パンダとレッサーパンダは親戚?~意外と知らないパンダのトレビア
中国外交の切り札の一つでもある珍獣・パンダ。
元が珍しい動物だけに、トリビアや豆知識にも事欠きません。
ここではパンダの豆知識として、名前の由来、歴史などを紹介します。
パンダの名前に関するトリビア
■パンダの名前の由来
「パンダ」という名前の意味は、ネパール語で「竹を食べるもの」。
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もともと生き物の名前や分類として、「パンダ」という単語があったわけではないんですね。
するどい人は、「じゃあ、レッサーパンダは?」と思うでしょう。
あれも同じで、レッサーパンダも元々ネパールの出身なのです。
(レッサーパンダには2種類いて、ネパールレッサーパンダと、シセンレッサーパンダがいます。「シセン」というのは、中国のネパール寄りの四川省のことです)
レッサーパンダというとなぜかアメリカなどのイメージを持っている人も多いので、あれもネパールというのは少し意外かも知れません。
■元々、「パンダ=レッサー」だった
元々、日本でも外国でもパンダといったらレッサーパンダの方を指していました。
しかし、20世紀の初頭に今のパンダの存在が知れ渡り「ジャイアント」と「レッサー」で区別するようになりました。
この時点ではまだそれぞれの名前で呼ばれていたのですが、インパクトがどう考えても白黒のパンダの方が強いので、徐々に「パンダ」の座を奪われていったわけです。
■中国では「熊猫(ションマオ)と呼ぶ
中国語でパンダは「熊猫」と呼びます。
読み方は「シェンマオ」と日本の記事に書かれていることがありますが、ピンインからすると「ションマオ」が正しいです。
(もっとも、中国は地方によって発音がかなり変わるので、シェンマオの地域もあるかも知れません)
私が中国に留学していたとき、アイラインのメイクが濃い女の子が「ションマオ」というあだ名を付けられていました(笑)。
(メイクが変だったわけではなく、かわいい子です)
その子と特別縁があったわけではないですが、ションマオと聞くと、そのせいで何となく、留学時代を思い出します。
パンダ発見の歴史 ~いつ見つかったのか?~
パンダは紀元前の中国ですでに発見されていました。
記録を下に一覧にします。
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■紀元前206年~24年
この時期には司馬相如という有名な歴史家がいました。
彼の著書の『尚林賦』には、「宮廷の庭でパンダが飼われていた」という内容が書かれています。
また、紀元前170年頃(前漢)の文帝の時代で、その母親で薄太后という人物がいました。
彼女がなくなって埋葬される時、パンダの頭蓋骨が副葬品として添えられたということも、この書物には書かれています。
■紀元前770年~西暦256年『山海経』
中国の地理書の『山海経』は、紀元前770年~西暦256年にかけて、何度も補筆されて発展した歴史書です。
そのため、いつの時点で発見されたのかはわかりませんが、この山海経の中には、「似熊、黒白獣、食銅鉄、産於邛峽山厳道南」と書かれています。
「熊に似た白黒の動物が、厳道県の南の邛峽山に生息している。この動物は、銅と鉄を食べる」という意味です。
もちろん、パンダが銅や鉄を食べるというのは間違いですが、あごの力が強いので、何かの時に偶然かんでしまったのかも知れません。
■西洋に知れ渡ったのは、1869年
西洋まで知れ渡ったのはかなり遅く、1869年フランス人の神父によってです。
ダビッド神父という人物で、彼は四川省の山奥を回っている時に、パンダの毛皮を発見しました。
これをフランスに持ち帰り調査したところ「熊とは別の生き物である」ということがわかりました。
中国では長年「熊猫」という名前の通り、パンダは熊の一種と考えられていました。
熊の一種と考えたためか、特に珍重もされていなかったのですが、西洋ではこのように「熊ではない、新手の生き物」ということで注目されて、その後世界的に知られる珍獣となっていきました。
パンダの飼育の歴史
■最初に飼育したのはアメリカ
最初に飼育したのは中国ではなくアメリカです。
1936年で、第二次世界大戦が始まる3年前です。
(日中戦争の1年前なので、中国が飼育する余裕は当然ないですね)
飼育したアメリカ人は「ルース・ハークネス夫人」という女性です。
彼女がアメリカにパンダを持ち帰り個人的に飼育していたのですが、それが翌年シカゴの動物園に引き取られました。
パンダが動物園で育てられたのは、これが初です。
*それにしても、大戦の直前にこんなことをやっているのだから、日本とアメリカの間に、いかに国力の差があったかわかりますね。
カーネル・サンダースの伝記を読んだ時も、大戦中の彼のビジネスの様子が、普段とあまり変わっていなかったのを見てビックリしましたが、アメリカ中こんな感じだったんですね。
(もちろん、大変なこともあったでしょうが、日本ほどではなかったはずです)
以上、パンダの歴史や名前の由来を中心に紹介しましたが、パンダの豆知識やトリビアはまだまだこんなものでは足りません。
これについては、また次の記事で紹介させていただきます。↓
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