ハスラーの買取査定はどうなる?~大ヒットの影響で数年後は危険?

2014年1月の登場以来、快進撃を続けているハスラーは、しばらくの間は圧倒的に高い買取査定額がつくと予想されます。新車がまったく手に入らず、中古車の方が高いという状況なのですから、それも当然でしょう。

「軽自動車SUV」という新しいジャンルを切り開き、日本の自動車市場の歴史すら塗り替えたハスラー。しかし、そのような大ヒットをしているゆえに、将来的には懸念もあります。

ここではそんなハスラーの大ヒットの現状と、今後の査定・買取がどうなるか予測をしていきます。

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中古車の市場価格はどうなっている?

ハスラーはまだ発売したばかりなので、中古車はほとんど出回っていません。しかも新車が納車まで6ヶ月待ちという人気ぶりなので、むしろ中古車の方が新車より高くなっている状況です。

参考までに価格.comでの価格帯を見てみると、新車が107~166万円なのに対し、中古車は115~178万円と、最安値、最高値ともに高くなっています。

このように新車より高くても今すぐ欲しい、というユーザーの方がそれだけ多いということなのでしょう。

このように現時点では「新車より高い」ハスラーの中古車ですが、1年もすれば状況は徐々に落ち着いてくる可能性があります。

スズキは現在ハスラーの増産体制に入っており、生産が追いつくことと、ブームの落ち着きが重なれば、いまの品薄状態も一段落するからです。

加えてライバル社もハスラーと同じような「軽自動車SUV」の開発を急いでおり、それらが市場に投入されたらハスラーの中古車の価格も必然的にさがることでしょう。

「ハスラーの新車をしばらく味わって、高額で買取してもらって別の車種に乗り換える」というプランを検討中の方は、今から1年以内を目安に買取店に出した方がいいでしょう。

目標の3倍以上という人気の過熱ぶり

ハスラーは2014年1月に発売され、発売から3ヶ月で5万台という大ヒットを記録しています。スズキの販売目標は当初「月間5000台」だったので、実に3倍以上の売上を達成したことになります。

生産が受注に追いついていないため、現在、納車は4ヶ月待ちという状況になっています。

ツートンカラーモデルという、ルーフ(屋根)だけ別の色となるモデルは半年待ちであり、これが一番人気のモデルとなっています。

・「増税前の駆け込み」の反動もなし

ご存知の通り、2014年1月~3月の日本は増税前の駆け込み需要によって、新車の販売台数も大きく伸びました。

その反動でほとんどの車種が売上を落としましたが、ハスラーだけは例外で、高い販売台数を維持しています。

増税前の3ヶ月の販売台数は、月間約1万7000台でしたが、現在もこれとほぼ変わらない需要が続いており、スズキは月間1万4000台を生産する態勢を整えています。

この態勢が整えばハスラーの納車待ちの状態は大幅に改善され、多くのユーザーが待たずにハスラーを入手できるようになるでしょう。

そうなれば上記のように「中古車の方が高い」という相場は、通常に戻ります。それでも人気が高いことはたしかですから、買取査定での高評価な部分は変わらないでしょう。

他社の動向 ~類似車種の開発を急ぐ

このハスラーの大ヒットに影響され、ライバル他社も「軽SUV」の開発を急いでいます。

ダイハツはテリオスキッドの後継者を開発中で、三菱は2012年にカタログから外したパジェロミニを、フルモデルチェンジしてSUV仕様にしてリリースすると見られています。

ハスラーに人気が集中しているのは、現時点では軽SUVがないためですが、「軽SUVが登場したらハスラーでなくて他のメーカーでもいい」というユーザーも出て来るでしょう。

他社で軽SUVがリリースされる度に、今のハスラーの「一人勝ち状態」は弱まっていくでしょう。

・「軽SUV」は過去にもあった?

実は、軽SUVに似た車種は過去にもあったのです。

ご存知ジムニーも外観はそれに近いものがありますし、ダイハツのネイキッドも、SUV風ではないものの、ハスラーのように遊び心のある外観をしていました。

そもそも、ハスラー開発のきっかけの一つとなったのも、ホンダの軽自動車「N ONE」の大ヒットです。

今や軽自動車のトップを走っているNシリーズですが、この特徴は「外見に遊び心がある」ということでした。

空間の広さなど実用性ばかりを求める「まじめな軽自動車」が多い中で、「遊び心のある」Nシリーズが登場し、ユーザーの心をつかみました。

つまり「スズキと同じことは、他のメーカーもやっている(あるいはやっていた)」わけですね。

スズキが「軽SUV」という、ユーザーの好みにドンピシャリのジャンルを開発するまで、他のメーカーはそれに気付かなかったわけですが、技術的には、同じようなものはすぐに作れるのです。

スズキがこのジャンルの道筋を示した以上、他社が追随してくるのは当然の成り行きです。今後のハスラーの買取査定における評価は、こうした他社の追随モデルの人気にもかかっています。

大ヒットした車種は、数年後の査定が逆に怖い?

大ヒットしてハスラーの人気が高まったことは、今この車を持っている方々にとってはいいことのように思われます。しかし、数年後の買取査定を考えるとそうとは限らないんですね。

というのは「大ヒットした分、反動で飽きる」ということが多いからです。

これはどの業界でも見られるもので、たとえばサンリオは何度か起きたキティちゃんブームに対して「むしろブームは警戒の対象だった」とビジネス誌などでも発言しています。

同じようにスタートからいきなり爆発的に売れたハスラーは、数年後には「もう飽きた」と言われている可能性があります。

他社の軽SUVの追従状況いかんによっては、買取価格が落ちてくるということも想像できます。

・ハスラーは人気が急騰している株券のようなもの

わかりやすく言うと、ハスラーは現在「人気が急騰している株券」のようなものなのです。この時点で入手して売り抜けた人にとっては多くの利益があります。

逆に、「ブームの反動」が来てしまったら、株券の損失ほどの損はなくても「高額査定のチャンスを逃した」ということにはなりそうです。

もちろん、他社の追随モデルが成功するとは限らないですし、ハスラーの人気は今後も続くかもしれません。しかし、たしかなことは「今ならこの上なく高い買取価格がつく」ということです。

まだ手元に届いていない方も多いので「、1年~2年後を目安に「もっと乗りたい」という気持ちを抑えてあえて買取査定に出すというのも一つの手です。

まとめ

ハスラーの今後の買取価格に影響を与えるのは、他社の追随モデルだけとは限りません。

むしろ、他社が今回のスズキのように「新しい軽自動車」を生み出すことの方が、よほど警戒すべきことだと言えます。

追随モデルが出れば、たしかに「軽SUVなら何でもいい」というユーザーはそちらに流れる可能性があります。ですが、亜流は亜流であり、元祖のハスラーに魅力を感じるユーザーは多いはずです。

しかし、今回のようなイノベーションを他のメーカーが起こしたとしたら、話は別です。

こうしたブームがその車種で起きて、「軽SUV」という発明が古く感じられると、それによってこそハスラーの価値が落ちる危険性があります。

それはもしかしたら数カ月後のことかも知れず、ハスラーの買取価格がいつまで高いままかは誰にもわからないものです。

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