腐女子がなぜBLにハマるのか?~友人の腐女子に聞いてみました
オタクに偏見を抱く方は少なくないでしょうが、それでも以前に比べれば市民権を獲得しはじめたように感じます。
恥ずかしいからと自分の趣味をひた隠しにしていた方も、カミングアウトしやすい世の中になってきました。
一方で、同じオタクの中でも主張がはばかれる趣味の方もいます。腐女子という言葉をご存じでしょうか。
ボーイズラブ(通称BL)に惹かれる女性のことですが、男性からは特に理解ができないという声が多く聞かれます。
なぜ、彼女たちはBLが好きなのでしょうか?友人の腐女子たちにどうしてBLが好きなのか、話を聞いてみました。
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男同士なら嫉妬しなくて済む?
オタクの中には漫画やアニメ、ゲームの中のキャラクターに恋をしてしまう方が多くいます。自分のものにしたくても、まったく手の届かない存在であることに間違いはないでしょう。
何しろ次元を超えなくてはならないのですから。
「触れられない、愛を確かめ合えないのは仕方ないとしても、ほかの女性キャラクターに奪われるのは許せない」私が話を聞いた腐女子からはそんな声が聞かれました。
自分を愛してくれないのならば、いっそ同性同士が恋人になってほしいと考えているのだとか。女の嫉妬は恐ろしいといいますが、なるほど、男性にならば激しい嫉妬の炎を燃やさずに済むのかもしれません。
男性が恋愛対象ならば、女である自分は恋人になれなくても仕方ないという諦めがつくという意見も耳にしました。
存在しないのにどうしてそんな発想にと驚かれるかもしれませんが、それだけ本気で恋をしているという事なのでしょう。
男性同士の熱い友情は本当は恋なのでは?
女友達というのは、男性の友人関係に比べれば希薄であることが多いといわれています。
友情より愛情を重視する傾向が強い女性にとって、男同士の熱い友情関係が理解できないのだとか。
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二人の関わりが深ければ深いほど、「友達としての好きだけでは片づけられない」「本当はそこに恋愛感情があるんでしょ?」と思ってしまうのが腐女子なのだといいます。
関係性が恋愛感情に見えてしまうというタイプの方の場合は、必ずしもBLでなくてもいいのだとか。
パラレルワールドで女性になってしまったというシチュエーションでも問題なく楽しめるのだといいます。
中には感情の存在しない無機質同士でもカップリングにしてしまうこともあるようです。ガムテープとセロハンテープについての恋愛を熱心に語ってくれる友人もいました。
恋愛における障害の一つとして楽しんでいる
恋愛はよく、障害が大きければ大きいほど盛り上がるといわれます。身分の差や周囲の反対、不倫などと同じように、「同性」だからという大きな壁を作ることで、作品として楽しんでいるようです。
男性同士の恋愛は「やおい」と呼ばれています。「やまなし、おちなし、いみなし」の頭文字から生まれた言葉です。
男同士が絡み合っているだけでストーリー性がない作品ということと捉えて問題ないでしょう。恋愛対象が同性であることを障害に捉えている場合、やおい作品は好まないのだといいます。
感情や背景が見えないBL作品には目もくれないという腐女子の多くは、男性同士の恋愛かどうかより、クオリティの高い作品を求めているといえるでしょう。作品としてBLが好きな場合、質が高ければ男女の恋愛であっても評価しているようです。
自分が男より優位に立ちたい
男女の恋愛において、ベッドの上ではどうしても男性のほうが優位になりがちなものでしょう。中にはそれに納得がいかないという女性もいるのだとか。
自分が相手を組み敷きたい、優位に立ちたいと思う女性は、BLで主導権を握っている男性に自分を重ね、願望を満たしているのだといいます。
現実世界では確かに、女性が優位に立つのは簡単なことではありません。体格差もありますし、力の差も男性のほうが強いことのほうが多いものです。
現実では叶わない願望をBL作品に自己投影しているのでしょう。
男性が苦手という意識の表れから
腐女子の中には男性に苦手意識を持っていたり、過去のトラウマから恐怖症に近い感情を持っていたりすることもあるようです。
BLが好きなのに男性が苦手とはどういうことなのかと感じる方もいるでしょう。
恋愛において、プラトニックな関係のままでいることはなかなか難しいことです。体の関係を持つことになる場合も少なくありません。
女のキャラクターが恋愛対象になってしまえば、自分をそこに重ね、トラウマを思い出してしまうこともあるのだとか。
男性が性の対象の作品ならば、そうした恐ろしい体験を思い出さずに済みます。あくまでも自分は第三者で、一歩離れた場所からストーリーを楽しむことができるのだといいます。
ひとくくりで「腐女子」といっても、求めているものは人によってさまざまといえるでしょう。
同じ映画好きでもアクションが好きなのか、フランス映画ばかり見ているのか、SF作品に関心があるのかで、考えが違うこともあります。
BLが好きになった背景にはそれなりの理由があるといっても過言ではないかもしれません。
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