ジャズマスターの改造テク~ライブやレコーディングで魅力を引き出す
Fenderから登場しているジャズマスター(Jazzmaster)と言えば90年代にオルタナティブ・ロック系のギタリストの多くが愛用していたことで有名です。従来、ストラトキャスターやテレキャスターの陰に隠れ、少し地味な印象がありました。
当時は中古楽器屋にてジャンク同然の価格で販売されていたことから、このギターを購入したというプレイヤーもいます。
このような経緯から人気になったモデルですが、現在ではFender社のスタンダードなラインナップに並んでいます。価格帯から考えると、現在使用している層の多くはある程度経済的に余裕がある方でしょう。
一部では「弾きにくい」という評価を受けるジャズマスターですが、多少改造すれば演奏しやすさは格段に向上します。ここでは、ちょっとマニアックなやり方も含めて、楽しく弾けるような方法を提案します。
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もはや定番!こんな人たちが弾いています
まず、ジャズマスターは多くのギタリストから愛されています。ダイナソーJr.のJ・マスシス、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのケヴィン・シールズ、レディオヘッドのトム・ヨーク、ソニック・ユースのサーストン・ムーアが有名です。
そうそうたるメンツがそろっています。このギターを弾こうと考えている方であれば、おそらく一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
一方、国内では元ブランキー・ジェット・シティの浅井健一、AIR(車谷浩司)、椎名林檎、元ナンバーガールの田渕ひさ子など、これまた人気のあるアーティストが名を連ねます。
海外と比較すると、ボーカルを兼務ないしはメインとしている方が多い傾向にあります。このあたりが海外ギタリストとの違いかもしれません。
彼らのように弾きこなすにはチューンアップが大切
もし、オリジナルのままで彼らのように演奏しようとすると多大な努力を要します。それもそのはず、プロのミュージシャンはギターの特性を十分に理解しています。中級者までのアマチュアギタリストが思うように弾きこなせないのは何ら不思議ではないのです。
ここで、必要になるのがジャズマスターを改造するという発想。実はFenderが提供している一般的なパーツを流用することは難しくありません。
少し工夫をするだけで、見違えるように弾きやすいギターに変身します。ぜひともあなたの愛機にも導入すべきと言えるでしょう。ここからは、演奏しやすくするために必要な具体的なメソッドを紹介します。
もはや常識!あのパーツに変えてしまおう
ジャズマスターの改造方法として、もはや定番にもなっているのがムスタング用のブリッジに変えるというもの。イモネジと違ってブリッジが安定するというメリットがあります。当たり前とも言える手法であり、これ自体に目新しさはないでしょう。そこで今回は筆者の経験を元に、デメリットを中心に説明します。
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ムスタングのブリッジは金属疲労を起こすことがあります。特に筆者はライブのたびに弦を切ってしまうようなギタリストですから、ピッキングの力がかなり強い傾向にあります。
このような場合、ネジに弦落ちするクセが付いてしまいます。こうなると交換のサイン。オリジナルのものと変わらなくなってしまうということを付記しておきます。
安定志向にするならこちら!レスポールタイプに変える
ブリッジをチューン・O・マチックに切り替えるというアイディアもあります。ザグリ工事は必要ですが、改造によって演奏の安定性が上がることは間違いありません。
後述するフローティング・トレモロの魅力は損なわれてしまいますが、ジャズマスターの欠点でもあった不安定なチューニングが改善するメリットがあります。
ただし、これは好みが分かれる部分です。音が太くなってしまいます。やはり、レスポールタイプのブリッジですから、ある程度サウンドにも影響してしまうことは否めません。
ラウドやヘヴィメタル、ハードロック寄りの音楽性を目指すのであればよいのですが、軽やかな音色を求めるのであれば難点と言えるでしょう。
マイブラサウンドを出すならテープで固定する
ジャズマスターの魅力と言えばなんと言ってもフローティング・トレモロにあるでしょう。元々、ジャズ用に開発されたこのギターは揺らぎの感覚も少し印象的です。
音程の調整がストラトキャスターのアーミングと比較するとなめらかという点にあります。好みは分かれるところですが、微妙な変化はサイケデリックな世界観を演出します。
このピッチの揺らし具合に目を付けたのがマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン。しかし、絶妙なトレモロ具合を再現できずに苦戦するギタリストも多いようです。
筆者が試した方法では、少し浮かした状態でガムテープなどを使って固定すると、ちょうど良い具合に音程が動かせます。ライブ中も落ちにくくなるので一石二鳥です。
上級者向けのギターという感もあるジャズマスター。本来ならオリジナルの状態で弾きこなすのが一番カッコイイのですが、そう簡単に演奏できるものではありません。
ただし、ポイントを定めて改造すれば使用感もバッチリでしょう。上述したようなチューンナップをすれば、ライブやレコーディングで大活躍間違いなしです。
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