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歯の詰め物でラジオが受信できる?~頭の中で音楽が聞こえませんか?

2014.03.24

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頭の中で人の話し声が聞こえたり、音楽が聞こえたり…そんな幻聴にお悩みではありませんか?

病気?いえいえ、その原因は意外にも歯の詰め物かもしれません。

我々が生活する日本では、そこらじゅう常に電波が飛び交っています。ラジオはもちろんですが、テレビや携帯電話、ノートパソコンなどの無線通信なども電波を発しています。

これら電波を、歯の詰め物が「鉱石ラジオ」としての機能を果たし、受信することができてしまうのです。都市伝説として囁かれることもあるこの現象、どのような原理で電波を受信してしまうのか解明していきましょう。

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そもそも「電波」とは何なのか?

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電波とは、電磁波がとる一つの形であり、光よりも周波数の低いものがこう呼ばれています。電線の中から出られない電気と違い、物体を離れて空気中を移動する性質があります。

電波を実際に発見し、存在を実証してみせたのは、ドイツの物理学者ハインリヒ・ルドルフ・ヘルツです。1888年のことでした。今ではあなたもご存知のとおり、周波数や振動数の単位にその名が刻まれています。

ヘルツは、電波を発見したものの実用化するという発想は特になかったようです。後年の技術者たちの手により、モールス信号をはじめ、ラジオ放送・テレビ放送など様々な情報を電波に乗せて発信できる仕組みが作られていきました。

電波が使われ始めてから今の今まで、一瞬として電波が途絶えた事はありません。現在では、携帯電話やGPS、宇宙人へのメッセージなど様々な情報を電波で送信しています。

鉱石ラジオの仕組みとは?

「鉱石ラジオ」とは、受信した電波から音声信号のみを取り出すために特殊な鉱石を使用したラジオです。ラジオが実用化された当時に流通していましたが、受信した電波のみが電源だったため音量が低く、今では使い勝手が良いとは言えないでしょう。

その構造も非常に単純であり、受信するアンテナ、チャンネル合わせのための同調回路、音声信号を取り出す鉱石、音声信号を音に変えるスピーカーの3つがあれば動きます。

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戦争中、アメリカの兵士が塹壕(ざんごう)から出られず退屈していたとき、周りにあった導線や鉛筆の芯などでラジオを作ったほどです。

現在のラジオは、たった一つのICチップに軽く収められるほど小型化が可能です。そのため、鉱石ラジオに出番はほとんどありません。強いて言えば学習用として作られることがある程度でしょう。

「アンテナ」「同調回路」「鉱石」「スピーカー」の、以上4つがあれば、最低限ラジオとして機能する訳ですが、人の体でこんな事が本当にできるのでしょうか?

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アンテナ代わりの人体

筋肉を動かす時など、脳が体に命令する時は電気が使われています。落雷により感電する例もあります。つまり人の体は電気を通すため、アンテナのようにラジオ電波を受信することは十分に可能です。

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今現在も、あなたの体の中を無数の電波が通過しているはずです。しかし普通は、その電波から情報を拾うことはなく、大きな影響が出ることはないでしょう。ましてラジオを受信してしまう、という事もあり得ないのです。

携帯電話などの電波もやはり通過しているため、考え方によっては少し怖いでしょう。ややオカルト寄りの話にはなってしまいますが、電波が体の異常を引き起こすなどと言われ、携帯電話の使用を推奨しない考え方もあるようです。

もっとも、携帯電話を使った場合に問題を引き起こすとしても、現代社会においては使わないことによる問題の方が大きいと私は思います。

歯の詰め物が「鉱石」の役割りを果たせるのか?

人体がアンテナとして電波を受信しても、それがすぐにラジオ音声とはなりません。これがすぐにできてしまっては、同じく空気中を飛び交う「音」と同じです。

アンテナで受信した電波から、希望する番組の周波数に合わせて音声信号を取り出すことが必要になります。鉱石ラジオの場合は、導線をグルグル巻きにした同調回路と鉱石がその役割りを担っています。

歯の詰め物が同じことを行う場合、まずは聞き取りたいチャンネルに「同調」させる必要があります。これについては「たまたま」成功するのを願うしかありません。

これが、歯の詰め物でラジオ受信する現象が都市伝説となっている理由でもあります。そうそう起こる現象ではないのです。

さらには音声信号のみを抜き出す必要があります。これが可能かどうかは、歯の詰め物の素材によるでしょう。まさに、先ほどの「チャンネル合わせ」にも言えることですが、唾液との兼ね合いや、口に含んだ飲み物などの影響もあるでしょう。

ちなみに現在では、ラジオを受信してしまうような素材が歯の詰め物に使われることは無いようです。

頭蓋骨は、スピーカーの代用品

電波から、まんまと音声信号を拾うことができれば、後は頭蓋骨が音を伝えてくれます。耳を経由せず、頭蓋骨から聴覚神経に直接伝わる現象を「骨伝導」と呼びます。

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この現象を利用したスピーカー・ヘッドホンがあります。補聴器にも利用されており、一部の難聴には有効なようです。

あの(本物の方の)ベートーベンも、ピアノに噛んだ指揮棒を押し付けて音を拾っていたと言われます。

この状態で音が聞こえた場合、当然周りの人には伝わりません。異常を訴えても周りに理解されないのです。また四六時中、意図せずラジオが聞こえてしまうのは煩わしいでしょう。

もしあなたがこのような幻聴に襲われているなら、一度歯科医へご相談をされてはいかがでしょう?

by 小川

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