそのニーズを満たしています。
後継車種のミラココアについては、人気の外国車だった「フィアット500」のパクリ、と揶揄されることもありましたが、逆にそれは「フィアット500並にオシャレ」ということです。
フィアット500を知っている一般ユーザーは少ないですし、むしろそのデザインをコストパフォーマンスのいい現代の軽自動車として蘇らせた功績は、高く買取されるにも相応しいと言えます。
燃費についても、軽自動車という時点で十分なレベルですし、ミラジーノ時代から「排出ガス75%低減レベル」などの認定を得ており、抜群というほどでなくても決して悪くありません。
ある程度の低燃費が求められるいまの中古車市場でも、高く査定される要素を満たしています。
競合車、アルトラパンに左右される買取価格
ミラジーノの競合車種はスズキのアルトラパン。買取価格も当然ラパンの売れ行きに左右されるといえます。
たとえばラパンがモデルチェンジをしてそれがヒットしたら、旧型ラパンが市場にあふれるため、ミラジーノの価格も下げざるを得ません。
逆にラパンのモデルチェンジなどが「失敗」してくれれば、ミラジーノの査定価格も維持される、ということです。
ただ、現状ではラパンの方が売れており、自動車総合情報サイトの『自動車リサーチ』も、「残念ながら、どちらかで迷っているなら、ラパンをおすすめする」とコメント。
自動車としての機能を見ると、ラパンの方が優れていることを指摘しています。(2011年1月28日の記事より)
ミラジーノとラパンの差が開く前に買取に出すべき
客観的に見て、ミラジーノ・ミラココアの「ミラシリーズ」と、ラパンなどの「アルトシリーズ」では、断然後者の方が進化しています。
今後ミラシリーズが追い上げるかも知れませんが、現状では差が開く可能性が高く、これ以上差が開く前に、早めの買取に出す方が賢明だと言えます。
特にミラジーノ・ミラココアの買取にとって不利なのは、ラパンが「完全女性向け」の「ラパンショコラ」を2013年にリリースし、それがヒットしていることです。
・完全女性向けに転向したミラジーノと、査定でも競合
ミラジーノがミラココアに変わったのは「女性向け」に特化するためでした。
そうした個性もあって、これまでの査定では一定の地位を保っていましたが、競合のラパンから「ラパンショコラ」という完全女性向けの派生車種が出たことで、査定での有利さも危うくなっています。
シリーズ自体の人気がラパンの方が上であることに加え、いまのミラココアの一番の強みである「女性向け」というお株まで奪われつつある。これは当然、ミラジーノの買取でも大きな打撃となります。
・ミラココアの話で、ミラジーノの買取には関係ない?
「女性向けに転向したのは、後継車種のミラココアだから、ミラジーノの買取には関係ない」と思う方もいるかも知れません。
たしかに、直接打撃を受けるのはミラココアで、完全女性向けではないミラジーノの買取には、直接の影響はありません。
しかし、ミラココアとミラジーノは当然よく似ています。ということは、中古車を買う時にこの両者で迷う、というユーザーも多くいるということ。
そして、ミラココアがラパンショコラに押されて安くなれば、それに釣られてミラジーノも安くせざるを得ないわけです。
「ミラココアの査定価格=ミラジーノの査定価格」と言ってもいい状態で、ミラココアの買取価格を下げる要素はすべて、ミラジーノの買取価格を下げる要素でもあるのです。
そのため、ライバル車種のラパンから「ショコラ」という女性向け車種がヒットしていることは、ミラジーノの買取にも「間接的とは言え」、大きな打撃を今後与えていくわけです。
ラパンには負けても、売却価格自体は高い
ここまで書いた内容だと、「ラパンは良くて、ミラシリーズはダメ」というように聞こえてしまうかも知れませんが、そうではありません。
むしろ人気が高いラパンシリーズと同じ土俵で競える車種ということで、当然ながらミラシリーズもすごいのです。
今後ラパンと比べると売却の価格も開いていく可能性がありますが、それでもその他の軽自動車と比べると、十分な価値を維持できる、と言えるでしょう。
ただ、十分な価値があるにしても、できるだけ早く売却した方がラパンとの差も開かず有利なのはたしかです。
どうしても、まだミラシリーズを運転したいというのでなければ、早めにラパンなどに切り替えて、現車は売却することをおすすめします。
・競合車種なら、乗り心地の差はほとんどない
車の運転によほど敏感な方でなければ、競合車種であれば乗り心地の差はほとんどありません。外見以外で、ミラシリーズとアルトシリーズの差はほとんどないと言ってもいいでしょう。
そのため、よほどミラシリーズを運転したいという強いこだわりがあるのでなければ、見積もりだけでも一度取ってみる方が有利です。
2014年4月にガソリン代が上がり、まだ2015年の増税で値上がりする可能性があるいまなら、ミラシリーズのような軽自動車の価値は、依然高く保たれています。
買い替えをするのであれば、こうしたタイミングを活かすべきでしょう。
まとめ
ラパンとミラシリーズを比較していて思うことは、「車の好みの幅は、広い方がいい」ということです。
機能的にラパンの方が勝る部分が多く、しかもミラシリーズは早めに売却した方がいい、という状況なら、冷静に考えれば「早めに乗り換えした方がいい」と言えます。
その選択を阻むものがあるとすれば「単純にミラシリーズが好き」という好みであり、これはこれでもちろんいいと思います。
ただ、人気がある車種はそれなりの理由があって好かれているわけで、乗ってみたら「意外といいじゃん」ということもあるものです。
さまざまな車の乗り心地を知ることは、車好きとして決してマイナスではありません。
その上で経済的にもプラスになるのであれば、「少し自分のこだわりを譲ってみる」ということも大事ではないでしょうか。
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