あなたの一番古い記憶は何ですか? そこに隠された本当の意味
あなたにとって、一番古い記憶はどんなものですか? 誰でも昔のことは忘れます。
10年前の何月何日に何をしていたのかをしっかりと覚えている人はほとんどいません。
しかしすっかりすべて忘れるわけではなく、一部の体験については、はるか昔のことでも覚えているものです。
それらを思い出しながらさかのぼっていくと、自分自身の一番古いものに行き当たることができるでしょう。
「人生最初の記憶」は、どうして残っているのでしょうか? たまたまなのでしょうか? ほとんど忘れる中で、ごく一部だけ残っているのには何か意味があると思えませんか?
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人生で最初の記憶を思い出してみましょう
小学校低学年や幼稚園のころのことで、覚えているできごとにはどんなことがありますか?
家族で海水浴に出かけたことや雪遊びをしたこと、兄弟げんかをしたことや、三輪車で転んでケガをしたことなど、人によって色んな思い出があるものです。
中には幼稚園に入る前のこと、赤ん坊のころのことを覚えている人もいるでしょう。その中で一番古いものはどれなのか考えてみてください。
記憶と忘却を比べると、忘却の方が圧倒的に大きいもの。「人は忘れる生き物」と言われることもありますが、豊かな精神生活を送る上では忘れることも重要なのでしょう。忘れることが多い一方で、覚えていることもあります。
人は忘れたいから忘れるものです
もし、人が経験したことをすべて覚えていたらどうなるでしょうか? 人生には楽しいこともありますが、苦しいことや悲しいこともたくさんあります。
辛いできごとをいつまでも忘れられないと、長く苦しみ続けることになります。精神的な健全さを維持するためには、忘れることが必要なのでしょう。
楽しいことだけは保持し、辛いことは消却するというような選別ができたら良いのですが、それはできません。
良いも悪いも全部まとめて消すしかないのでしょう。人の心には、忘却のメカニズムというものが備わっているようです。
心理学者のフロイトは、「忘れる」という観点から人間の心理を分析しましたが、世の中には、忘れられなくて困っている人もいます。
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忘れられないという病気があります
世の中には、経験した事柄をすべて覚えているという人もいます。「超記憶症候群」と呼ばれる症状で、1億人に1人と言われるとても珍しい病気です。
頭の中に録画機能があるように、何月何日の何時に何をしたのかということを、匂いも含めて詳細に覚えています。とても便利なように思えますが、忘れたくても忘れられず本人はとても辛いそうです。
過去のことが次々と思い出されてくつろぐことができず、しばしば眠ることもできないのだとか。こうした病気の人から分かることは、人間は忘れられた方がラクに生きられるということです。
なぜ覚えているのか?
人間には忘却機能が備わっているために幸せだともいえるわけで、忘れることが当たり前です。それなのに、「覚えておこう」と意識もしていないのに残っている記憶があるのはなぜでしょうか?
特に幼少期のことはほぼ100%消えてしまうのに、ほんの一つか二つだけ覚えていることがあります。
これを偶然と考えるのには、無理があるかも知れません。覚えていることそのものに、何らかの理由があると考えるのが合理的といえるでしょう。
最初の記憶にはライフスタイルを決定する意味がある!?
心理学者のアドラーは、記憶は「啓示的」なものだと考えました。
人は無数にある経験の中から自分に関係があると直感するものだけを選別して覚えるので、残っているものは必要だからであって、不要なら捨て去っているはずだと。
特に、幼少期には人の精神生活に影響する強い刺激を受けるため、幼い時期の思い出には、人生スタイルに関わる重要な意味があるとしました。
幼児記憶、特に最初のものには、その人の人生の方向性を決めるような意味があるのです。
自分の思い出の意味を考えてみましょう!
あなたの最初の記憶はどんなものですか? 多くの場合、家族が登場します。
親や兄弟姉妹、祖父母などです。家族との関わりが人格形成に大きな影響を与えているからだと考えられますが、出てこない記憶を持っている人は、独立心が強いのかも知れません。
誰と一緒なのかも意味があります。一般的には一番大切にしている人と考えられます。
シチュエーションは、ワクワクするものである場合も、ドキドキするようなもの心配なできごとなどの場合もあります。
楽しいものであればポジティブな思考の現れでしょうし、不安なものや怖いものなら、人生に対し保守的な志向を持っているのかも知れません。
例えば、妹と海で遊んでいる記憶であれば、彼女を愛おしく思い大切に守ってあげようと考えているのではないでしょうか。
家族で乗った自動車で事故をした記憶なら、危ないことが起きても家族となら安全だという「家族志向」の意識なのかも知れません。
人生最初の記憶には、自分のライフスタイルや生き方の方向性を表す意味が隠されています。
自分自身が大切にしている根本の考えがどういうものであるのかを知ることで、本来自分が目指しているものに気づくことができるはず。是非、思い出してその意味を考えてみましょう。
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