アスピリンのような石油が原料の薬剤は体に悪いのでしょうか?
石油を原料に作られる薬がある、そんな話を聞いたことのある方もいるかもしれませんが、これは事実です。
というよりも、石油に含まれている成分の一つを分離して精製するほうが安く薬を作ることができるため、一般的に利用されている技術ですので、石油原料からの薬に危険性はないと言えます。
代表的な石油原料の薬が「アスピリン」
石油を原料にしている薬で最も有名なのは、アスピリンがあります。
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鎮痛剤や解熱剤など、いろんな用途に使える医薬品ですが、このアスピリンは、フェノールと言われる石炭や石油などの資源に含まれる、ありふれた物質の一つで作られています。
構造式が分かる方は、その構造が似ていることもお分かりかと思います。フェノールは古くから使われている薬の一つで、昔は殺菌剤として広く使われていました。
漢方のように生薬から精製することができる薬もありますが、その場合、生薬自体が非常に高価であるため、コストパフォーマンスの面で得策とは言えません。
同様の成分を安い価格で仕入れることができるのであれば、原料が生薬であっても、石油や鉱石であっても薬効の面では大差はありません。そのものに含まれる一部の成分だけを抽出し精製して薬品とするのですから、石油を飲んでいるというのとは大きく異なります。
また、生薬を主材料とする場合、薬効としてのメリット以外に薬草など自体に含まれる毒素も併せて使うことになります。その点、科学的に一つの成分を抽出する方法は、安全面という意味で言えば毒素を減らすことができる分、安全であるともいえます。
飲むときは用量を守ることが大切です
薬剤師として患者さんからもよく聞かれることですが、薬というのは、根本的に毒であるという意識を持ったほうがいいと思います。
「毒をもって毒を制する」ということわざもあるように、微量の毒は昔から薬として利用されていました。
現在では科学も発展し、薬として高いレベルで活用することができるようになったというだけで、根本的には、無茶な用量を使っていれば毒になる、ということ自体は変わりません。
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