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そろばんのルーツは世界各地にあった?~ギリシャ・ローマ・中国

2014.03.18

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「読み書き算盤」として、計算の代名詞となっている「そろばん」。

その起源やルーツは、実は世界の各地にあります。

ここではその起源と言われている古代ギリシャ、中国、アラスカなどのそろばんの歴史・起源説を紹介します。

古代ギリシャで原型が生まれる

古代ギリシャには「アバクス」というそろばんの原型がありました。

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原理は、
・箱に砂を敷き詰める
・その砂に先を何本か引く
・その先の上に石ころを置く
というものです。

そろばんの「柱」が線になり、「珠」が石になったわけですね。

ギリシャ人はこれをテーブルの上にも置いており、このテーブルを「アバクス」と言いました。

ローマ時代には持ち運びも可能に

上に書いたように「アバクス」はテーブルです。

なので持ち運びはできなかったのですが、これがローマでは持ち運びように「溝そろばん」というものに発展しました。

この原理は、
・木の板に溝を掘る
・その溝の上に珠を置く
というものです。

現在のそろばんの「柱」が溝に変わっていますが、それ以外はほとんど一緒と言っていいでしょう。

紀元前にはすでに、そろばんはほぼ誕生していたわけです。

この溝そろばんが後に中東に伝わり、中国に伝わり、日本にも伝来したという説が、有力なものの一つとなっています。

現存する最古のものは「サラミスのそろばん」

実際に発見され、現存しているもので最古のものは「サラミスのそろばん」です。

ギリシャのサラミス島で発見されたもので、紀元前300年頃のものと言われています。

現存するものでこの時期なので、もう少し前の紀元前350年や400年頃には、そろばんは一般的になっていたと考えていいでしょう。

*なお、古代ギリシャのさらに前のルーツとなったのは、メソポタミアの計算方式です。

中国ではどのように進化した?

そろばん
中国では昔から、画像のような算盤がありました。

いきなりこの形になったわけではありませんが、これに近い計算方法は昔からありました。

その計算方法では、そろばんの珠の代わりに「紐の結び目」「算木(さんぎ)」などを使っており、それをさらに使いやすくしようと工夫した結果、「珠」を使う今のそろばんのスタイルに近づいたわけです。

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つまり、ギリシャやローマと同じ進化を遂げたというわけです。

ただ、現在のそろばんのような形になった「直接のきっかけ」も自国で起きたのか、ローマからの伝来だったのか、それはわかりません。

そろばんの発明者は関羽?

関羽といえば、三国志の豪傑として有名な人物です。
(長ひげと青龍偃月刀で有名ですね)

中国では昔から関羽がそろばんの生みの親と言われてきました。

しかし、これは完全に俗説・伝説であり、関羽が活躍した三国時代よりも前から、そろばんは存在したと考えられています。

そもそも、籌算(ちゅうざん)という計算方法がすでにありましたし、中東やローマとの交易がすでにあり、ローマや中東ではすでにそろばんが開発されていたため、です。

ただ、この説は信じられているかどうかはともかく、中国では愛着を持たれています。

そのため、関羽を祭った「関帝廟」には、そろばんの絵や彫り物も多く見られます。

名前の由来は、中国語の「スワンバン」から

そろばんの起源が中国かどうかはわかりませんが、日本語の「そろばん」の名前の由来は、確実に中国です。

中国語で「算盤」は「スワンバン」と読むのですが、これが鈍って「そろばん」となったわけです。

また、日本に直接伝えたのはやはり中国なので、「起源」ではなかったとしても「伝来のルーツ」なのは間違いありません。

中国起源説をさらに詳しく

中国起源説の元となっている「籌算」をさらに詳しく紹介すると、この方式がローマのように「珠」を採用したのは「2世紀」と言われています。
(これが正しければ、ローマより約500年後ということになります)

2世紀ごろと言われる理由は、この時期に書かれた書物である『数術記遺』の中に「珠算」という言葉が登場しているからです。

ということは、この時期には「珠」が存在していたということで、これが「珠を使ったそろばん」が中国で登場した時期だと考えられます。

アステカ起源説は?

これはかなり弱めのものです。

というのは、アステカでそろばんの存在が確認されているのは「1000年頃」だからです。

もっと前から存在したかも知れませんが、現時点でわかっているのがこの年代までなので、単純にサラミスのそろばんと比較すると「1300年の差」があります。

なので「アステカにもあった」ということはできますが、「アステカが起源」というのは難しいでしょう。

少なくとも、ローマや中国のように他地域には広まっていないので、他地域の起源やルーツと言うことはできないでしょう。

ちなみに、アステカのそろばんでは珠の代わりにトウモロコシの芯を使っていました。

それを柱に通すのではなく、紐に通すという構造をしていたと考えられています。

日本に伝来したのはいつ?

最後に日本に伝来した時期を紹介すると、『日本風土記』には「そおはん」という名前で登場しているので、この1570年代には伝わっていたと言えます。

また、日本最古のそろばんで現存するものは、前田利家が使っていたものなので、戦国時代の終わり~安土桃山時代のものです。


以上、そろばんの起源・歴史について紹介しました

今では触ることのなくなったそろばんですが、このようなルーツも知っていると、計算を身近に感じられるかも知れませんね。

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