ノアの買取 ~低床化のモデルチェンジは、査定のプラスとなるか?~
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2014年のノアのモデルチェンジは、旧型の査定や買取にも確実に影響します。
兄弟車のヴォクシーも同時にモデルチェンジをしていますが、「実は一番のライバル」であるヴォクシーの動向も、ノアの査定や買取に、今後大きく影響するでしょう。
その他、同クラスのミニバンの王者であるセレナの動向や、ノアの中古車の2014年現在の相場など、査定の参考になる情報をまとめて紹介します。
ノアの中古車市場での価格相場
ノアにおける中古車の価格の目安は、モデル別にまとめると下の通りです。
・2001年モデル…5~169万円
・2007年モデル…69~280万円
・2014年モデル…200~349万円
(2014年5月17日のカーセンサーnetでの情報)
2014年モデルはまだ出たばかりですが、冒頭に書いたように、それ以前の2001年、2007年モデルに今後大きく影響していきます。この影響について、くわしく解説しましょう。
2014年のモデルチェンジは、ノアの買取価格にどう影響するか?
ノアのモデルチェンジが、今後のノアの中古車の査定や買取にどう影響するか、その流れをまとめます。
・旧型ノアの価値が下がる
これはモデルチェンジと同時に必ず起きることですが、新型ノアが登場したことで、旧型ノアの価値は落ちます。
「出てすぐ」はそれほど落ちませんが、2年ほど経ち「もうすぐ新型が中古車市場に大量に出回る」という時期になると、査定価格が下がり始めます。実際に出回るのは3年目以降が主ですが、査定価格が下がり始めるのはそれより早いということです。
モデルチェンジによる影響では、この「タイムラグ」を意識する必要があります。多くの方は「3年目から下がる」と考えて買取に出すのが遅れてしまいますが、実際は「それより早め」に動くのです。
中古業者の方も、先を読んで仕入れ(買取)をしないといけないからです。
・低床型が主流になり、高床型の価値が落ちる
新型のノアとヴォクシーの特徴は、「床が低い」ということです。基本、このサイズのミニバンは「踏み台」を踏んで車内に入るのですが、新型はその必要がありません。
これはライバルのセレナなどにはない特徴ですが、ノアのこの「低床」が支持されると、同クラスのミニバンでこれが主流となる可能性があります。
そうなると、これまでの高床型ミニバンの「時代遅れ感」が強くなり、中古車市場での価値も落ちるでしょう。そうなれば当然、査定や買取でも不利となるわけです。
新型が活躍したことで、旧型の買取が不利になるというのも、ノアが好きで買った旧型ファンからしたら皮肉な話かも知れませんが、買取の市場はそういう風に動いているわけです。
トップのセレナに肉薄する、ノアの買取価格
このクラスのミニバンで買取価格が一番高いのはセレナですが、ノアの価格はそれに肉薄しています。
まず、セレナの買取価格は「3年後で63~71%」です。(『CORISM』2010年12月28日の記事より)
これに対してノアの買取価格は「3年後で最大67%」です。(ガリバー自動車研究所のデータより)
最大同士で比較すると71%と67%ということで、かなり迫っていると言えます。
「このレベルで4%の差は大きい」という見方もあるかも知れませんが、セレナの買取価格が高すぎるだけで、決してノアも低くはありません。
今回のモデルチェンジで人気が逆転したら十分に追いつくことも可能なレベルで、王者セレナの背中は見えていると言ってもいいでしょう。
ヴォクシーの査定の動向は、ノアにどう影響するか?
兄弟車(姉妹車)ヴォクシーの動向は、当然ノアの査定にも影響します。
トヨタとしてはこの2車種のどちらが売れようとかまわないのですが、ユーザーとしては自分が買った方が、査定で有利になってくれないと困るわけです。
そう考えたとき、両者の関係を改めて見ると、実は、お互いに「一番の競合車」なんですね。「姉妹車」というとライバルではないように感じてしまいますが、実はノアにとって「一番の敵」はヴォクシーなのです。
そのため、ノアを査定に出すタイミングを計るなら、自ずとヴォクシーの動向をチェックする必要が出てきます。ヴォクシーが大量に中古車市場に出回っていれば、ヴォクシーの中古車の価格が安くなり、そちらにユーザーが流れるわけです。
そうなると当然ノアの査定価格も低くせざるを得ないので、これを高く売ることも難しくなります。
・今後、ヴォクシーの中古車が大量に出回る要因は何か?
これはやはり、「新型がヒットする」ということでしょう。ヴォクシーに限らずすべての車種に言えることですが、ヒットした車は、数年後に大量の中古車が市場に流れるのです。(当然ですね)
そのため、「ヒットした車は、実はリセールバリューが低くなる」という、少し意外な黄金律があります。
つまり、今後のヴォクシーやノアの中古車市場での価値を大幅に下げるものがあるとしたら、その一つは「今回の新型が大ヒットする」ことなのです。
矛盾しているように感じるかも知れませんが、中古の市場というのは、どのジャンルでも多かれ少なかれ、この法則が当てはまるものです。
床の低いミニバンは、高齢化する市場で有利?
新型ノアのように床の低いミニバンは、これからますます高齢化していく日本では、有利になる可能性があります。自分で歩けないお年寄りをミニバンに乗せたことがある方は、その理由がよくわかるでしょう。
お年寄りを乗せるために、床が高い車というのは本当に不便なのです。毎日やっていると慣れてくるので、床の高い車に乗せる動作も、さほど面倒には感じないかも知れません。
しかし、新型のような床が低いミニバンを使ってみて初めて「こんなに楽でよかったんだ」と驚く可能性もあるわけですね。
・ママさんユーザーが多いノアは、特にその可能性が大
ヴォクシーは男性ユーザーが多いですが、ノアは女性、特にお母さん世代のユーザーが多く、上に書いたような「介護に便利」という要素は、特に高く評価されます。
そのため、「高齢化の時代に、低床化が評価される」という流れは、ヴォクシー以上にノアでよく起きるでしょう。そう考えると、今回のモデルチェンジがプラスに出る可能性は、ヴォクシーよりノアの方が高い、という見方もできるかも知れません。
「ミニバンブームの終焉で査定価格が下がる」は本当か?
「ミニバンブームは終わっているので、今後の査定価格は下がる」という話はたまに聞かれます。これについては「ミニバンの種類」にもよります。
「現代ビジネス」の渡辺陽一郎氏は、2013年8月18日の記事で、「5ナンバーのBOXタイプは今後も売れる」「以前のように、ミニバンなら何でもいい、という購入者は激減した」ということを指摘しています。
この指摘の通り、車高が高いなどの明確な特徴がないミニバンはすでに淘汰されており、これらの車種は今後も買取価格が下がっていくことでしょう。
逆にノアやヴォクシー、ライバルのセレナなどの5ナンバーのBOXタイプのミニバンは、今後の査定でも有利だといえます。
・5ナンバーミニバンとは?
5ナンバーというのは「普通のサイズの車」ということです。排気量などが標準レベルということですが、5ナンバーミニバンというのは「ミニバンなのに、排気量などが小さい」ということです。
つまり、大型車のように高い税金を払わなくていい、というわけです。そのため、ラージサイズのミニバンよりも実用性が高いわけですね。「5ナンバーは生き残る」というのはそういうことです。
まとめ
車体の床を低くすることは、スポーティーなイメージを高めることにもつながりますが、「乗降(特に人の補助)で便利」という実用的なメリットもあるわけですね。
「シャコタン」という言葉でも知られる通り、走り屋の方々などが好んでしていた低床化の改造は、現代のユーザーにはまったく別の理由で歓迎されていると言えるでしょう。
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