ロードスターの買取 ~10年ぶりのモデルチェンジで、査定事情も激変?~

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2015年、実に10年ぶりのモデルチェンジが予想されているロードスターは、これを待ちわびたファンの買い替えによって、中古車の査定や買取にも、大きな影響があると見られています。

ロードスターのモデルチェンジが伸びていたのは、マツダの経営不振が続いていたためです。その状態を抜けだしたことは、マツダファンにとっても、ロードスターファンにとっても嬉しいことでしょう。

ここではそんなロードスターの10年ぶりに行われるモデルチェンジについて詳しく紹介しつつ、中古車相場など、査定のタイミングを計る上で参考となる情報を提供します。

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ロードスターの中古車市場での価格相場(2014年5月時点)

ロードスターの中古車価格における目安は、下のようになっています。

・1989年モデル…10~277万円
・1998年モデル…18~239万円
・2005年モデル…50~279万円

(データ…2014年5月18日のカーセンサーnetより)

見ての通り、最後のモデルチェンジは9年前。メーカーの看板車種がこれほど長期間同一モデルのままというのも異例です。

予定の2015年で10年目となるわけですが、その10年ぶりのモデルチェンジが、ロードスターの査定や買取にどう影響するか、解説します。

10年ぶりのモデルチェンジが、ロードスターの買取に与える影響

10年ぶりのモデルチェンジとなると、中古車の買取に与える影響も相当なものになります。

特にロードスターのように固定ファンの多い車種では「待ってました」とばかりに新車に殺到するファンの方も多いでしょう。

これがBMWやフェラーリなどの場合、いくらモデルチェンジが久しぶりと言っても価格が高いため、殺到したくてもできないかも知れません。

しかし、ロードスターは国産車であり、新車でも220万からと、若者でも十分手が届く価格です。

そのため、多くのファンが新車に乗り換え、中古車が大量に市場に流れ、査定での買取価格も下がると予想できます。

どんな車種のモデルチェンジでもこれはありますが、特にロードスターの場合は大きいでしょう。

「魂動」デザインが査定に与える影響

さらに今回のロードスターの場合、マツダの新デザインコンセプト「魂動」に移行してから、初のモデルチェンジとなります。

つまり「まったく別のデザイン」になる可能性も高く、それが受け入れられたら、査定価格も大幅に変わるでしょう。(旧型の査定が不利になる、ということです)

「魂動」については後述しますが、デザインが大幅に変わる可能性について、評論家の大岡智彦氏も「今までのモデルから激変する可能性も高い」と指摘されています。(2014年1月25日、ガリバーでの連載コラムより)

実際、ネット上でもすでにロードスターの時期デザインの画像が出回っていますが、これらを見る限りフロントマスクの「目つき」(ヘッドライトのデザイン)を中心に、かなり変わっています。

これについては賛否両論がありますが、特に支持されて新車が多く売れた場合には、査定への影響も大きくなるでしょう。

「ロードスターの新デザインはあまり変わらない」説も

一方、「ロードスターの新デザインは、それほど変わらない」という説もあります。

というのは、2013年12月1日の東京モーターショーで、マツダ自身が「大きく変えない可能性もある」と答えているからです。(『autoblog』日本版の取材に対し)その回答の要点をまとめると下記のようになります。

・新型ロードスターにも「魂動」デザインを採用する
・ただ、ロードスターはそれ自体がブランドになっている
・ロードスターだけは、他の「魂動」モデルと統一感を出すより、「らしさ」を重視する

ということです。そのため、必ずしもデザインが激変するとは限りません。

デザインが激変しない場合、「新車に乗り換える率」も中くらいで終わるので、査定への影響はそこそこで終わると言えます。

(激変した場合、それが受けるか受けないかで、「乗り換え率」が上下に大きく変動するわけです)

デザインを大きく変えるかどうかは企業秘密ですし、マツダの方の回答では、「どうとでも取れる」ので、実際のところはわかりません。

ただ、ロードスターの買取の今後が、他の車種以上に「不確定要素」に満ちていることは間違いないでしょう。

これまでのマイナーチェンジは、買取にどう影響していたか?

ロードスターはこれまで3回マイナーチェンジをしていますが、これらが当時の中古車の買取にどう影響していたか、見てみましょう。

まずマイナーチェンジの歴史を整理すると、

・1回目…2008年
・2回目…2012年
・3回目…2013年

となっています。それぞれのマイナーチェンジについて詳しく解説します。

・2008年のマイナーチェンジ

この時は「フルモデルチェンジといってもいいくらいの内容」(*)と専門家に評価されるほど、大掛かりな改良でした。

ただ、この「モデルチェンジと言ってもいいくらい」というのは、多くの車種がマイナーチェンジをする度によく言われることであり、やはりモデルチェンジほどの大きな変化ではありません。

このときの改良はファンにも一般人にも高く評価されたため、乗り換えで市場に流れる中古車も増え、旧型の査定価格が下がる現象も見られました。(*三樹書房『車評オンライン』より)

・2012年のマイナーチェンジ

これは2008年ほど大きな変化はなかったため、中古車の買取にもさほどの影響はありませんでした。変化がなかった理由は、改良の主目的が「歩行者保護」だったからです。

この時期、日本とヨーロッパでは自動車のルールが改正され、「生産する車を、すべて歩行者保護仕様にしなくてはいけない」という制約が課されました。具体的には、ボンネットに人がぶつかっても、ダメージが少ないようにするということです。

ロードスターの場合は「アクティブボンネット」というものを採用しました。この仕組みを説明すると、下のようになります。

・人間を跳ねる
・人間がボンネットに倒れ込んでくる
・ボンネットを持ち上げる
・「上の方で受け止める」ことで衝撃を緩和する

というものです。非常に素晴らしい技術なのですが「歩行者を跳ねない限り、見えない機能」です。

その他の「見える部分」の改良もあったのですが、メインがこれだったため、2012年のマイナーチェンジは、さほど査定や買取には影響しませんでした。

・2013年のマイナーチェンジ

「たった1年で次の改良をしたのか?」と思われるかも知れませんが、その疑問通り、これはきわめて小規模な改良です。

一応「マイナーチェンジ」として報道されていますが「全体に装備を見直すといった小変更」(clicccar.com、2013年12月9日)で、市場へのインパクトも特にはなく、これで査定に影響が出る、ということはありませんでした。

ロードスターのモデルチェンジの時期について

ロードスターのモデルチェンジ時期を「2015年」ではなく「2016年」としているサイトやブログもあります。

しかし、それらは個人の方が運営されているもので、彼らがソースとしている「Autoweek.nl」という海外サイトの記事は、2013年9月19日の古いものです。

これらの記事より、上で紹介した大岡智彦氏のガリバーの記事(2014年1月15日)の方が、信ぴょう性は高いでしょう。そちらでは2015年となっているため、この文章ではその前提でお話しました。

まとめ

車にあまり興味のない方がロードスターを見ると、おそらく「外車だ」と思うでしょう。ロードスターは素人の方がそうした印象を受けるくらい、国産車ではめずらしい「こだわりのある車」の一つです。

こうした車が長く支持されていくことは、日本の自動車業界に「走る喜び」を今後も息づかせることとなり、大きな意味があります。

「魂動」というコンセプトの通り、ユーザーの魂が動くような新しいロードスターモデルの登場を、多くのファンが待っていることでしょう。

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