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働きアリも本当はサボっていた!?~社会的手抜きというサボりの真実

2014.04.17

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働きアリの集団を観察するとちゃんと働いているのは3割程度で、2~3割程度はほとんどサボってばかりいるそうです。

よく働くアリだけを集めて観察してみても、やはり2~3割はサボってしまいます。人間にも同じことが起こり、どんな集団でも2~3割は全力をだすのに、2~3割はサボってしまいます。

こうした現象は「社会的手抜き」と呼ばれていますが、どうしてこんなことが起こるのでしょうか?

2割のアリが8割の仕事をしている!?

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アリの集団では2割のアリが8割の食べ物を集めてきます。「働きアリ」と名づけられているにもかかわらず2~3割はほとんど働かず、勤勉な2割だけが必死に働くのです。

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綱引きでは2割の人しか力を出していない!?

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一人ひとりに綱引きの綱を引かせて個人の力を測ったときと、集団で綱を引かせたときとでは、各人の出す力は大きく異なります。グループが大きくなればなるほど、個人の発揮する力は弱くなるのです。

大声をださせる実験をしても、一人ずつ声を張り上げさせたときに比べて集団で上げさせたときには、平均は小さくなります。

楽天では田中投手の投げた後は、選手の緊張感がなくなる?

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今年、ニューヨークヤンキースに移籍した田中将大投手。昨シーズンは、楽天で24連勝というとてつもない大記録を達成しました。田中投手の投げる日には選手全員が緊張感のある良いプレーをしたことも、大記録を支えたといわれています。

しかし実は、田中投手の投げた日の次の試合では、11勝16敗と大きく負け越しているのです。先発投手の力の差もあるのでしょうけれど、チーム全体が「社会的手抜き」状態になったのではないかとも言われています。

昨シーズンの楽天は82勝59敗と勝ち負けの差は23ですが、田中投手ひとりで24も勝ち越しています。彼が投げた日を除けば、58勝59敗と負け越しているのです。選手にしてみれば一年中緊張感を保つことは難しかったということなのでしょうか。

社会的手抜きとは?

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集団で作業をする場合において、単独の場合と比べて一人ひとりのがんばりが低下する現象は「社会的手抜き」と呼ばれ、日常生活のさまざまな面で見られます。

祭りのみこし担ぎなどでは、実際に担いでいる人は少数で、多くの人は持ち上げているフリをしているだけだそうです。

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どうして起こるのか?

社会的手抜きは、集団での作業においてはメンバー個々の成績が明らかになりにくく、貢献度を比較しにくいため起こると言われています。

あることを指示されたときに、ひとりの人が言われたときと、集団に対して言われたときとでは、命令のインパクトが異なるからとも言われます。集団のサイズが大きくなればなるほど、個々人に対するインパクトが小さくなるのです。

上位2割の営業マンが、利益の8割を挙げる!?

ビジネスにおいて、この法則がさまざまな面に当てはまることが確認されています。企業においては、優秀な上位2割の人が会社の利益の8割を叩きだす。

販売店では、売れ筋の2割の商品が総売り上げの8割を稼ぎ、上位2割のお得意客が8割の利益をもたらします。ウェブサイトでは上位2割が、アクセス総数の8割を占めるそうです。

原因の2割が結果の8割を握っていると結びつけられ、エラーやクレームが起こったときには、上位2割を解決すれば問題の8割が解決できるとも言われています。

社会の富の8割を2割の人が独占している!?

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この現象については、19世紀のイタリアの経済学者パレートが社会経済の面で生ずることを発見しました。これは「パレートの法則」と名づけられています。彼は、社会の富の8割を裕福な2割の人が独占しているということを明らかにしました。

ブレーンストーミングは時間のムダ?

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組織では新しいことを始めるときに、グループで自由な発想を出し合うブレーンストーミングをすることがあります。

これには、チームの一体感が生まれ達成感が得られるというメリットがあるものの、アイデア全体としては一人ひとりが発想を持ち寄るよりも小さいそうです。

大勢が集まると個人のモチベーションが小さくなり、人の発言で自分の思考が中断されることが一因といわれます。

また、達成感を得られるのは他人の良いアイデアに満足することが関係しているそうです。会議をするより、優秀な2~3人が企画を持ちよった方がずっと効率的ということがあるのです。

体が持たない!?

いつも全力で頑張りつづけていては体が持たないことから、「手抜き」には力をためる意味があるともされています。

短期的には全員が全力をだせば効率が良くなりますが、作業を交代で行なうことで、環境変化に耐えうるように調整しているとも考えられるのです。

厳しい環境で生き残るためには、どこかに余力をためておく必要があり、そうしたバランス感覚が集団内で自動的に起こっているのかも知れません。

アリの場合では、頑張るアリほど寿命が短いらしく、集団が生きのこるためにはサボって長生きするものも必要なのだそうです。

だからといって、仕事をサボっていいことにはなりませんが…。

by 水の

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